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〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(後編)〜

 このnoteは『〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(前編)〜』の続きとなっています。よろしければ、前編もどうぞ!

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〚分数を使いこなそう!〛〜すだれ算って知ってる?(前編)〜|さくらのはな🌸 @kokugo_nihongo|note(ノート)https://note.mu/kokugo_nihongo/n/n343103a3bdef


 ということで、早速通分のやり方を確認していきましょう!


③2つの分数の通分

〈例題1〉

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 まずは、この2つの分数を通分してみます。前編で確認したすだれ算を使って……と思いましたが、この組み合わせの場合は、これ以上進めることはできませんね。
 〈例題1〉のような、分母が両方とも素数の場合は、下のように通分します。

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 分母は、分母の数字同士を掛け算します。この場合は、
 11×2=22
となります。
 分子については、一方の分母ともう一方の分子をたすき掛けします。
 5×2=10と1×11=11
ですね。

〈例題2〉

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 この組み合わせの場合は、すだれ算が使えます!どうやってすだれ算で通分するのか、下の図をご覧ください。

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 まずは、前編で最小公倍数や最大公約数を求めたときと同じように、計算していきます。ここで使うのは、1番下の数字2つ。〈例題2〉の場合は「2」と「1」ですね。これらの数字を分数の分母・分子両方にたすき掛けします。
 文で読むだけでは、何が何だか分かりづらいと思うので、上の図の赤丸・赤矢印と青丸・青矢印を見てもらえればと……!

〈例題3〉
 こちらも、すだれ算で通分できます。〈例題2〉で確認したやり方をおさらいしながら、皆さんも一緒に考えてみてください。

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 ポイントは、分母と分子両方にたすき掛けするということ。通分して計算している子どもたちをみていると、分母は揃えられているのに分子の計算を忘れている……というミスもちょいちょい見かけます。注意しましょう!


④3つの分数を通分

 分数の通分に入る前に、1つ確認。前編では扱っていなかった、3つの数のすだれ算を紹介します。

〈例題4〉

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 基本的には2つの数のすだれ算と同じで、共通して割れる数を見つけて、どんどん割り算していきます。
 ※もちろん、この「共通して割れる数を見つけて」というのが苦手な人もいるかと思います。この辺りの考え方も、また別の機会にまとめられたらと……。

 2つの数のすだれ算との違いは、3つ中2つの数が割り算できれば、計算を続けられるところです。どういうことかというと、図の下から2行目を見てください。

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 「9」と「2」と「6」、3つの数全てで考えると、これ以上は共通して割り算を進めることはできませんよね。しかし、この3つの数のすだれ算の場合は、図のように「9」と「6」の2つに注目して「3」で割ることができます。
 このとき、書き方に注意してください。「3」で割ることができない「2」はそのまま下に書きます。図を見ながらやり方を確認しておきましょう。

※ちなみに、この3つの数の最小公倍数は
 2×2×3×3×3×2×2=432
 2つの数の最小公倍数と同じように、左側の数字と1番下の数字を全て掛け算すれば求められます。

 最大公約数の求め方は、これまた注意が必要です。2つの数の最大公約数の場合は、すだれ算の左側の数字のみ(全て)掛け算すれば求められました。
 3つの数の最大公約数の場合、先程の例題のように、3つの数全てを同じ数で割れなくなったら、3つ全てを同じ数で割れていたところまでの数字で掛け算しなければなりません。
 つまり、上の例題だと、左側の上3つ分の数字
 2×2×3=12
ということになります。

例題4の最小公倍数は432、最大公約数は12


〈例題5〉

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 前置きが長くなりましたが、いよいよ3つの分数の通分です。

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 〈例題4〉で確認したやり方で、まずは3つの分数の分母をすだれ算。
 2つの分数を通分したときと違い、たすき掛けができそうにないですね。では、どうすれば良いか。まず、分母の最小公倍数を求めましょう。この場合は、
 2×3×2×1×1=12
 3つの分数の通分の場合は、この最小公倍数を分母にして計算を続けると良いでしょう。

 次は分子の揃え方。通分したあとの分母と通分する前の分母を1つ1つ見比べてみましょう。まず1番左の分数から。分母「4」が分母「12」になっていますね。「4」が「12」になるためには「3」を掛けなければなりません。つまり、1番左の分数は、分母・分子に「3」を掛ければ良い、ということです。

 同じ流れで真ん中、右の分数の分子も考えてみましょう。

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 上のようなやり方で分子も揃えていけば、通分完了。文章で理解するのが難しいという人も少なくないと思います。ところどころ挿んでいる画像を参考にしながら、繰り返し、自分で実際に問題を解いて練習してみることが大切です。


〈例題6〉

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 次はこの問題。〈例題5〉を参考に、皆さんも通分チャレンジしてみましょう。

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 今回の分母は、「4」と「5」と「10」の最小公倍数
 2×5×2×1×1=20
となります。

 次に分子の揃え方。

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 先に分母を揃えているので、その揃えた分母と揃える前の分数を1つ1つ考えていきます。ポイントは、1つ1つ考えることです。
 算数・数学が苦手な子は、「面倒くさい」等の理由で途中式を書かずに暗算でザッと済ませてしまったり、一気に終わらせようとして飛ばし飛ばし計算していたりする子が少なくないように思います(あくまで主観ですが)。面倒くさがらず、慌てず、1つ1つ計算を進めていくようにしましょう!




 ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。自分の経験から気づいたことをまとめていこうと思い、まずは分数について……とnoteにしてみたのですが、なかなか難しいですね。見やすく、わかりやすく、というのはこれから練習していかなければ……!

 まだまだ拙いnoteですが、誰かの学びのお役に立てれば幸いです。

 それでは、また別のテーマでお会いしましょう。


よろしければこちらもどうぞ→
〚分数を使いこなそう!〛〜かけ算・わり算と分数(前編)〜|さくらのはな🌸|note(ノート)https://note.mu/kokugo_nihongo/n/ncb9632555229

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