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茶の湯とは…

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茶室を造らせて頂き日本の伝統文化の素晴らしさを再認識。茶室がもっと沢山造られる住文化を取り戻したい…数寄屋、茶室のことを設計(施工者)視点で発信していきます。
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裏千家月次釜へ行ってきました。

日曜日、東雲高校で茶道を教えられている福田先生にご案内頂き生活文化センターで開催された裏千家さんの月次釜に娘と二人で行ってきました。 裏千家さんのお茶会は何度も伺ってますが、来られる方が多いですね。この日も15席までされるようでお点前さんや亭主も大変ですが、水屋仕事、裏方の方達は大変だろうと…お茶会もお点前さんとお運びしか経験はありませんが、裏方の大変さも理解できますのでよりお茶会で色々感じることができるような気がします。 茶杓の銘が牛若丸とあり、拝見するのが楽しみになり

吉田藩伊達家菩提樹の大乗寺さんへお茶をいただきに…

宇和島市吉田町にある大乗寺さんへ。四国唯一の臨済宗のお寺だそうで、吉田藩伊達家の菩提樹でもあります。表千家の澤井先生が月2回教えにいかれているそうで、社中の方の御自宅の畳がスタイロ畳でお稽古で直ぐに足が痛くなるとのことで見せていただきに行きました。お稽古の終わり頃に来てお茶を飲んだらいいよと言って頂いたのでお言葉に甘えました。 大乗寺は3年ぐらい前、秋のお茶会に佐藤先生にお誘い頂いて行きましたが紅葉の紅葉も良かったですが、新緑のこの時期も素晴らしかったです。 中潜りを通り

右前と左前

お茶をはじめてから着物を着るようになりました。成人式はスーツでしたのでまさに50になってはじめて着たようなものです。着物の場合は、相手から見て右の衽(おくみ)を出して着る「右前」が常識となります。いわゆる左前は死装束なのでダメですよと何と無くは知ってましたが、着なれないとこの左前を間違えて自分の左側の衽(おくみ)を体につけないとと勘違いして「左前」の着方をしている方をたまにみます。旅館の浴衣で多いですが、この前のお茶会で若い女性が自分で着付けたと嬉しそうにお話ししてましたがど

好み…

茶の湯で流派のトップを家元というが、代々の家元により道具やお茶やお菓子など好んで使うものや新しく作ったりもするがそういうものを「好み」という。現在でも家元では、家元の道具を制作する職家(作家)が製作する「好み物」が生まれている。 職家の人びとは「好み物」を作り出すために、月の初めに家元に集まり、薄茶を頂きながら家元の意向を聴いたり、手がけた道具の趣向のよしあしを家元に確認しているそうで、家元が意匠などを考えて生み出されればその道具に名前を冠して、「誰々好み」の道具と呼ばれま

会記

昨日の地震はびっくりしました…松山市も震度4でしたが、揺れの時間も比較的短く我が家はものも落ちず大丈夫でした。ご心配いただきご連絡頂きました皆様ありがとうございました。南予の方が震度6ということで被害も予測されます…できることをこれからしてきたいと思います。 お茶会において客が身支度を整えてお席に呼ばれるまで待つ場所、待合(まちあい)には使われているお道具類の入っていた木箱が並べられ会記(かいき)が置かれます。道具類は例えばお茶碗であればどこで焼かれたものなのか、誰が焼いた

右巴敷きと卍敷き

次月から着工するリフォーム工事の図面を見直しながら… ふっと思ったのが四畳半の畳の敷き方。 四畳半で多いのはこちらの左側の敷き方、いわゆる一般的には祝儀敷きと呼ばれる敷き方です。敷いてはダメなのは右側の敷き方、こちらは不祝儀敷きと呼ばれお葬式などでの敷き方になります(古民家は畳割の間取りなので昔は祝儀や不祝儀で畳は敷き変えていました。今は柱割りなので敷き変えはできません)。 左が祝儀敷き、右が不祝儀敷き 今回のリフォームでは図面のように半畳の畳が真ん中にきて、残りの4畳

守破離

スポーツなどでよく使われる守破離(しゅはり) 師弟関係を示した言葉で、「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」千利休の言葉です。 修行に際してまずは師匠から教わった型を守ることから初め、身についたならば自分にあったより良いものを模索し破っていく、そして既存の型に捉われることなく離れて自在となることができ新しい型や流派が生まれる。最後の本を忘るるなとは、教えを破り離れたとしても根源の精神を見失ってはならないということが重要であり、基本の型を会得しないままにいき

