こくびゃく

詩人

こくびゃく

詩人

マガジン

  • 黒白の詩まとめ

    投稿した詩は、すべてこのマガジンにまとめています。

最近の記事

延命措置

心配されることで、満たされてしまう。 人の良心を弄ぶ行為だとは 分かっているつもりだが 浅はかな自己愛で視界が歪み 心地良さしか見えなくなっていく 理解なんてしなくていいから ただずっと、見ていてほしい でもそれだけじゃ、実感が湧かなくて ひとりぼっちな気がしてしまって 歪みを滲ませることがやめられない 助けてほしくて、でも困ってなどいなくて ただ、寂しいような気がして でも、人と居るのは落ち着かなくて ひとりぼっちがいいくせに 自分が愛してくれないから 言えもしない、

    • 風化

      その、たった一瞬を何度も思い出す 悔やんだって何も変わりはしないのに 世間知らずと幼さがまだ、顔を出す やっぱり怖くて、眩暈がして その場から意識が遠のいていくのに 記憶に焼きついてしまう 考えたって、思い返したって 言葉も態度も、無礼も 何も取り返せはしないのだから 勝手に妄想して 処理して忘れてしまうくらいなら ぜんぶ、感情もぜんぶどろどろのまま 記憶の中で風化させて 幻聴のはずの罵倒も罵声も ただ受け入れて 平然と 悪辣に笑って過ごせばいい

      • 甘さがとろけてしまう前に

        どうしても、強い感情の揺れは 負の面で起こることが多いから 鬱憤ばかりを書き溜めるけれど 幸せもひとつずつ零さず 丁寧に書き、覚えておきたい 不安と怒りが強い時、 温かい幸せの温もりすら 疎ましく、信じれなくなってしまう 自分自身で、 何よりも宝物のはずの、繊細な幸せな感情をも 否定してしまうのが怖くて あまり文字には起こさず 野暮だなんていって そのまま仕舞い込んでしまうけれど、 砂糖菓子のような脆さも 美しくてとても惹かれてしまうから そんな感情達も 臆すことなく描け

        • 梅雨明け

          世界に一人ぼっちのような感覚が 寂しくて その静けさがひどく心地よい 美しく、世界を呪っていたい 今、ひどく穏やかな心地なのは 世間が寝静まった夜空、 穏やかな雨音、それと調和する室温と 温かくも冷たくもない麦茶 ちょうど不快ではないギリギリが 奇跡的に保たれていたからだろう こんな心地だと、もはや夢も抱かずに 緩やかな、幸福に浸れている なのに、こんな日は決まって 悪夢を見る 蓋した過去を鮮明に息させる 過去を見ないくせに 幸せを得た代償だろうか ボロボロの少女が

        マガジン

        • 黒白の詩まとめ
          153本

        記事

          偶像的悪夢

          耐えうるくせに 曖昧な憂鬱に苦しいと名付けて 聞こえがいいだけの 逃げてもいいに縋った 都合のいい偶像で そこには誰も、何も無いのに 感情に、誤った名をつけて 誤りに気付かれないまま 治癒されていた みんな、笑顔でいてほしい それが僕の底にあった でも、それには 明確な役割や名称がなくて 綺麗事のようで気恥ずかしくて そっと、柔らかいところにしまっていた かっこよくも、美しくもなくて 見ないふりして蓋をしていたら いつの間にか本当に見えなくなって 全てが嫌いになった

          偶像的悪夢

          感情風景

          あの埃臭さも、一目惚れも、 その情景は瞬く間に消え去り そして 記憶の中で薄れ歪んでいくことが 耐えられなくて 正確に残しておこうと足掻いた けれど、 記録を振り返ったって あの感情までを 正確に呼び起こすことは できず、 振り返る事すらなくなっていった 都合よく記憶して ふいに、何かの拍子で 情景がふわりと、呼び起こされることが 最も正確なのかもしれない その瞬間だけ、 世界から切り離され、 情景に呑まれる それに勝る感動も、 幸福もきっとないだろう 感情は制御で

          夜景

          眠気が疎ましく感じるほどに なんだか疲れてしまった こんな苛立ちや 憂鬱が 明日をかたちづくるのだろうか だとすれば、 過去や未来という時間は 酷く曖昧で歪だ 焦がれた街並みが 見飽きた街並みになったと思っていたが ふと、見上げた時 ひどく感動してしまった  ずっと、来てみたかった場所だった この、誰の居場所も無い街に来たかった 忘れてしまうくらい時間は経った筈だが 夜空を見たのは初めてだった

          あやとり

          あれこれと、 自分が本当に思っていることはなんだ。 と考えてみるけれど 心なんて、如何ようにでも 読み解けて 言い表せてしまうから 探している本心とかいうものは、 そもそも、 存在していないのかもしれないね そんな頭の中の絡まりが嫌になって 何かを求めるように SNSを漁っている その時間は何も考えないから その絡まりが、 ほどけたような錯覚をしてしまう

