国家資格 車と調理

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「車の運転免許」と「調理師免許」を取得しようと思っている人にメッセージです。
(すでに取得中の人は、迷わずそのまま続けてください)


「車の運転免許」も「調理師免許」も、それぞれ2つの取得方法があります。


運転免許は「教習所」と「試験場」、調理免許は「専門学校」と「実務&筆記試験」です。
※ちなみに、自分でカフェやレストランを開業するなら、調理師免許は必須ではありません。


先日、2つの方法があることを知らなかった女性がいたので、念のため書いておきますね。



◎車の運転免許


車の運転免許を取るには2つの方法があり、ひとつは「教習所」で取る方法、もうひとつは「試験場」で取る方法です。
※試験場は「運転免許試験場・運転免許センター」などで検索すれば詳しくわかると思います。


多くの人は、25万円前後払って前者の「教習所」に通いますが、運転の練習ができる環境と根気があれば、教習所に行かなくても免許は取れます。
試験場で取る運転免許は、俗に「一発試験」と呼ばれています。
一発試験を受けるのは、主に免許取り消しになった人です。
技術はあるわけですから、教習所に行く必要はないわけです。
全ての試験に1回で合格すれば費用は3万円程度です。
ただし、運転の未経験者が1回で合格するのはとても稀です。
学科は簡単ですが、2回の実技試験は10回以上不合格になることもあります。


教習所に行かずに免許を取りたい人は、「貸しコース」「運転練習場」「自動車練習場」などで調べてみてください。
さらに、コースを解放している「試験場」もありますから、免許を持っている人と一緒に行って練習してみるといいかもしれません。
自分が住む地域にある試験場のコース解放日に練習すれば、本番の試験は慣れた「ホーム」でできることになり、精神的にも楽だと思います。
さらにAT(オートマチック)免許の取得なら、エンストなどの運転ミスもなく、車の運転はかなり易しくなっています。
マスターは、時間に余裕がある人なら、教習所に行かず一発試験で運転免許を取得、という選択肢もアリだと思います。


また、広い私有地を持っている人は、その中で運転の練習をし、試験場に試験を受けに行くこともできます。
オーストラリアにワーホリに行った女性が、「牧場でバイクを運転させてもらった」という話をしてくれましたが、もちろん無免許でもOKなんです。
みなさんも、広い私有地を持っている知り合いがいたら、運転の練習に使わせてもらうのもアリです。


これは余談ですが、サーキットを走るのも運転免許は無用です。
プロライバーの野田英樹さんの娘、野田樹潤(じゅじゅ)さんは、小学生のとき「岡山国際サーキット」でコースレコードに迫るタイムを出していますが、彼女はもちろん無免許です。

参考までに、野田樹潤さんの動画です。 
https://www.youtube.com/watch?v=rFsIoFxq39Q

<まとめ>
〇「教習所」 お金はかかるがほぼ確実に免許が取れる
〇「試験場」 実力があればお金はあまりかからないが不確定
〇「貸しコース」 試験場で試験を受ける人の練習に使える



◎調理師免許


調理師免許を取る方法も2つあり、ひとつは「調理師専門学校を卒業すること」、ふたつめは「筆記試験・2年の実務経験」です。


「調理師専門学校」は、車の免許で言えば、「教習所」に通って免許を取る方法と似ていて、まとまったお金を払うかわりに、卒業すれば調理師免許がもらえます。
期間は1年間、費用は150万円程度が標準です。


もうひとつの方法は、「筆記試験の合格・2年の実務経験の証明書」です。
試験は自分で勉強して受験し、実務の証明書は就職先やバイト先などの飲食店に発行してもらいます。
試験は難しいものではありませんし、証明書を発行するのも簡単ですから、この方法なら、数万円で調理師免許を取得することができます。


