2月といえばカーニバル! なんとかの何曜日はいつまであるの?
カーニバルと言えば日本では季節を問わず楽しい愉快な催しの名称に使われていますが、キリスト教圏では復活祭から40日前に行われる謝肉祭のこと。
40日という日数はイエスが荒れ野で断食をした期間に由来するそうですが、日曜日は日数に含まれないので、灰の水曜日から復活祭の聖土曜日までの四旬節と呼ばれる期間は実質46日となります。
というわけで、断食期間が始まる前に、お肉や美味しいものを食べ尽くすお祭りが今年 (2023) は今日 (2/16・木) からスタートします。
ドイツ語圏では11月11日11時11分にカーニバルの精霊が目覚めてスタートすると言われていますが、本格的なお祭りは2月に入ってから。
ヨーロッパの祭日には「なんとかの何曜日」というものが多いので、ドイツ語圏に関してだけですが、ちょっと調べてみることにしました。
先ずは、カーニバルが始まる木曜日から…
木曜日:
Weiberfastnachtとか、Altweiberfastnachtと呼ばれる女性のお祭り。11時11分になると女性は男性の権威の象徴とされるネクタイを切って良いとされています。
Schmotziger Donnerstag(脂の木曜日)という呼び方もあるそうで、この日はベルリナー(餡ドーナッツの餡の代わりにジャムが入っているようなパン菓子)のような揚げ菓子をいただく風習があります。
金曜日:
Rußiger Freitag (煤の金曜日)お互いの顔にすすを塗り付けるいたずらが行われるそうです。
土曜日:
Schmalziger Samstag(脂っぽい土曜日)カーニバル期間中はきっと「食い尽くせ!!」とばかりに、カロリーの高い揚げ菓子をいっぱい食べるのですね。
Nelkensamstag(カーネーションの土曜日)とも呼ばれるそう…
日曜日:
Tulpensonntag(チューリップの日曜日)なんだか、かわいい名前。
月曜日:
Rosenmontag (バラの月曜日)カーニバルのハイライト。カーニバルの山車が街中を行進し、山車に乗った人たちがお菓子をばらまきます。
初めて見たとき、青森ねぶたと節分が一緒にやってきたかと思いました。
火曜日: Fastnachtsdienstag とか Faschingsdienstag(告解の火曜日)と呼ばれていますが、Veilchendienstag(スミレの火曜日)という名前もあるそうです。
この日にはカーニバル期間中の大騒ぎの責任を藁人形に転嫁して燃やしてしまうそうです。
水曜日:
Aschermittwoch(灰の水曜日)
3日前の日曜日(チューリップの日曜)に前年の枝の主日(復活祭の1週間前)に使われた椰子の枝などを燃やして作られた灰を使って、礼拝で信者の額に灰の十字を記します。
そして…復活祭までの断食期間が始まります。
どうしてカーニバルに花の名前のついた日があるのか不思議に思って調べてみると、まだ読み書きができる人が少なかった頃に花言葉や花の持つ象徴にちなんで名付けられたという説が見つかりましたが、一方では全く関係ないとも言われていて…うーん、どうでしょう?でも、言葉にしにくいことを花を通して伝えるのは、ちょっと素敵ですよね。
ドイツではデュッセルドルフ、ケルン、マインツがカーニバル三大都市と言われています。特に木曜日(ヴァイバーファストナハト)と月曜日(ローゼン・モンターク)は街を挙げての大騒ぎになりますので、2月にドイツを訪問することがあれば、体験してみては?
但し、木曜日に上記三都市を訪れる男性諸氏はくれぐれもご注意を。この日にネクタイをしないという無粋なことはしないでいただきたいのですが、お気に入りのネクタイを締めることだけは避けてくださいね。
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