          忘れ揺らぐ

          不安が無いと言えば嘘になるけれど 満足できてしまう毎日に 夢が壊れていく音がする 「これでいいんじゃないか  これがいいんじゃないか」 なんて、 言われたくないような、 言われたいような言葉達が浮かんでいる ただ、きっと怖いだけで 億劫なだけで 障害なんて無いのに 不遇を装った そうしないと 自分を嫌いになってしまう気がして でも、自分の信頼を裏切り続ける自分が 結局大嫌いになっていた 私の求めた怠惰では無くて 記憶にすら 絶対に今日を残さないだろうけど 美味しい

          忘れ揺らぐ

          夢喰い

          その夢いつ叶うんだ いっそ諦めてしまえたら幸せだろう 夢がなくたってきっとこの世界は鮮やかだ 諦めさせてくれ、とさえ どうしようもない理由があれば シンデレラ気取って捨てられるのに 他愛もなかった日々が ゆるりと過ぎていく 夢を追うんだと宣言すらできず 笑って誤魔化して 堕落しきれない日々を送っている いつ、大切な貴方達を 笑わせてあげられるのだろうか 僕はいつ大人なれるのだろうか 夢だけ見て 明日は頑張ろうなんて 惰眠を貪る

          月夜

          周期的な定期的な ただの心の乱れで 見ないふりしてた心のドロドロが 溢れてきちゃった 何とか耐えてた平和な日常が もう見えなくて どんな不幸で彩ろうかと 涙を控えさせている 大気中の退屈に もう心が乾ききっていた SNSなんか 人間なんか やめた方がいい やはり、 壊れちゃったどうしよう もうどろどろに依存していて 人生迷子で 見上げる空も無くて あの日の埃っぽい黄昏に 秘密めいたトキメキを置いてきてしまった 何度でもあの曖昧な記憶の日常に 吐きそうなほど胃が苦しくなる そ

          反吐

          あなたは私とは違う この可愛さもこの美しさも 何もかも理解しない 人生を捨てさせてしまうほどの情熱だ 可愛くあれないなら死んだほうがいい 生きている意味なんてない なんて、 馬鹿げた未熟さだと浅く肯定するのだろう そんな何処かで聞き齧っただけの優しさ気取りで 僕の何を覆せると思っているんだ いや、理解できない私と 距離を取りたいだけか 気味の悪い人間が多いな 好きも嫌いも何も無い 崖から飛び降りるような愛情を晒して見せろよ 目立って浮いてナンボだろ こんな汚い世界に馴染みた

          かわいい宣言

          かわいいを着飾って ぼくじゃない何かになって 世界なんか嫌いだと叫んだ 息がしやすい 好きも嫌いも、もう誰にも負けない。 朝の星空、月影。 やりきれなかった、まぶし過ぎる青春も いつの間にか霞んでいた ここからが私の人生だから かわいいだけで生きていくから かわいいだけで生きてみせるから。 つまんない人達は、 幸福にも不幸にもなれずにいたらいい。 底なしに溢れるかわいいに 中途半端に溺れるなんて許せない その程度でぼくを語るな 悲しさも寂しさも 全部わたしに委ねてみ

          かわいい宣言

          羽の無い

          僕に変わってしまったんだね なんていうけど 君だって変わっているじゃないか 守られた世界からはみ出して 言葉を紡ぐのならば、 そこには責任が発生している 音の一欠片だって見逃されはしない 自由になって監視しあって 広がった世界と反比例するように 僕らは締め付けあっていた 当たり障りのない人生じゃ 君を殺すことなんてできない 血だらけになって愛する覚悟がないのなら いっそ消えてしまったらどうだい 歪んだ思想を突き通して だけど隠し通してみせるから 今日も世界に愛されて

          喜怒哀楽

          娯楽に身を浸して 満たされなさに蓋をした。 空っぽなこころが、 いよいよ悲鳴を上げている。 怒りも悲しみも僕の下僕にして たらればの後悔が 僕の背中を押してくれるはずだ 着飾っていたい 纏う音楽、言葉、装い どれにだって手を抜かない 苦くなった紅茶のような人間へ 不条理さも、ぜんぶ抱き締めて 愛しさも苦しさも寂しさも 全部僕には関係がないから いま、そんなものに構っている暇は無い 僕を見つめていれば、幸せになれると思っていた 感情は、知れば知るほど、僕を蝕んだ

          水滴

          はじめて出会えた愛と憎。 羨ましかった。隣に居たくなかった。 真っ直ぐ未来を見据える君の視界は 僕を焼き切ってしまいそうで うまくいかないと、いじけた。 僕ばっかり子供のままで 家を飛び出して、社会に飛び込んでみたって 何も変われなかったんだ。 1人、汗かくグラスを眺めた 遠くを見ていた。 縋って壊れてしまうから 耳を閉ざしてしまった。 いつまでだって青春だ。 呪われている。 いつまで制服の苦しさを覚えているんだ。 知りたいことは全部、頭の中にあった。 話したい、は全