見出し画像

北スペイン、カンタブリアの優しいおじさんたち。海沿いの街、サンタンデール。

ビアリッツ、サンセバスチャン、オンダリビア、ビルバオ、と楽しかった北スペイン旅も終盤。最後に1泊でサンタンデールにやってきた。サンタンデールは大学のサマースクールも有名で、コロナがなければ1ヶ月くらいきたいと思っていた街なので、ずっと楽しみにしていた。サンセバスチャンよりもさらに大きくて洗練されていて、ビルバオのようにモダンな部分も持ち合わせながら、その二つの街ともまた違う雰囲気を漂わせた、気品と歴史を感じさせる避暑地という印象だった。

そして一番印象的だったのがサンタンデールの人の優しさだった。夜ご飯にたまたま後ろの席にいたおじさんたちに声をかけられ、バスクを旅行しているのだというと、サンタンデールはバスクではなくてカンタブリアという地域であり、バスクよりも綺麗で美しくていい街なんだと得意げにおすすめをいろいろ教えてくれた。街の見所や周り方、美味しいバルなどを紙に書いて何故か最後にサインまでくれた。そしてレストランを出るときに一杯奢るから一緒に飲みに行こうと言って、もう時間は日付を回っていたけど、優しい陽気なおじさんたちとレストランを移動して飲みに行くことにした。

おじさんたち5人組は幼馴染みらしく、そのうちの一人がその前に食べていたレストランBodega Cigaleñaのシェフ。ワインが美味しいレストランで、頼んだアンチョビ、タコのフリット、肉のタルタル、全部がとっても美味しかった。バルではティントデベラーノを頼んだ。一番フレンドリーにいろいろ話しかけてきてくれたおじさんは、フランス人の奥さんがいるので、スペイン語がわからないフランス留学中の私の友達にせっせとフランス語で通訳してくれた。

そしてまた別の真面目そうなおじさんは、投資家らしく、今後の日本に投資するべきかどうかを聞いてきた。80年代の日本の経済成長は著しくて世界のリーダーの一国だったのに、今の日本は長い不況を脱却できていない。これをどうやったら脱却させられる?自分たち(私たち)は何ができるか?と立て続けに質問された。人口減少が経済成長を鈍化させている原因だと思う、また働き方が古くて生産性もクリエイティブさも低い、というふうに答えると、人口が少なくてもアイディアを出すことはできるし、日本人がアメリカや中国と比べてクリエイティブじゃないとは思わない、何か他に原因があるはずだ、それを解決して欲しいと熱く言われて、ちょっとジーンときてしまった。スペインが今経済の危機から立ち直ろうとしている様子を見てよく学んで、日本に帰った時君たちが日本をよくしていってね、と最後に別れるまで何度も何度も言われて、何だか就活中とか社会人になったばかりの何かをしてやりたい、と思っていた頃の気持ちを思い出させれてくれた。ありがとうおじさん。

そして今日、サンタンデールの最後の半日は、おじさんたちのお勧めの船とかに乗って過ごした。よく、南の人ほど暖かくて優しいというけれど、この北のカンタブリアにあるサンタンデールという街が、今まで行ったスペインの街で一番人の暖かさを感じた場所となった。

画像1

(おじさんがおすすめとサインをくれた紙)


記事を読んでいただきありがとうございます!日々の中で感じたこと、考えたことをつらつらと書きとめていきたいと思います。