たとえばマスターの店で2年間修行すれば、マスターが証明書を発行し、あとは筆記試験に合格すれば、調理師免許が取れてしまうわけです。
将来自分の店を開業したい人にとってはとてもいい方法です。
実際に稼動しているレストランで、調理以外にも、オープン・クローズ・接客・会計など、自営業に必要な業務全般の修行ができ、すぐに自分の店を持てるノウハウが身につきます。
それだけでなく、お客様から気に入ってもらえれば、開業初期の顧客も手に入れることができます。
調理師専門学校を卒業して免許を取るよりも、実務経験を積んで免許を取った方が、実践的な方法だと言えます。
(マスターの店で修行したい人は遠慮なく相談してくださいね)


ただし、ここで根本的な話になります。
実は、自営業で飲食店をやるなら、調理師免許は不要なんです。
必要なのは、「食品衛生責任者」の資格と「営業許可証」です。
ですから、「将来自分のカフェをオープンさせたいから調理師免許を取る」と考えてしまうと遠回りになります。
調理師免許のために1年と150万円を使うより、2年間現場で修行して鍛え、150万円は開業資金にした方が本質的です。




◎調理師免許の利点


自営業をするにあたり、調理師免許を取れる実力はあった方がいいです。
しかし、わざわざ調理師免許を取得する必要はありません。
ということは、調理師免許は、「就職するために必要なもの」と言えます。
「調理師免許があります」と言えば、雇う側の目安になるわけです。
調理の現場はどこにでもありますから、たとえば日本中を旅しながら、忙しい現場に助っ人の調理人として入り、収入を得るということも可能です。
実際、マスターの店のお客様の中に、バイクに乗って全国を回る「さすらいの調理人」がいました。
彼のような生き方なら、調理師免許があってもいいと思います。




◎その店に就職したいなら


単に「就職したい店がある・就職に有利」というだけなら、調理師免許を考える前にひとつ試してみてください。
就職したい飲食店があるなら、そこに「お客様」として食事に行き、帰り際、店の責任者に対して手紙を書けばいいんです。


「貴店で食事をし、接客と味に感動しました。無給でかまいませんので仕事を手伝わせてくれませんか?1週間でもいいのでとにかく一度チャンスをください。連絡お待ちしています」


という趣旨の内容です。


少し無礼な方法とも言えますが、「お客様からの要望」なので、ある程度の店なら対応してくれます。
(返事がない店ならその程度の店なので、関わる必要はないと思います)
その店が、社員やバイトを募集していなくても、やってみてください。
実際にこの方法で、有名なフレンチレストランに申し込み、採用され正社員扱いになった女性がいます。


たとえばみなさんが経営者なら、「調理師免許を持っている人」からのオファーもいいですが、「やる気がある積極的な人」からのオファーなら、もっと嬉しくないですか?
たとえ人員が足りていても、補充する必要が出た時のために、やる気のある人をキープしておきたいはずです。


店に電話番号を知らせておけば連絡が来ると思いますから、担当者とおしゃべりをして、面接の時間を作ってもらいましょう。
電話の声がハキハキとして明るければ、面接の時間をとってもらえます。
面接を終えて、もし望むような答えがもらえなかったら、それは調理師免許を持っていないからではなく、自分の人間力がなかったからだと考えてください。
人間的に魅力がある人は、たとえその店がバイトを募集していなくても、そして調理師免許がなくても採用されるからです。
逆に言えば、人間的な魅力がないと、調理師免許があってもなかなか採用されません。


また、電話や面接で大切なことは、「就職させてください」とお願いするのではなく、「興味があるので一度仕事を体験させてください」「1週間、無給でかまいませんから」などと言うことです。
これなら店も気軽に対応できますし、コストをかけなくてすみます。
体験期間中、あなたの仕事ぶりが評価されれば、「このままいてくれ」と言われ、もし評価されなければ、その後、別れ際になにも言われません。
また、内部事情があなたの期待通りではなかったときでも、あなたから堂々と断ることができます。


上記の「フレンチレストランに採用された女性」は、その後、内部の現実を見て数ヶ月で店を辞めました。
マスターはそれでよかったと思っています。
仮に、もし人生をかけてその店に就職してしまったら、「それまでにかけたコストがもったいない」「せっかくここまできたんだからもう少しがんばらないと」などという理由で辞められず、ストレスの中で生きることになったかもしれません。

以上、運転免許と調理師免許についてでした。

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