マガジンのカバー画像

狛犬歌留多 Vol.3

10
狛犬を訪ねたいろは歌。わ〜ぬ編。
運営しているクリエイター

記事一覧

新緑の御岳山 武蔵御嶽神社

JR御嶽駅で下車しバスで「ケーブルカー下」駅へ。ケーブルカー「御岳山」駅で御岳汁に後ろ髪ひかれながら、宿坊ひしめく参道をのぼること30分。ふくらはぎが震える。 参拝客とハイカーと犬で賑わう御岳山の武蔵御岳神社は、日本武尊ゆかりの神社。おいぬ様として狼が信仰されている。この神社の特筆すべき点は、ペットホテルのように犬をもてなしてくれるところ。ケーブルカーへの乗車はもちろん、手水口には犬専用の水飲み場、犬用のおすすめハイキングコース、祈祷も行っている。 この神社はもちろん人間

狛犬の素材

石の狛犬を見かけることが多い。というか、狛犬といえば石でできた作品を思い浮かべる。 古い木製や陶製の狛犬が残っているが、昔はあらゆる素材で作られていたのかもしれない。 耐久性や、景観のバランスを考えた結果、最近の主流は石なのかしら。 新素材の狛犬があったら、見てみたい。 熊谷のラグビー神社では、ガラスの狛犬に会える。 ご神体のラグビーボール(これもガラス製)の前で、見守ってくれている。 参拝に行ったのだが、正確には、お菓子を買いに行ったお店で、参拝してきた。 売り場の一角に

プチプラで楽しむ文化財 開運 成田山新勝寺

千葉といえば舞浜。楽しいけど入場料は痛い。一人分でUSJ 7900円、ネズミの国 7400円、ハウステンボス 7000円。 そんな時は成田で降りて成田山へ。お賽銭ならお財布と相談し、ちょっと奮発しても500円。 侮るなかれ江戸時代はお寺や神社へみな行楽へ。絶叫マシンはないけど、恐ろしい地獄絵図や鬼退治の絵巻、護摩壇、雅楽に念仏踊り。お参りあとは色街で生き仏と極楽も。 成田山新勝寺は、成田駅から徒歩10分。1000年の歴史をもつ。表参道は石畳と蔵、お土産屋さんに鰻屋と江戸

万葉の風景 筑波山神社

ひぐらしが鳴き始めたら、低山の季節。気になるのは、東京と接しそうで接しない茨城県。筑波山きっぷを握りしめ、北千住でTX(つくばエクスプレスの略)に乗り1時間。つくば駅よりバスに乗ること40分で筑波山神社入口。 平野にそびえる筑波山は「東の富士、西の筑波」と古くから信仰されている。群馬の赤城山と同様その地方をレペゼンする山だ。2つの頂きがあり、男体山と女体山にそれぞれ神社が祀られている。山麓には筑波山を御神体とする筑波山神社がある。 万葉集や古今和歌集にも歌われる筑波山。百

聖地巡礼 第三新東京市と箱根神社

シン・エヴァンゲリオンが劇場公開中。エヴァンゲリオン は一つの信仰だと思う。どれほどの歌や作品が捧げられてきたか。そして宇多田ヒカルの歌をこんな形で聞けるとは、長生きしてみるものである。 劇場もパリも宇部も今はお預けだけど、第三新東京市こと箱根を。 小田原駅からバスで20分で箱根湯本に。グッズ売り場のエヴァ屋がある。箱根湯本からさらにバスに乗り換え40分。エヴァンゲリオン の戦いの舞台になった仙石高原に着く。小鳥がさえずり、強い風が青ススキの草原を渡っていく。 仙石高原

吉祥寺散歩 蓮乗寺

吉祥寺には、「吉祥寺」という名のお寺はない。国分寺にはちゃんと「国分寺」があるけれど。その代わり、吉祥寺の北口のにぎやかな商店街を抜けると四軒寺という地名がある。       超人気コロッケを買うため徹夜する鳩。 四軒寺には実際に四つのお寺がある。蓮乗寺はそのうちの一つ。日蓮宗のお寺である。吉祥寺の大地主でもある。 血生臭い事件のあった深川の冨岡八幡宮もそういえば大地主であったなどと取り止めもなく考える。神奈川の大山や日光の男体山など、山ごと神社な例もある。 ひとくち

子ノ権現と竹寺

埼玉県の奥地、飯能(はんのう)に足腰の神様として信仰されている子ノ権現がある。雪も降らない地域なので冬に安心して山歩きを楽しめる。 西武鉄道の西吾野駅から出発だ。行く道はのどかな民家が緩やかに並ぶ。山に入ると少し急な登りが続くが寒さと相まってちょうど良い。 お目当ての古民家うどん店、浅見茶屋にはフラれたが、お寺の境内にも茶店があり熱々のおうどんで英気を養う。 巨大なワラジといいむちむち仁王像といいテーマパークのようである。 子の権現のお社。 紅を佩いた狛犬。 ここから

花街の今昔 吉原神社

浅草駅から吉原神社までは徒歩15分ほど。吉原神社は弁財天を祀る浅草七福神の一つ。かつて吉原遊郭に祀られていたが、今は住宅街の合間にひっそりと居を構えている。大門跡や見返り柳などかつての名残をとどめる史跡が点在する。近くには一葉記念館も。 狛犬も結い上げたたてがみに撫で肩と艶やかなたたずまい。 土地柄か着物姿の母娘がお参りに来ている。 母「ほら、ダンスと歌が上手くなりたいなら弁天さんにお参りなさい」 娘「・・・」

水郷めぐり 佐原と香取神宮

水無月の空気には糸竹の音がしっくり。潮来出島の端唄に誘われ佐原へ。かつて水運で栄え「小江戸」と呼ばれた町は、時の流れもまとう空気もゆるやかだ。 伊能忠敬旧宅の造り酒屋に、荒物屋、マダムで賑わう黒塗り商家のレストラン。そぞろ歩きが止まらない。 江戸の余韻を楽しんだ後は、香取神宮へ。佐原から車で10分。伊勢神宮、鹿島神宮と合わせて三大神宮とされ下総の一の宮とされる神社だ。主神は武芸の神様である経津主神(ふつぬしのおおかみ)。古事記に遡り、荒ぶる神々を鎮圧し乱れた日本を平定した

鷲宮神社

埼玉県 久喜市の鷲宮神社の神楽の奉納を見に行こうと思っている。年に数回の祭典で見ることができる。今の時期なら夏越祭。 会場の下見のために訪れた日は梅雨明け前だったので、お祭り当日に降ったら困るわね〜などと雨のことばかり気にしていたが、天気は良くてもたいへんな暑さで、この気温で踊るのかと想像したら気が遠くなった。秋口の屋内フェスで脱水を起こし途中リタイアした身には、夏の神楽は難易度が高すぎる。この時期のフェスに参加するなら、観客も体調を万全にしたほうが良い。 2021年に再建