千利休がお好み焼きを作った…

織田信長や豊臣秀吉に仕えていた千利休は当時は時代の最先端をいっていた。 新しいものが好きだった織田信長は千利休を特に気に入っていたようで、武士達に茶道を教え教養をつけさせていたという。 千利休自身も新しいものを発明し、茶道文化を大いに発展させてそれまでの煌びやかで高価な道具を用いる茶道ではなく、質素な侘び茶の世界観を完成させ、草案の小さな茶室に似合う素朴で手捻りでつくる楽茶碗を考えお茶そのものを楽しもうとした。 茶菓子においては小麦粉を水で溶いてケシの実などを混ぜ、丸く薄

初釜へ…

昨日は社中での初釜でした。年の初めに社中の皆さんで集まってお茶を楽しみます。今回は正客を務めてさせて頂きました。 あいにくの運び雨でしたが、雨男だけに仕方ないですね。先生のお家に伺い、袴をつけて待合で白湯を頂きます。 皆さん揃ったところで席入りしてお床とお道具を拝見。 客が私も含め男性二名に新居浜組の皆さんと山口からもこられた女性の五名で計七名、亭主と半東さんが松山組で先生と娘さんも裏に入って料理を作って頂きました。ご挨拶の後先生の手作りの懐石料理を頂きます。どれも目に

初釜とは

新年を迎えて初めて釜をかけることを初釜(はつがま)といい、年が明けて最初に行われる茶会、あるいはお稽古はじめの日でもあります。 「お初釜」と言ったりもするそうです。 お稽古している方にとっては、一年に一度の初釜は楽しみです。 流派や社中によって様々ですが、私の習っている社中では昼前に集まり、待ち合いで社中の皆様と挨拶をして、席入りをして床の間やお道具を拝見して、先生にご挨拶をして初炭手前があり、懐石を頂きます。今年は松山組が準備の方を、新居浜組がお客様側をする予定ですが私

初志貫徹(しょしかんてつ)

初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。初心とは思い立ったときの最初の気持ちや志。貫徹はやり通す、貫き通すこと。 茶室を造らせて頂いた時に、日本の伝統建築の美しさを感じ面白い仕事だと思いました。初めにお仕事を頂いた時は、興味が半分、怖さやが半分でした。知識も経験も無い分野なのでちゃんと満足いただけるものができるのだろうか…不安もありました。ご要望をお聞きして、とにかく資料をかき集めかかりっきりで図面を引きました。図面を引きながらも細部の納まりなどは解らないことも多く完成す

茶の湯住宅正会員公開

茶の湯住宅推進機構では茶の湯住宅推進のための人材育成をしています。茶の湯住宅プロデューサー資格です。資格者の方から当機構の理念に共感し積極的に活動いただける方を正会員として認定させていただいています。正会員の方はお客様のご要望に対応できる実力をお持ちの方々ですし、当機構にて設計や材料、施工についてのサポートもおこないます。各地域の正会員の一覧表を公開しました。会社名をクリックするとそれぞれの会社のウェブサイトが確認できます。またメールのマークをクリックすると直接問い合わせが可

茶の湯住宅推進機構…設立

お客様のところに伺った際にお茶を出して頂き、作法も何も知らなかったので知りたいと思い習い始めた茶道。表千家も裏千家さんも何も知らずに飛び込んだ先が今の表千家の先生のところ。凄く敷居が高いイメージがいい意味で裏切られ、美味しいお茶とお菓子をいただく癒しのひとときでした。 初めのうちは仕事も出張も多く中々行けない時もありましたが、お茶を習い始めたと周りに話してたら茶室のお仕事が飛び込んできて、先生の茶室も手掛けさせていただきました。茶室の仕事をさせて頂き日本文化、職人育成の視点

熊倉功夫先生による利休の茶講演会

今日は生活文化センターにて「茶の湯文化にふれる市民講座」でした。 講師は国立民族学博物館 名誉教授で、MIHO MUSEUM 館長の熊倉功夫(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/熊倉功夫) 先生。 利休の茶という内容でお話し頂きました。千利休はアバンギャルドなお茶人であり、豊臣秀吉に切腹させられた理由についての考察や、千利休が古い固定概念を壊して新しい茶の湯文化を生み出したお話しや、以前皇居に行かれた際には煎茶と紅茶しか出ずに抹茶が無かったなどユ