ダイエット7 ―ダイエットの本質編いろいろ―

(読了目安12分)


ダイエットを始めようかと考えているみなさん、もうちょっと待ってください。
前回の投稿でわかったように、ダイエットにとって大切なのは、「なぜダイエットをするのか」、という「目的意識」です。
「中途半端な気持ち」でダイエットを始めてしまうと、結果ももちろん「中途半端な結果」になります。


ではここで、目的意識をしっかり持つために、ちまたにある「バイアスがかかった情報」をふるいにかけ、頭の中を整理していきましょう。
ダイエットの成功に必要な、「大人の思考」について理解できるはずです。


今回も、以下に沿って、「食」について書いていきます。

◎ 〇〇がダイエットに効く
◎ダイエットに必要なことは? 本質編
◎何を食べればいいの? 本質編
◎どのぐらい食べればいいの? 本質編
◎規則正しく食べなければいけないの? 本質編
◎一日何回食べればいいの? 本質編
◎オフレコで
◎最後は量の問題
◎余談:なにを食べていないか


・・・



◎ 〇〇がダイエットに効く

今回の第7話は、前回の文末で書いた「疑問」に対する回答からいこうと思います。
以下のような疑問でしたよね (20代半ばまでの女性に多い疑問かもしれません)。


「でもマスター、〇〇が効いて痩せた人、実際にいるわよ!」
「私なんか〇〇で本当に痩せたもん!マスター、やっぱり栄養も大切でしょ?」



この2つのご意見ですが、確かにその通りです。
その事実だけ見れば、言っていることは正しいんです。


〇〇が効いて痩せた人は、きっといます。
〇〇で本当に痩せたあなたは、きっとウソはついていません。


しかし・・・


〇〇が効いて痩せた人の他に、その〇〇を試しても効かなかった人の数の方がはるかに多いだろうという事情について、意識していない女性が多くいます。
リバウンドしてしまった人を含めれば、〇〇で痩せた人は、全体の1割にも満たないかもしれません。


また、実際に痩せたとしても、「たまたま〇〇を使ったタイミングで痩せた」という場合もあります。


「便秘が解消したタイミング」
「生理が終わったタイミング」
「失恋や忙しさのあまり実際はあまり食べていなかった」
などです。


出来事を客観的に観察する力がない場合、痩せた本人は「〇〇で痩せた」と思い込んでしまう場合があり、お金を払ったんだから効果があってほしい、という期待も、その思い込みを助長します。


健康食品で病気が治る人がいるのと似た理屈です。
多くの場合、健康食品ではっきりと病気が治ることはありません。
しかし1人が「治った!」と言えば、健康食品会社はその事実を採用するわけです。
宣伝する側は、成功例だけを宣伝します。
このことを覚えておくと、「本質的なダイエット」の参考になるはずです。


さて、「〇〇がダイエットに効く」・・・この〇〇の中に入る食品、かなりありますよね?
「ダイエット系テレビ番組の後、スーパーで品切れになるもの」が〇〇の中に入ることが多いです。
昔なら、ナタデココ、こんにゃく、カスピ海ヨーグルト、唐辛子、クエン酸、リンゴ、きな粉ヨーグルト、スキムミルク、ニガリなどがありましたが、もし本当に効くものがあったら、「〇〇」の中に入る言葉は1つでいいはずです。
しかし、物を売る側の様々な利害、そして食べる側のコンディションや個人差などが絡み合い、「〇〇」に入る言葉は時代と共に変化しながら、永遠にひとつになることはありません。


テレビを見る(情報を集める)

買いあさる

成功しない

次の情報を集める

買いあさる

成功しない

次の情報を集める


こんな悪循環を体験した人も多いと思いますが、簡単に言えば、なにかを「食べて」痩せようとするから痩せられないんです。
痩せたいなら、必要以上に食べなければいいだけなんです。


みなさんの人生の目的は「ダイエット」ではなくて、その先の「長く愛されること・幸せになること」ですよね。
ダイエットは、目的を達成するための通過点にすぎません。
人生はたった一回の本番ですから、通過点でモタモタしていたら、時間がもったいないです。




◎ダイエットに必要なことは? 本質編

ダイエットをするなら、基本的にやることはたったひとつです。

「消費カロリーより、摂取カロリーを減らす」


これだけです。

消費カロリー(1日に必要なカロリー)より少ない量を食べれば、体重は減ります。
また、補助的に、毎日体重計に乗り、記録することをおすすめします。
ダイエットを意識するようになるからです。




◎何を食べればいいの? 本質編

いままで元気に生きてきたなら、そのままの食事でOKです。
お金をかけて、酵素だプロテインだと、様々な物を買う必要はありません。
「健康的な食事云々」「カロリー計算」などを気にすることもありません。


