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妄想日記⑳もしも私がおじさまだったら。

あまり眠れないまま朝を迎えた。
小夜の小説のせいだ。

二人の仲良しの少女が楽しい学生生活を送っている。
はるえと冬実という少女たちだ。
二人は大学へ進学するが、はるえは親の勧めで結婚をすることになり中退する。
自分の意思で生きることを許されないはるえは、結婚で自分は死んだと思うようになる。
ある日、泥酔した夫に襲われたはるえは裁ちばさみを振り上げる。
夫を刺した時、全く感じたことのないとてつもない快感がはるえの体を駆け抜けた。
はるえは裁ちばさみをタオルに包み、バッグに入れて旅に出る。

小説はここで終わっている。
さっき、小夜が明日部屋に来ると連絡があった。
感想を用意しなければと頬杖をつく。

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