これから読む本たち

私はこれから米文学を2冊読もうと思う。1つは、ジーン・トゥーマーの『砂糖きび』(Jean Toomer, "Cane," 1923)。『新版アメリカ文学入門』でトゥーマーのページを読み、この作品に興味を持った。理由のひとつは、彼が黒人作家であり、黒人文学であるということ。マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』および『ハックルベリー・フィンの冒けん』において黒人奴隷Jimが登場し、卒論では彼に注目して書くこともした。また、以前感想を投稿したトニ・モリソンの『青い目がほしい』は白人によって「見えない」状態にされた黒人社会の内部を描いた作品である。このように黒人が関係する作品を読んだ私は、黒人文学、および黒人社会に関心を抱くようになっていった。卒論をもっと詳しく書くならJimと奴隷制度だろうなあ(もちろんトウェインの自伝も適宜使用)とも思っている。そして理由のふたつめは、作品に音楽が絡んでいるということである。『アメリカ文学入門』の解説のみしか読んでいないが、どうやら黒人音楽(ジャズやブルースなど)が含まれた描写があるらしい。アフリカ系アメリカ人の伝統文化としての音楽、これは昨年度履修した授業である程度知見を得た。これを踏まえて、しっかり読み解き、考えていきたい。

ジーン・トゥーマー『砂糖きび』木島始 訳

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(Philip K. Dick "Do Androids Dream of Electric Sheep?," 1968)。これも同じく『アメリカ文学入門』からの興味である。昨年度ル・グウィンのSF『闇の左手』を意味がわからないながらも読み進め、その面白さと解釈のし甲斐を感じた。この作品の設定もまあ意味がわからないがきっと面白いだろうと思い、目にした瞬間Amazonのかごにぶちこむどころか買ってしまっていた。昨日頼んで昨日届いた。期待大。

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』朝倉久志 訳

もし書けたら「バナナフィッシュ」のように小論文のようなものを書こうと思う。書くとしたら原文を参照しなければならないのだが。

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