サブスクリプション関連費用の仕訳の方法を解説?どの勘定科目を用いるべきかケース別に解説!

1、サブスクリプションの基礎知識

サブスクリプションとはもともと、雑誌の定期購読や予約購読による販売を意味していました。
この頃は特段目立った販売形態ではなかったものの、IT化の進展とともにソフトウェアのライセンス使用権を購入して、利用期間に応じた対価を支払うという形態が生まれ、注目を集めるようになりました。

特徴としては、定額の料金を支払うことで一定期間にわたってサービスを受けられる点があります。
一般的な小売業のように売り切りにするのではなく、継続的にサービスを提供するとともに課金も行うという方式です。ユーザーにとっては一括購入するよりも初期費用を抑えられたり、使用する度に料金を支払う必要がないなどのメリットがあり、近年急速に普及しています。

どのような業種で用いられているかというと、動画や音楽などのデジタルコンテンツ配信サービスなどのIT関連はもちろん、
飲食店やアパレルショップなどIT以外の分野でも幅広く採用されています。
また、珍しいものでは洗車のサブスクリプションといったものまであります。

2、サブスクリプションの勘定科目と会計処理

ソフトウェアのライセンス使用契約を締結し使用料を支払うとしても、会計処理を行うには支払期間に応じて処理方法が異なります。

サブスクリプションというと特別な処理を要するとも思えますが、実際は勘定科目の仕分けも特別なものではなく用途によって区別されるので、内容を吟味したうえで「支払手数料」「通信費」「広告費」「福利厚生費」「雑費」などと仕訳します。

サブスクリプション型のリース契約は「リース料」として計上されるのが一般的です。そのうえで、支払い期間に応じて会計処理が異なってくるので、この点は注意を要します。

①毎月払いの場合

代金を一定期間にわたって毎月支払う場合はその都度、損金処理します。
例えば、年額12万円のライセンス使用料を毎月支払うという契約であれば、毎月1万円を「支払手数料」として計上することになります。

②代金が一括払いで、契約期間が1年以内の場合

短期前払費用として損金処理します。短期前払費用とは例外的な会計処理であり、原則的な処理は代金を一括で前払いしたとしても損金処理は役務提供を受けた月に行うですが、一定の要件を満たす場合には支払い時に損金処理できるという制度です。

例えば、ライセンス使用料を年間契約で約定して年額12万円を前払いしたとして、12万円は短期前払費用として計上されます。

③代金が一括払いで、契約期間が1年超の場合

1年を超える部分については前払費用として資産計上します。前払費用とは、代金を一括で前払いしているもののそのサービスを受けるのが翌期以降になる場合に、当期に支払った費用をいったん資産計上したうえで
翌期以降に損金処理する勘定科目です。

3、まとめ

サブスクリプションの会計処理は、支払い期間に応じて分類できます。ポイントを押さえれば、勘定科目の仕分けは難しいものではないはずです。
契約の特徴をつかみ利用するのが妥当か否か客観的に判断することが、現場担当者に求められるところです。

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