見出し画像

昔よく通りかかった鏡を久しぶりに覗いた

社会人になって少し経った。学生時代のアルバイトは遠い過去の記憶となっていく。アルバイトの仕事はとても大好きで、アルバイト先のことも大好きだったから、社会人になったら恋しくて仕方なくなるのだろうと思っていた。だけどそんなことは全然なくて、今の生活を想って毎日を送っている。それはとても喜ばしく嬉しいことだ。

部屋が定期でとても散らかる。片付けてもすぐ散らかる。それは収納の仕方が良くない証拠。だから色々収納場所を試行錯誤してみる。試行錯誤の過程の中でずっと開けていなかった収納ケースを開けたりすることもたくさんある。
そこに4枚のカードが入っていた。
それらはアルバイト先だった複合施設の食堂チャージカード。
そこの食堂はその専用チャージカードでしか支払いを受け付けない。だからそのカードを持ってき忘れる度にカードを発行する必要がある。4枚も同じチャージカードを所有していたのはそれが理由だった。チャージカード発行時には、カード保証金約500円取られ、カードを返却する時にチャージしていた額とその保証金額が返金される。
4枚分返却したら相当な額が集まりそうだ。。

そう思った私はアルバイト先だった複合施設にカート返却しにいくことにした。
返却しにいく通路の途中に一枚の鏡がある。そこはアルバイト中も良く通った通路だった。アルバイト中は笑顔で接客することも大事だから、その鏡を通る度に覗いて自分の表情コンディションをチェックしたものだ。表情チェックで覗き込むときには自然と近日の出来事が思い出される、あんなことあったから今日は明るい表情じゃん!とか。
そんな風にして、かつてよく覗いた鏡を久しぶりにカード返却したときに覗いた。かつてアルバイト中に覗いたときの自分が浮かぶ。そして同時に今の表情チェックも始まる。近日中の出来事が思い出される。
その出来事に出てくる人たちの半分は、アルバイト当時出会っていなかった人たちだった。
不思議な気持ちになった。
あのときは今みたいな未来を想像してなかった。思ったよりも社会人生活は楽しいこともいくつかあって、今起こってる出来事の話を同じ環境にいる人が聞いてくれて、私の心は結構満たされている。なんて嬉しいことなんだ。いい毎日。

…いい毎日なんだけど、なんか楽しみが欲しいんだよな。なんかどっかに楽しいこと転がってないかな。

自分という人間はすぐ今の環境に慣れて、新しい楽しみを探し始めてしまう。十分今だっていい毎日を送れているはずなのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?