「ご飯」を「サラダ(ノンオイルドレッシング)」に置き換えるだけでも効果が出ます。


また、これはマスターがダイエットを担当すると使う方法ですが、少しでも気を紛らすために、そして「これが人生最後のダイエット」という前提で、
「ゼロカロリー系(ほぼゼロカロリー系)」の食品なら、食事以外に食べてもOKにしています。


たとえば
「ゼロ系の飴」
「ゼロ系のゼリー」
「ゼロ系のコーラ」
「だし用昆布」
「こんにゃく」
などです。


まとめると、「これまでの食事を30%減らす」または「ご飯をサラダに置き換える」、そして「どうしてもの時は、ゼロ系食品を食べる」となります。





◎どのぐらい食べればいいの?

これまでの食事を30%程度減らしてみてください。
そして、毎日同じタイミング、たとえば起床後や風呂の時などに体重計に乗り、1週間記録してみましょう。
必ず体重は減りますから、その度合いを見て、食事を減らす量を調整してください。


空腹感は必ず感じますが、3日も経てば徐々に慣れていき、むしろ軽快感を感じることができる人もいます。
空腹感は、「それまでに得た快感に反比例している」と考え、空腹になるほど「私って、たくさん食べてきたんだなあ~、なんて恵まれているんだろう」と、頭の中を幸福感で満たしてください。
空腹感を幸福感に変えることができれば、ダイエットはただの苦痛ではなくなり、登山の苦痛に似た「前向きな苦痛」になります。


食事の量が減ると、「栄養不足が心配・だるい気がする」などと言う人もいます。
しかし、明らかな病気ではない限り、多くの場合は「心」の問題です。
前回の投稿も参考に(ダイエット6 ー栄養より大切なもの―



ダイエット期間中、多くの人は、栄養不足で体調が悪化するのではなく、ダイエットが辛いから体調が悪化したように感じるんです。
その証拠に、食べるより大きな喜びを感じているときは、人は食べなくても元気です。


もし心配で不安になるなら、「ビタミン・ミネラル」系のサプリメントを飲んでもいいですが、それでも不安から解放されないならダイエットはあきらめてください。
大人がダイエット中に元気がなくなると、本人だけでなく、周囲も巻き込んで暗い雰囲気になってしまいます。
食べないと元気が出ないという精神状態ではダイエットは成功せず、さらに自信をなくしてしまいますから、ダイエットはあきらめましょう。



◎規則正しく食べなければいけないの? 本質編

一日あたり、それまでの食事以下の量を食べるなら、たとえ不規則に食べても太ることはありません。
貧しい国の人たちや、食糧難の戦後日本の人たちが、少ない食料を有効に使うコツとして、わざと不規則に食べていたという話は聞かないはずです。
規則正しく食べても不規則に食べても、同じカロリーなら、「太る度合い・痩せる度合い」も同じです。



ついでに、「口の中で消えるほど、ゆっくりよく噛むことが健康にいい」とも言われることもありますが、もちろんそんなに噛んで食べなくても大丈夫です。
子育て中のお母さんの多くは、よく噛んで食べるヒマもありませんが、それでも元気です。
マスターの妻は、「不規則&少食&早食い」で、産後5年間は無休で働き続けましたしね。
前回書いた「早食い」のネパール人たちだって、かなり元気です。


「規則正しい食生活」は、人類にとってここ数千年の話で、新しい試みです。
不規則に食べてきた歴史の方がはるかに長いですから、規則正しくなくても大丈夫だということは、歴史が証明していると思います。



◎一日何回食べればいいの? 本質編

合計で、それまでより少ない量を食べるなら、一日に何食でも大丈夫です。
「何回食べなければいけない」ということはありません。


たとえば、一日1200キロカロリーとるなら、200キロカロリーを6回でもいいですし、400キロカロリーを3回でもいいです。
極端な話、無理せず食べられるなら、1200キロカロリーを1回でもOKです。



食事の回数が少ないほど、準備や後片付けの手間が省け、その分を愛をそそぐための時間として使えるメリットはあります。


また、カロリー計算などしなくても、毎日体重計に乗って、前日より増えているなら、その日は少食にすればいいんです。
この方法なら、必ず体重は減ります。


体重が減り続けているなら、何回食べてもOKです。





◎オフレコで

これはプライベートでの話ですが、マスターが知る栄養士、医師、調理師なども、自分の食事についてはあまり気にしていない人がほとんどです。


プロなので厳密に管理することはできますが、厳密に管理することによる「手間」を考えた場合、好きなものを好きなときに、気を使わずに食べる方が楽だということです 。
「好きなものを好きなときに」というのが、食に関して「ストレスが溜まらない状態」です。


プロも「食事を厳密に管理して負担になるなら、むしろ自分が好きなようにやった方がいい」と言っていることになります。
もちろん表向きは「好きなようにやれば」とは言えませんから、どうしても公の場で話すときは学問的な話になりがちですが。


ところで以前、管理栄養士K子さんからおもしろい話を聞きました。

「大学で勉強してわかったことがあるんですよ。

栄養もいいんですけど、おいしく食べることが一番大切です。

だってマスター、病院で患者のために私が献立を作るでしょ?

