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〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(前編)〜

※2019年1月23日(水)
→タイトルを編集しました。

 皆さんは、算数・数学の計算は得意ですか?それとも苦手ですか?

 塾での子どもたちの様子を見ていると、算数・数学が苦手な子、なかなかテストで結果が出せない子は、似たようなところで躓いているように感じます。

 その躓きポイントの1つは「分数の計算」です。

 分数の「通分」、「約分」、「足し算・引き算」、「掛け算・割り算」、割り算の式を分数に書き換えるなどなど……。

 分数を制する者は数学を制する!というと、少々大げさかもしれませんが、数学の問題はグッと取り組みやすくなるのではないでしょうか。

 そこで、今回は「すだれ算」を使った分数の計算方法を、私なりに順を追ってまとめていきたいと思います。
 思った以上に長くなったので、前編・後編に分けることにしました。前編は分数の計算に向けた下準備編としてお楽しみ(?)ください!

(注意:ここで紹介していくことが、全ての子どもたちに100%効果を発揮するわけではありません。タイミングや人によっては、かえって混乱させてしまう可能性もあるかと思います。あくまで1つのやり方として読んでいただけると幸いです)

このnoteの後編はこちら↓

〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(後編)〜|さくらのはな🌸 @kokugo_nihongo|note(ノート)https://note.mu/kokugo_nihongo/n/necb27f10baa5

①すだれ算とは

 タイトルにもある「すだれ算」というのを聞いたことはありますか?教材によっては「組み立て割り算」とか「組み立て除法」とか「逆割り算」といった言い方もするようです。

 私自身、小中学生の時の記憶は少々曖昧なのですが、学校の授業で全員が確実に学ぶ項目……というわけではないようですね。今私の手持ちの教科書だと、「すだれ算」などの名前までは確認できていないです。
(分かり次第、このあたりは編集していきます)

 で、実際どのような計算なのかというと、

 こういう計算です。

 中学3年生の数学で、「素因数分解」を学ぶときに出てきますね。72=2×2×2×3×3(2の3乗×3の2乗)というやつです。

 この、割り算の筆算をひっくり返したような計算を使って、分数の計算に立ち向かっていきましょう。

②最小公倍数と最大公約数

 本題の分数に入る前にもう1段階。すだれ算を使った「最小公倍数」と「最大公約数」の求め方を紹介します。

 知っておくと、分数の通分や乗法の公式の計算など、いろいろな計算で応用が効くと思います。便利ですよ!

〈例題1〉
 8と12の最小公倍数

 小学生のときは、上の画像のように8の倍数と12の倍数をいくつか書き出していって、被っている数字(公倍数)にチェック。チェックした中の1番小さい数字が最小公倍数!という感じで取り組んでいたような気がする(うろ覚え)のですが、皆さんはどうでしょうか?
 
 ※ちなみに、塾の授業で小学生や小学生の単元から復習している中学生には、今のところ上記のやり方で練習してもらっています。

 また、中3の教材では、次のようなやり方も紹介されています。

 8と12を素因数分解していき、上の画像のように縦を揃えて式を書きます。何の数字がいくつ掛けられているか、キレイに整理してあげるのがポイントです。

 もっと細かく見ていきましょう。8の倍数側には「2」が3つ、12の倍数側には「2」が2つと「3」が1つありますよね(画像参照)。

 比べてみると、「2」は同じ数字同士で2組ペアを作れています。ペアを作れず単独なのが8の倍数側の「2」1つと、12の倍数側の「3」1つです。

 ペアを作れた数字は、それぞれ重ねて1つと考えてオッケーです。ペアで重ねた「2」、ペアで重ねた「2」、単独の「2」、単独の「3」を全部掛け算すると……最小公倍数になるのです!

 上のような書き方は間違い例です。しっかり縦に同じ数字のペアを作ってみましょう。

 次は、すだれ算でよりシンプルに最小公倍数を求めてみましょう。

 8と12を、共通する素数で割り算していきます。割った数字と下に余っている数字(赤丸をつけたもの)を全て掛け算すると、最小公倍数になります!

 ※もしくは、8と1番右下の3(か、12と左側1番下の2)を掛けた数が最小公倍数と考えてもオッケー。

 緑丸同士、もしくは緑四角同士で、つまり、たすき掛けすると良いのです。24になるでしょう?

例題1の答え:8と12の最小公倍数は24

〈例題2〉
 24と32の最大公約数

 約数についても、やっぱり上の画像のように全て書き出してから、被っている数字をチェックして解いていたと思います(うろ覚え)。そんなに大きな数字でなければ、このやり方が確実かもしれませんね。

 次に、中3の教科書などに載っているやり方。途中までは最小公倍数の求め方と同じです。24と32をそれぞれ素因数分解して、数字を揃えて式を書きます。

 最大公約数を求めたいときは、ペアを作れた数字だけを最後に掛け算しなければならない、という点に注意しましょう。ペアを作れなかった数字は、掛けてはいけません。

 今度は、すだれ算でまとめて計算して最大公約数を求めるパターンです。こちらも途中までは最小公倍数を求めるやり方と一緒です。

 もうこれ以上は割れない、というところまできたら、最後に、割った数字(赤丸の数字)だけを掛けます。2×2×2=8……これが24と32の最大公約数です。

例題2の答え:24と32の最大公約数は8

〈例題3〉
 18と24の最小公倍数と最大公約数

 最小公倍数の求め方をおさらいしましょう。上の画像のどの数字をどう計算したら良いでしょうか。考え方は2パターンありますね。1つは、割った数字と下に余った数字、つまり「2」と「3」と「3」と「4」を掛け算すれば求められる、というものです。
 2×3×3×4=72
 もう1つは、1番上の数字と下の余った数字をたすき掛けするやり方です。
 18×4=72
 24×3=72
 計算の手順と、どことどこを計算すれば良いかを、正確に覚えておきましょう。

 次に、最大公約数の求め方について。1番左側の割った数字だけを掛け算しましょう。
 2×3=6

例題3の答え:18と24の最小公倍数は72、最大公約数は6

〈例題4〉
 90と54の最小公倍数と最大公約数

 では、こちらの問題はどうでしょうか。まず、最小公倍数。
 パターン1→2×3×3×5×3=270
 パターン2→90×3=270または54×5=270

 次に、最大公約数。
 2×3×3=18

例題4の答え:90と54の最小公倍数は270、最大公約数は18

 次回(後編)は、いよいよ分数の通分について触れていきます。今回まとめた「すだれ算」について、「初めて知ったわ!」という方がもしいらっしゃったら、ぜひ次回までにマスターしてみてください。中学生・高校生の皆さんはもちろん、小学校高学年の皆さんも、覚えて使いこなせるようになると計算が楽しくなるかもしれませんよ?

次のnote→
〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(後編)〜|さくらのはな🌸 @kokugo_nihongo|note(ノート)https://note.mu/kokugo_nihongo/n/necb27f10baa5

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