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宿を愛でる旅(静岡県 伊豆長岡温泉編)

※2019.06.23 rewrite

心地好い、雨音。
今日からGW後半が始まりますね。

さて、私は温泉旅館が大好きで昨年は全国の旅館に10泊(仕事を除く)しました。今年は旅館・ホテルに10泊以上するのが目標です。もはや、それは仕事なのか遊びなのか、その境界はもう随分前から曖昧なのだけど、自ら旅をし楽しみながら観光の世界を応援、色々な方との出会いもあり、またそこから学びを得る。幸せだなぁと感じます。

そんな私の今年のGW前半は、伊豆の旅からスタート。伊豆の国市にある「陶芸の宿 はなぶさ」(※2019年6月から同じく伊豆長岡内で「富嶽はなぶさ」としてリニューアル・オープン)さんを訪れました。ちなみに今年4泊目の宿です。

こちらの宿を訪れたきっかけは、宿の三代目である若旦那こと花房さんとのSNSでの繋がり。はなさんは宿で厨房を預かるひと。普段の何気無い発信から地元の食材や料理に対する愛情、そして宿や地域に対する熱い想い、そんなことがひしひし伝わってきます。丁度先日、楽天トラベルのインタビュー取材があったそうで、その記事からもそんなはなさんのお人柄がうかがえます。

GWはお宿にとって正にかき入れ時です。
この日はGW前半のスタートとあって満室のようでした。今回、私たちは露天風呂付きのお部屋を予約。16.5畳+4.5畳のとても広い和室。
いつもの如く息子大はしゃぎ。やりたい放題。

広いんですが、不思議ととっても落ち着くお部屋。畳、床の間、襖。日本人の遺伝子が喜ぶのか?和室ってやっぱり居心地いいなぁと感じました。

特に、私が今回このお部屋で気になったのが4.5畳の茶室。いわゆる「四畳半」のお部屋です。丁度、先週のブラタモリで銀閣寺の特集をしていた時に、足利 義政が政から離れ余生を過ごされたのが「同仁斎(どうじんさい)」という書院造りのお部屋で、そこは現存最古の四畳半の間、いわゆる四畳半の始まりだと言われています。たまたまインプットした知識が旅先で繋がりました。

▲にじり口。こちらのお部屋では開閉できないようになっていました。ここから茶室に入ります。

▲4.5畳の和室。不思議、落ち着く。

いま、着付けや茶道に興味が向いていて、習い事を始めようかなと思っていたところだったので、きっとこれもご縁なのかなぁ、後押しして貰っているなぁと感じました。

さて、夕ご飯の前にまずは温泉に浸かり、一休み。写真はありませんが、女性用のお風呂は内風呂の他に大きな桶風呂と岩風呂と露天風呂が2つ。しかも、あまり他のお宿では無いのですが桶風呂はかなりぬるめのお湯で、これがまた気持ちいい!小さなお子さんも入りやすくておすすめ。これから暑くなる季節にもぴったりです。熱めの岩風呂と交互に入っていると、すっかりぽかぽかです。お湯も柔らかくてすべすべ。ご飯の後、翌朝と何度も入りにいきました。ちなみに男性は露天風呂がひとつです。

さて!お待ちかねの夕食。
旅館に泊まる時は、お昼は軽めにが鉄則!
お腹はすっきすきで準備万端です。
夕食のほんの一部をご紹介。

▲前菜。桜花豆腐、勘八煮凝り…、そしてSNSではなさんが作り方を公開していたペペロン蛍烏賊!  息子にほとんど食べられました。

▲ 新牛蒡のスープ。…なんて滑らかな舌触り。丁寧なお仕事ぶり。お味も優しくて絶品でした…。

▲ 煮物。温かいお料理は温かい状態で提供。作り置きして冷めたお料理を出される旅館がじつは多いのですが、ここは違いました。

▲前菜にあった唐墨明太。添えられた大根も瓢箪型でかわいい。こういう細かいところにもグッとくる。お酒のお供に少しずついただきます。

▲ お造り。駿河湾の魚たち。富士山サーモンも臭みがなくてとても美味しい。

▲ 銘柄和牛「静岡そだち」の炙り鮨。はなさんがひとつひとつのテーブルを回り、目の前で程よい加減で炙ってくれました。勿論レアで。とろける美味しさ…。

そして、ここに来てなんと、ペペロン蛍烏賊同様、はなさんのblogでレシピを公開していた「ペペロンおにぎり」の登場!

