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訪問看護もゲーム?クリアがある?不登校支援

 看護師 山田祥和

 私の利用者さんの中に、学校には行けないが、ゲームセンターに行けたり、家でゲームはできたりする利用者さんがたくさんいます。

 今日、以前訪問看護を利用していた方から近況報告があり、いつかのことを思い出しました。「訪問看護もゲームだね」と言われたことを。

「訪問看護ってゲームだよね」

 ある日、一緒にNintendoSwitchのゲームしていると突然言われました。私がどうしてって聞くと

「クリアがあるから」と。

 訪問看護に何故クリアがあるのか考えていると

「下手だとクリアできないね。先生(訪問看護師)、クリアは難しいよ!レベルを上げないとクリアできないよ。それでも難しいかもしれないよ」

 ?????

 時々一緒にSwitchやスマホゲーム、カードゲームをしています。一緒に戦ってレベルを上げていくものもあります。大概のゲームはレベルを上げればクリアできます。しかし、訪問看護のゲームはクリアが難しい?訪問看護がゲームとどう関係しているのかわかりません。

「クリアするには先生のレベルを上げるのも大切だけど、いくらMAXまで上げてもクリアは無理かもしれないよ」

 どうすればいいのだろう。いくら頑張ってもクリアできないゲーム?無理ゲーというやつか?

 そのゲームは面白いのかきくと

「うーん、つまらないんじゃない。かなり難しいからね。ましてや先生一人の頑張りじゃ無理だからね」

 面白くない?一人じゃ無理?、、、じゃ一緒にやろうよと伝えると

 にこにこしながら「嫌だ」と

「時間かかるよー、難しいよー」

一人プレイではクリアできないゲーム?
時間がかかるゲーム?
難易度高いゲーム?
つまらないゲーム?

全くわかりません。訪問看護をゲームと表現したのは何故か、、、、、

「訪問看護はぼくを学校に行かせるゲームだよ。先生はそのゲームをプレイしているんだよ」

「ゲームをクリアするとは僕が学校に行くことだね」


 なるほど、学校に行かせるゲームなのか。だからクリアが難しいと表現したのか。

 私は、「別にゲームはやってないよ」答えました。

 無理に行かせようと思ってもないし、行ければ行った方がいいというスタンスで関わっています。ですのでplayしていません。

 私は続けて「例え、訪問看護がゲームだとしても簡単だよ。もう少ししたらクリアできるよ。レベルなんか上げなくてもボーっとしていればこのゲームはクリアできるよ」

 この時中学3年生で、中学1年の途中から1日も学校に行けていませんでした。しかし、高校になれば行けることを確信していました。

 というのも、発達障がいの二次障がいを起こしていなかったので、明るく快活で、自尊心は高めでした。環境が変われば行けると思っていました。

 訪問看護では、二次障がいを起こさないように、焦る家族に理解を求め、学校に行けなくても自信を失わないように強みに焦点を当て、後はひたすら味方に徹していました。だから環境が変われば学校に行けることを疑わなかったのです。

 ちなみに、今日の近況報告は大学のサークルに入ったということでした。

 本人が作った、喜んで飛び跳ねているスタンプを押しました。

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