見出し画像

露雫流魂-ルーナーリィゥフン-/春の章・曙春霊連峰_ライナーノーツ

おはもにこんにちこんばんにゃ、媛貴です。

今回はボイスドラマCD「露雫流魂-ルーナーリィゥフン-/春の章・曙春霊連峰-シュチェンリンリァンフェン-」について触れていきたいと思います。

◆企画の始まりについて


そもそもの始まりは私の声活動15周年企画として立ち上げた「アジアンヒーリングを基調としたオリジナルファンタジーのボイスドラマ制作企画」でした。ボイスドラマを制作しつつ、楽曲もオリジナルのものを作ろうという、それまでは二次創作でフリー素材だけでボイスドラマを制作していた私の中では挑戦的な企画でした。
一から楽曲を制作するのに作曲家さまを募集したり、ボイスドラマのキャストさまを募集したりしていた矢先に、持病で寝込んで3度入院したり、結婚して引っ越したりとプライベートで生活様式が変わったりでバタバタして、実に5年もの歳月が流れてしまいました。

◆主人公・海琳(ハイリン)について


元々PIXIV Fantasiaという企画で制作したキャラだったのですが、なかなか企画に参加できずほぼ箱入り状態だったのを私の異世界クラ・フ・ファーゼの住人として迎え入れることにしたのがそもそものきっかけでした。
こちらが当時の設定資料。

初期ハイリン。漢字を間違えています。(「雫」ではなく「琳」が正しいです)

この時から既に漢字をピンイン読みしており、オリエンタルなキャラにしようとしていたのが伺えます。「精霊繰り」の設定はなくなっておりますが、「謳(オー)」の設定は残っており、吟遊詩人としてクラ・フ・ファーゼを旅することになります。

◆スターターキットについて


体調不良でボイスドラマに取り掛かれないでいた時間が長かったのですが、その間に楽曲制作に取り組み、『スターターキット「VAN rrye atrah」』を頒布することができました。
「楽曲依頼」はしたことがあったのですが、「楽曲制作」で物語のイメージや使用する楽器など細かくディレクションをさせていただいたのは初めてで、非常に勉強になる経験でした。
とはいえ設定資料をほぼ丸投げしたので、作曲家さま方がイメージを汲んでくださったおかげで、「森の人~ハイリンのテーマ~」「風神舞う天空より授けられしは奔放なる好奇心~フィルフレイラのテーマ~」「曙春霊連峰-シュチェンリンリァンフェン-」の3曲が完成しました。

それとボイスドラマの元になった小説を冊子にまとめ、ポストカードと音楽CDを封入したスターターキット「VAN rrye atrah」が世に出ることとなるのです。

スターターキット「VAN rrye atrah」(一部)

と同時にボイスドラマの劇中歌である「春呼びの詩」も完成しました。

◆「春呼びの詩」について


この「春呼びの詩」は原詞と作曲を担当しました。
以前から鼻歌でなんちゃって作曲はしていたのですが、今回はそれを拾って頂いて素敵な楽曲に仕上げていただきました。
そこでようやく、ハイリンの旅の意味が見えたような気がしました。
ぼけていたカメラのピントがやっと合ったような。
ジグソーパズルのラストのピースがやっと揃ったような達成感というか、納得感といいますか。
ハイリン自身=私自身であったことがようやく理解できたのです。

◆ハイリン=私について

海琳(ハイリン)について

元々ハイリンはボイスドラマで私が演じたいと思っていたキャラだったのですが、自分のオリジナルキャラでありながら不思議と「一体感」は感じていなかったのです。いつも通り頂いた役を演じる。そんな心意気でやっていたのですが、「どうしてハイリンがそんなに『原初の詩』に拘るのか」、さほど自分の中では重要視しておらず『物語の一部』としてしか考えていなかったのです。
しかし「作曲」という作業を経て私自身に「音に対する拘り」ができて、ようやくハイリンの思想に深く近づけるようになっていきました。「作曲をする上で、どうしてその楽器でなければならないのか」「どうしてこのメロディーは生まれたのか」など、色々考えさせられました。
最初は「二胡メインのアジアンヒーリングの作曲をしていこう」という漠然とした企画でしたが、作曲家さまたちとお話をするにつれて「音とは何だろう?」という根本的なところにたどり着き「音の不思議・面白さ」に気づかされ、とても楽しい気分になったのです。
そう、ボイスドラマ劇中でフィルフレイラに『ある言葉』を聞かされて喜んだハイリンのように。
私の中にスッとハイリンが降りてきたような気分でした。
「あれあれ。ようやくお気づきでありんすか」
そんな風にハイリンが微笑んだような気がします。
あの場面のあの台詞は、まさに私自身が感じた「生(なま)の声」でした。

そして編集のブラッシュアップを重ねて、今回のボイスドラマの完成となります。

◆ボイスドラマについて


今回のボイスドラマは比較的シンプルな仕上がりにしています。
極力BGMは使わないようにし、SEと台詞をメインにしたのには、やはり「春呼びの詩」を目立たせたかったのがあります。
SEもどこまで入れていいものか悩んだのですが、「雪山」という特殊な場面の中でそんなに音がするものなのか、いいや否と思い、極力音は入れないようにしました。
これが吉と出るか凶と出るかは分かりませんが正直な話、これ以上入れたい音が見つからなかったのです。
情景はナレーションがしっかり説明してくれていますし、若干物足りない感は拭えませんがボイスドラマでのSE入れは今回はこれで仕上がりをみせることとなりました。
BGMですがフリー素材を使わせて頂きながらも、ラストは題名曲である「曙春霊連峰-シュチェンリンリァンフェン-」を流すことができ、自分の中では非常に理想的な流れ+仕上がりとなりました。

ここまで書いて「ようやくできた」という達成感がありつつも、「ハイリンの旅はまだまだ続くんだ」というドキドキやワクワクでいっぱいだったりします。
ただ、ボイスドラマ企画としては一旦お休みしようと思っています。
私事ではあるのですが、闘病をちょっと頑張ろうと思っておりまして。
小説はサイトで連載しようと思っているのですが、ボイスドラマの制作はひと段落つけさせていただこうと思っています。
サイトのアドレスも明記しておりますのでぜひ小説を読みに来てやってください。

露雫流魂・小説連載サイト

ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
そして手に取ってくださった貴方へも、最大級の感謝を。

本当に、本当に!ありがとうございました!!

【追記】


CD付属のフライヤーにて関係者様のお名前を掲載させていただきましたが、
作画のたつなか様のお名前が表記されておりませんでした。
申し訳ございません。
正しくは『キャラクター原案:媛貴/作画:たつなか』となります。
大変失礼いたしました。重ねてお詫び申し上げます。

気に入っていただけましたらサポートお願いいたします。執筆しながらコーヒーブレイクさせていただきますね!