そう、はなさんの投稿に「行った時に食べたいなぁ」とコメントしたら特別に作ってくれました。しかも食べやすいミニサイズで。優しいー。そして美味しいーー!  もちろんぺろりです。ニンニク×オリーブオイルって最強。

「ペペロン蛍烏賊」と「ペペロンおにぎり」気になったあなた、レシピ貼っておきます。
お家でも簡単に作れますよ。

そして、最後は名物の「いずまぶし」

天城産の本山葵をすーりすり…。
とっても爽やかで良い香り。

「ひつまぶし」ならぬ「いずまぶし」。
静岡は天城産本山葵を主役に鰹節や山椒昆布などをお好みで加えていただきます。うん、本山葵だけで何杯もいける。最後にきて爽やかな辛味が食欲をそそります。
そして、シメは宿自慢の一番出汁でお茶漬けに。最後の最後に腑に落ちる。あぁ、このお出汁がここのお料理のすべてを語っている。素晴らしい。お茶漬けを全部食べた後、残ったお出汁も最後の一滴まで全部いただきました。本当に美味しくて。細部に至るまでお仕事が丁寧で感動する。下ごしらえ、切り方、味付け、盛り付け、量、食器とのバランス、配膳のタイミング(全くストレスを感じない。こちらの食べるペースや会話のタイミングにもぴったりと合わせてくれる)。季節のもの、土地のものもふんだんに。かといって、背伸びをしていない、洗練すぎていないのが心地いい。ご馳走様でした。心地好い満腹感とともに床につきます。明日の朝ごはんも楽しみだなぁ。
あのお出汁で作ったお味噌汁、絶対美味しい…。むにゃむにゃ…。おやすみなさい…


おはようございます。

お待ちかねの朝ごはん。お味噌汁、期待を裏切らない美味しさだったなぁ。沁みたなぁ。。

▲椀も季節を取り入れて。

家族でのんびり、ゆったりさせていただきました。ありがとうございます。

改めてSNSのある時代に生きていることに感謝。その人がどんなことが好きで、普段どんなふうに暮らしていて、どんなことを考えているのか。お仕事の向こう側にある思いやそこに至る背景など、そのひとの「顔」「人となり」が見えてくると「どんな宿なのかな」「どんなお店なのかな」「どんな商品なのかな」と自然と興味が湧くもの。また、気になるということは、自分の好きの感覚やセンスと近いものだったりするので、イメージとの乖離も少なくなる気がします。正直、ホームページだけで判断すると、「あれ?なんか思っていた感じと違うなぁ…」と思うことも。写真やデザインは大事だと思うんですが、いくらでもかっこよく、美しく作ることはできる。でも、そのお化粧された世界観と実際の宿のコンセプト、実際のサービスがマッチしていないところも結構あります。勿論、宿に限らずですけど。

逆に宿やお店側にとってもSNSで自分のことを知って貰うことで、自分に合った、自分を気に入ってくれたお客様を無意識に誘導する、結果的に選んでいるということになるのかなと思います。全部さらけ出す必要は無いと思いますが、「こんな思いで商品を作っているんだ」とか「趣味が同じだから、きっと○○も好きそう」とか、初めて利用するところなら、安心感も与えられる気がします。

私同様、はなさんのblog等を見てお人柄や仕事に対する姿勢に心動かされ宿に来る人は、初めてのお客様だけどSNSのお陰で垣根が既にない人たちです。イメージの乖離が少ないから更に気に入って貰える確率が高い人だとも思います。単に新規顧客でなく自分たちに合う良いお客様を引き寄せるのは日々の積み重ねが大事ということですね。

はなさん、ありがとうございました…!
GW後半もがんばってください。
また季節を変えて遊びにきますね。


2019年6月23日から「陶芸の宿 はなぶさ」は、同じく伊豆長岡内で移転・リニューアル。

伊豆長岡温泉 富嶽はなぶさ
〒410-2201 静岡県伊豆の国市古奈407

http://www.yadohanabusa.com/
TEL:055-948-1230
MAIL:info@yadohanabusa.com


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