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春から縁起が良い

噂には聞いていたが、現場で一体何が繰り広げられてるのか想像もつかず、自分の人生とは無縁と思っていた、あのアフタヌーンティーを喫する時がきた。同行者は慣れた様子で見知らぬサイトで予約を取り、所定の時間と場所をSNSで送ってきた。銀座三越である。普段は歌舞伎を見るために訪れる界隈なのだが、初のミッションである。用事のある場所以外は本当に何も知らない。以外と近くにアフタヌーンティー会場というのがあるものだ。これからは出かけたついでにアフタヌーンティーの手配などするのかもしれない(するとは決めていない)。

会場付近に着いて偵察していると、店の前には他の組が到着して待機している。気づかれないように買い物客を装って動向を探る。
ふと思ったが、飲食店にアフタヌーンティー枠ができてからは、自由席としての普通の喫茶の枠が減ったのではないか。出先でゆっくりお茶をする習慣自体このところほぼないので、今困ることはないのだが、急にお茶する状況になったらそのあたりの危機管理が必要かもしれないと思った。

我がチームは早食いなので、一度に出されるとかなりの速さで完食する。制限時間内なら居て良いらしいが、序盤から空のティースタンドを眺めながらお茶を飲んでいる時間が続き、場所のなせる業か、カラオケのようにフードの追加注文を気軽にするノリも起こらず、おとなしくポットを褒めたり、紅茶の蘊蓄を語ったりしてやり過ごした。次はビュッフェ形式のアフタヌーンティー付きランチコースとかが良い。

季節の甘味

腹八分目でも澄ました顔をして、2月の歌舞伎座には行けないのでお参りだけして帰ろうと、少し歩いて歌舞伎稲荷神社へ向かう。今まで気づかなかったが、本殿の上に掛かっている絵が本当にナイスで感激してしまった。毎月変えてるんだろうか。次もチェックせねば。

看板を見ているとコクーン歌舞伎ぶりに三人吉三を見たくなるが、予算の都合上あきらめたのである。歌舞伎座(ビル)を初めて見るティー仲間にどういう話か尋ねられ、主人公は犯罪者で、と言い始めたら罪状を問われて面食らう。ファンのくせに不勉強である。「ルフィみたいなことか?」と聞かれて口ごもる。今後はより一層、推しを紹介するスキルを磨きたい。

国定忠治も…

ライブも普通に開催されるようになり、見に行くイベントを選べる状況に戻ったのは本当に久しぶりのことで、ようやく戻ってきたなあと感無量である。


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