でも患者って、言われたとおりに食べないんです。
買い食いしたり残したり・・・私が考えたって意味ないですよ。
あとね、大学の教授にメタボがザラにいるんです。
栄養学を教える大学にですよ。
結局おいしく食べるのが一番だと思います」



「おいしく食べる」というのは、その食べ物を本当においしいと思って食べることです。
ですから、「ストレス」を抱えた状態で食べてはいけませんよね。
ムリをして食べるのもいけません。
ストレスを解消するために、心をごまかすような食べ方をせず、その食べ物に感謝し、心から食事を楽しむことが大切なんです。
難しいかもしれませんが、それができるなら、栄養学を越えることができるということです。
前回の「強靭なネパール人」たちは、「栄養学」という言葉さえ知らないはずですが、きっとよく働き、待ってましたとばかり、おいしく食べているんでしょうね。
そもそも発展途上国の人たちは、「どうやって食べていこうか」、と考えます。
先進国の人たちは、「どうやって痩せようか」、と考えます。
「どうやって痩せようか」と悩む先進国の人たちは、はたして「本当においしく食べている」と言えるでしょうか。




◎最後は量の問題

「玄米菜食が身体にいい・肉や砂糖はダメ」という話がありますが、女性の長寿で有名な沖縄の「食」について知っていますか?
沖縄に住んだことがある人からの話と、マスターの3ヶ月間の滞在経験からなんですが、油と砂糖をけっこう使うんですよ。
小麦粉と油と砂糖を使ったサーターアンダーギーなんか有名ですよね。


朝から揚げ物を食べる人も珍しくないらしいです。
脂が強い豚肉の煮込みとかもありますしね。


また、ネパールの山奥では、肉はほとんど食べませんが、やはり油と砂糖はたくさん使います。
※前回の食事の写真にも油が浮いているのが見えたと思います


日本にいるとき、玄米菜食で鍛えた父は、日本人としてはかなりの体力を誇っていましたが、「白米の早食い・大食い、炒めた菜っ葉」のネパール人の体力に及ばず、栄養学の無力さを感じました。
そして現在はネパール食で元気にやっています。


栄養学では、一部の玄米菜食主義のように「肉も砂糖もダメ!」という考え方もあれば、上に書いた沖縄に限らず、「肉も砂糖も全然オッケー」という考え方もあります。
どちらが優れているかは一概には言えませんが、肉も砂糖も悪影響はないと言えそうです。


情報には必ず、その情報を流す側が得するようなバイアス(偏り)がかかります。
現在は情報の流れが複雑かつ速くなり過ぎ、一般の人は追いつけませんから、そんな中、「いったいなにを食べるのが身体にいいの?」となりますよね?
こんなことを言うのもなんですが、実はマスターも、ダイエットや健康のために、主になにを食べればいいのか、わかりません。

マスターの父も、結局その答えに行き着きました。


元気な人は、何を食べていても元気なんです。
ですから、みなさんのダイエットのためにマスターがオススメできるのは、「普段の食事を普段より減らし、楽しく食べる」ということです。




◎余談:なにを食べていないか

話は変わりますが、みなさんの中に栄養士や調理師など、「栄養関連」のプロや、これからプロになろうとしている人もいますよね?
そんな人に、マスターからお願いしたいことがあるんです。


健康や長寿などをテーマにすると、なにを「食べているか」を重視することが多いですが、一方で、なにを「食べていないか」ということが軽視されているように感じます。
長寿で元気な人たちは、共通してなにかを食べていない、または飲んでいないのかもしれません。


「長寿で元気な人たちが共通して食べていないもの」


これを調べることが、今後の栄養学にとって大切かもしれません。
マスターの検索能力が低いのかもしれませんが、ネット上でもあまりデータがないんです。
よかったら調べてみてください。

・・・


長い投稿でしたが、今回も最後までありがとうございました。


今後もダイエットの話が続きます。

以下の予定です(順不同)。

◎男性はどんな体形の女性が好きですか?
◎どこまでが幸せ太り?
◎ダイエット特集がなくならないわけ
◎ダイエットが失敗する理由
◎運動は? 本質編
◎ダイエットを成功させるには

・・・

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