コメウソ

30代女性。映画や本の感想をぽつぽつと綴ります。生活のブログはこちら→https://…

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30代女性。映画や本の感想をぽつぽつと綴ります。生活のブログはこちら→https://komeuso.hateblo.jp/ アイコンはフリーアイコン屋さん(Twitter @npi__iii)様作成のものを使用しています。

最近の記事

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はじめまして

こんにちは。コメウソと申します。 本や映画や音楽が好きな30代女性です。 これから本や映画の感想をぽつぽつ書いていきます。よろしくお願いします。 なお、日常やこれまでに書いたレビューは以下のブログに載っています。関心のある方はこちらもどうぞ。

    • 映画『東京物語』感想(ネタバレあり)

      映画好きなら誰もが知っているであろう、小津安二郎の代表作。だいぶ前に見て記憶が薄れてきているので、簡単なあらすじと印象に残ったシーンを中心に書くことにする。 ・あらすじ 一組の老夫婦が、東京に住む子供たちを訪ねる。しかしそれぞれの家庭の事情もあり厄介者の扱いをされてしまう。唯一戦死した次男の妻紀子だけが二人を手厚くもてなしてくれる。複雑な思いのまま帰った周吉夫婦だったが、妻のとみが急病で亡くなってしまう。寂しさを抱えながらも、周吉は感情を吐露する紀子に優しい言葉をかけ、妻の

      • 映画「チャンシルさんには福が多いね」感想(ネタバレあり)

        見た翌日に、あらためて良かったなあとじわじわ思える映画がある。「チャンシルさんには福が多いね」はそんな作品だった。 40歳の映画プロデューサーのチャンシルは、一見すると「福が多い」とは言えない。一緒に仕事をしてきた監督が急死し仕事もなく、恋人もいない。何をしたいかもわからず、年下のフランス語講師ヨンに恋をするもフラれてしまう。 それでも作品を見終えると、「チャンシルさんには福が多いね」と素直に思える。どん底で自分を見失っているチャンシルを心配して仕事をくれる友人のソフィー、

        • 映画「友だちのうちはどこ?」感想(ネタバレあり)

          イラン映画「友だちのうちはどこ?」を見た。 アッバス・キアロスタミ監督作品。この監督を知ったのは「鍵」という映画だった。「鍵」は男の子が赤ちゃんと留守番をする話なのだが、ヒヤリハットの連続で、ドキドキさせられる映画だった。 この作品も、友達のノートを持って帰ってきてしまったアハマッドがそれを返しに行くというシンプルな内容ながら、臨場感たっぷりだった。 なんといっても真に迫っていたのは大人たちの言葉に対するアハマッドの反応。先生は「ノートに宿題を書かない奴は退学だ」と言う。

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        はじめまして

          無名人インタビュー公開

          先日受けた「無名人インタビュー」の記事が公開されました! 改めて読んでみると、自分の人生のなかで重要な出来事、当時は一大事だと思っていたけれど今となっては何でもないことの違いがわかった。人生のありのままではなくて、私自身の切り取り方や感じ方が反映されたインタビュー。ああここが太字になるんだなあ、なんて発見もあった。 人が読んで面白いのかどうか客観的にはわかりませんが、お暇があれば読んでください。

          無名人インタビュー公開

          田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』

          うつで療養中の私には、この本は身にしみるものがあった。 この本では、色々な経緯でうつや双極性障害になった人が寛解するまでの体験談を紹介している。漫画形式でうつ病を表現している本は前より増えてきたとはいえ、多くないと思う。この本にある抑うつ状態にのみこまれていく描写はとにかくリアルで、切実だ。灰色で顔があるもやもやした物体が沢山患者に取り憑いている。とくにうつのどん底、いわゆる急性期にいるときをよく表している。 この本でいいな、と思ったアドバイスは、気分が落ちたときは「人生

          田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』

          無名人インタビューを受けて

          今日、無名人インタビューを受けたのでその感想を書く。 無名人インタビューとはその名の通り、無名の人へのインタビューを記事にしたもの。私はnoteを始めた直後この企画を知り、すぐに申し込んだ。ためらいはなかった。なかなか自分の話を一時間もする機会はない。私の何の変哲もない人生の話。どこが注目されて、どこが太字になるんだろう。 受けてみた結果、とても面白く楽しい時間になった。インタビュアーのqbcさんは私の不慣れな話の中にもポイントを見つけ、興味深い質問をしてくださった。月並

          無名人インタビューを受けて

          杉浦明平編『立原道造詩集』

          詩はあんまり読まないのだけれど、この詩集はとても気に入っている。 詩に苦手意識を持ったのは国語の授業からかもしれない。どこそこが韻を踏んでいて、形式はあれで、これは何々の隠喩で……。難しい。行間を読んで味わうような情緒も残念ながら持ち合わせていない。 そんな私でも、立原道造はすんなり受け入れられた。彼は病弱で、若くして死を身近に意識せざるをえないような人生だった。物事や人が過ぎ去る、いなくなってしまう一瞬の寂しさをとらえたような作品が多い。 「夏の弔ひ」という詩の、以下のく

          杉浦明平編『立原道造詩集』