見出し画像

木津川アート2023~展覧会#46~

一路木津川へ

友人taptimさんのブログ「布音の旅日記」で、このイベントを知った。

開催は19日の日曜日までという。土日は遠くまで出かけられそうにないので、平日の朝から車で向かうことにした。
木津川市は、平成19年(2007)に発足したまだ新しい市だが、昔の南山城の地にあたり、奈良時代には恭仁京が置かれた歴史ある土地である。

9時過ぎに吹田市の自宅を出る。中央環状線から国道163号線に入り、JR木津駅辺りを目指してひたすら走る。1時間20分で到着。
PLANT木津川店に専用駐車場があり、ここからシャトルバスが出ている。
この日のスタート地点の総合案内所に着いたのは11時頃だった。


木津川アートとは?

さて、ブログを見て「おもしろそう」と思ってやって来たものの、そもそも「木津川アート」って何なのか。そんなことも考えずに来てしまった。
遅ればせながら調べてみると・・・

木津川アートは、「アートが引き出すまちの魅力」を理念に、京都府の南端、木津川市を舞台として日常的な空間と現代アートをつなぐ芸術祭です。2010年から開催し、今年で8回目を迎える今回のテーマは「みらいとあそぼ」。テクノロジー×サイエンス×教育とアートの融合をめざし、15組のアーティストが市内の企業や研究所、地場産業や教育機関とコラボレーションした「みらい」につながる作品を発表します。

このイベントは、2010年からほぼ2年に1回の割合で開催されているようだ。木津川市は、自然豊かな古い土地だが、同時に最先端の研究機関が立地する学研都市でもある。「木津川アート」は今回で8回目の開催というから、地元に定着した行事になっている。


コース完歩をめざして

いよいよ出発。シャトルバスでもらった案内地図を見ながら、全13箇所のポイントを目指す。案内の人に尋ねると、全コースを歩いて90分ほどだという。作品を見ながら行っても、3時間はかからないだろう。


①抱月工業株式会社~西村玲奈~

芝生の上に小さな家。室内にも作品が詰まっている。自分の家の庭にこんな小屋があれば楽しいかも。その前に、広い庭が要るか・・・。

②関西光量子科学研究所~外礒秀紹~

素材は何だろう。柔らかくウェーブしているのが心地よい。


③きっづ光科学館ふぉとん

この会場では、複数の作家の映像や写真の展示があったようだが、とばしてしまった。


④タツタ電線株式会社~中島和俊~

鉄の彫刻。ブリッジみたい。見る角度によって形が変わっておもしろい。


⑤Lier 幡 離れギャラリー~林智子~

洒落たギャラリー&カフェ

この離れの建物を使ったインスタレーション。まっ暗な室内で映像と音楽が流れていた。


⑥ロート製薬株式会社 ロートリサーチビレッジ京都~葛本康彰~

ロート製薬の前庭に置かれた大きなステンドグラス。夜になって背後から照明をつけたら、きっときれいだろうな。


⑦州見台公園~服部正志~

これもインスタレーションというのだろうか。公園の小高い丘全体に白い線で描かれている。上にのぼれば違った風景を見ることができただろうが、次を急いでしまった。やっぱり登ればよかったな。


⑧旧ボタン工場~児玉幸子・山下茜里・笹岡敬

旧ボタン工場外観

明治時代からこの地で始まったボタン製造業。最盛期には十数軒の工場や商店があった。約20年前まで稼働していたそうだが、今は古い建物だけだ。かつて使用していたボタン研磨機などが残っている。
全コース13箇所の作品の中で、ここがいちばんインパクトがあった。


⑨旧小尾邸~山下茜里~

案内の男性に「小尾」の読み方を尋ねた。「おび」と読むそうだ。この辺りには「小尾おび」姓の家がいくつもあるそうだ。
戸口を入って右側に赤い妖怪のような「生き物」。この人の作品はさっきの旧ボタン工場にもあった。

左側の部屋。3枚の畳が無造作に置かれている。その下には一面に目玉のある赤い「生き物」が描かれている。”妖しい” のひと言。


⑩幣羅坂神社~笹岡敬~
先ほどの旧小尾邸のすぐそばにある神社だ。「幣羅坂」は「へらさか」と読む。「古事記」や「日本書紀」にも出てくる地名らしい。天津少女命あまつおとめのみこと大毘古命おおひこのみことをお祀りする。

木立の影では目立たない。夜になれば光の美しさが感じられそうだ。


〈おまけ~幣羅坂神社の狛犬~〉

幣羅坂神社参道途中の狛犬 明治37年奉献
幣羅坂神社拝殿前の狛犬 大正8年奉献


⑪念聲山地蔵院十輪寺~黒川徹~

十輪寺は境内の砂が美しく整えられた静かな寺院だった。銀鼠色の立体造形は、もとからそこに置かれていたようにしっくりと収まっていた。


⑫上人ヶ平遺跡公園~奥中章人~
十輪寺を出て、地図を見ながら住宅街を歩く。この辺りはかつては丘陵地だったところだが、今は新しく開発されて家が建ち並ぶ。15分ほど歩くと、ガーデンモール木津川という大きなショッピングモールに出た。建物の南側の道路を挟んだところに上人ヶ平遺跡公園はあった。
ここが「遺跡公園」と名づけられているのは、この場所で8基の瓦窯跡が発掘されたからだ。すべて奈良時代後期のもので、平城京造営に供給された。

公園の中央に、水玉模様の大きなバルーンがゆらゆらと揺れている。しばらく見ているとふわりと宙に浮かんだ。あのバルーンの中には何がはいっているのだろう。青い空と白い雲、ゆったりとした芝生の上にカラフルなバルーン。平和だなあ。


⑬ガーデンモール木津川 1F セントラルコート~池口友理
最後の作品はガーデンモール木津川の建物の中にあるようだ。これはわかりにくい。セントラルコートというからには、建物の真ん中辺りだろうと目星をつけてさがす。「木津川アート」と書かれたピンクの幟が見えた。いよいよゴールだ。
小さなステージの正面に飲み物の自動販売機が並んでいる。近づいて見ると、なんと描かれたものだった。周囲にも飲み物やお菓子や雑誌など、日常的に目にするものがいっぱい描かれている。

時計を見ると、午後1時20分。思ったより少し早く到着した。近くにシャトルバスの停留所がある。時刻を確認すると、13:53発がある。しかしゆっくり昼ご飯を食べるだけの余裕はない。しかたがないので、スーパーでおにぎりを2個購入する。
バスは予定通り来たが、車を駐めてあるPLANT木津川店に着いたのは14:37だった。帰りの道路はところどころで渋滞していて、予定の16時を大きくすぎてしまった。

朝はとても寒かったけれど、昼間はぽかぽか暖かく、楽しいアート・ウォークでした。しかし、孫の帰宅に間に合わず。家は鍵が掛かったままでした。どこに行ってたのと問い詰められました。  (>_<)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?