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私の好きなバリ島の風習「ニュピ」

先日、三ッ星スラムの話題の中で、バリ島の話題が突如持ち上がった。

先日の読書会のゲスト高須さんの話から突如バリ島の話に。

旅行好きの私は特にバリ島になぜか心を惹かれ、もう数えていないけれど15回くらいはバリに行っている。
いつも何しに行っているの?と聞かれるが、特に何もせずのんびりしていることが多い。

せっかくなので、この機会に私の好きなバリの風習を紹介したいと思う。

バリの宗教

インドネシアではイスラム教が主流だが、バリ島の人々はバリヒンドゥー教が大半を占めている。

イスラム教では豚肉を食べることが禁じられているが、バリではお供え物に豚の丸焼きを用意したりと豚は日常でよく食べるので、街中でこんな風景に出会うことも。

トラックから降ろされる豚の丸焼き


バリ島の正月静寂の日ニュピ

バリヒンドゥーはウク暦とサカ暦と呼ばれる暦にそって宗教行事が行われるのですが、サカ暦の宗教行事の一つが「静寂の日」と呼ばれるニュピの祭礼。

この日は朝6時~翌日の朝6時まで、外出、労働、殺生、火や電気の使用など日常のほとんどのことが禁止され、静かに瞑想して過ごすことになる。

観光客も例外ではなく、ホテルにこもることになる。

火を使わないことになっているので、現代でもなるべく前日までに食事を用意しておいたり、当日食事を作るとしてもジャージャーと炒めている音が近所に聞こえないように炒め物はしないと聞いた。

観光業で成り立っているバリ島だが、なんとニュピ当日は飛行機の発着も停止、テレビも放送停止、ネットも基本停止している。

この風習が始まったころには当然テレビもネットもなく、ルールとして禁止事項になかったが、風習の趣旨としてテレビ、ネットも停止する方が望ましいとなること自体が宗教を島全体が宗教をそれほど大切にしていることの証といえる。

日本はもとより他の国でも利便性や経済を優先が当たり前となり、ここまで宗教を優先することはまずないだろう。

インターネットも2017年まではニュピ中でも見ることが出来たが、2018年からは見られないようになった。
(一瞬見られる時間があったのだが、噂によると業者がミスしたとか。そういうところもバリらしくて好き)

ニュピ前日の祭りオゴオゴ

ニュピ前日には悪霊を払って神聖な年を迎えるためにオゴオゴと呼ばれる盛大な祭りがある。

オゴオゴは鬼のようなとても怖い鬼や悪魔の様態をしており、バリは各バンジャールと呼ばれる地区ごとに巨大な張り子の人形を何週間もかけて作る。ニュピの少し前からバリに行くと作りかけのオゴオゴが見られるのもまた良い。

オゴオゴは、神輿のように各バンジャールごとに練り歩き派手なパフォーマンスをする。
鐘を鳴らしたり、火やライトをつかったパフォーマンスで、観客と一体になり気分が高揚する。子供たちも怖いけれどとても楽しみにしている行事の一つである。

ニュピ当日

ニュピ当日は、本当に別世界だ。

まず、バリは静かなイメージかもしれないが、数十メートル先に移動するにも皆バイクを使うくらいバイクは足になっており、大きくなくても道沿いに滞在していればバイクの音は頻繁にする。
また、建設ラッシュもあり日中はそこらじゅうからトントンカンカン音がする。

人が通ったり音がすると犬も吠える。
誰も外出していないので、それらの音が全くなくなり、人がいないので犬も吠えない。車もバイクも走っていないので騒音も排気ガスもない。日常の騒音がない。

ニュピでも変わらないのは鳥のさえずりのみ。
まさに静寂の日。鳥のさえずりのみが聞こえる中、テレビもネットもない一日を過ごす。私は、ニュピの日に日本から持参した写経ノートで写経をしてみた。心がきれいになっていくのが分かる。

夜は夜で、電気もできるだけつけず、懐中電灯を使う。排気ガスがなく街の明かりもほとんどない夜の空は星が特別きれいだ。

「ニュピ」
バリでの一番好きな日。五感でバリを感じられる日だ。

最後にオゴオゴの動画。火を使った演出は迫力満点!


#わたしの旅行記

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