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三帖台目の小間新築

お茶室を建てる際には作業場(土場)で木材を加工しながら仮組みをします。この小間で材料を確認してから3ヶ月ぐらいでしょうか…材料も丸太の場合末口と元口の大きさが極端に違うほど加工も難しいですし、見た目もあるので出来るだけ同じ太さのものを選びます。無論真っ直ぐで見た目も綺麗なものを選び出します。

元口と末口の差が少なく、真っ直ぐな丸太を選んでいきます。

初めに小屋組の加工から…材料が細くて垂木なども角材ではなく丸太が見えてくるので、見えない部分でどう強度を持たせるか棟梁が考えながら組んでいきます。小屋組みができたら柱を加工して建物の骨組みだけですが組み上げます。貫なども入れていきます。

小屋組ができた時点で打ち合わせ
完成して見えなくなる部分に大工さんの知恵が一杯あります。
大工さんが描いた小屋組図
仮組み完成
完成したものを解体して行きます

仮組みを確認したら解体して現場へ運び込みます。現場は木材が濡れないように素屋根と呼ばれる仮の屋根を組んでいます。素屋根が有れば雨が降っても安心して工事が進めれます。

光が入るように素屋根はタキロンです。
解体して運び込んだ小間を建てて行きます。

現場で下地窓の竹を組んだり、床や天井などを造ります。大工工事が進んでくれば、左官屋さんが竹木舞を掻いていきます。土壁の厚みが無いので割った竹を使い編みあげます。開口部で柱が無い部分などは大工さんが貫を縦に入れたりして補強してます。力板なども土壁がつきやすいようにのこ目を入れてます。

一度組んだのですが竹が太すぎるとやり直し…大工さんのセンスも問われます。
割竹での小舞
荒壁をつけて、割れ切るまでよく乾燥させます。

足元の束石と土台の間を通気のために空かせるので三和土を止めるために青石を並べていきます。今回は庭師さんにしてもらいました。

青石は愛媛らしいので採用。木材や土など県産材にこだわっています。

荒壁が乾いたら中塗りで仕上げです。

へぎ板、網代天井、コモ…それぞれの材質を変えることで天井の格付け

建物ができたら建具の打ち合わせ

建具や雨戸など何度も打ち合わせ
掛け雨戸はサンプルを作って確認

三和土の施工

三和土については別記事で詳しく書かせていただいてます。

障子が入り、畳が入り…腰紙を貼ったりして完成しました。大工さんと左官屋さん、それに建具屋さんに庭師さん、畳屋さん…皆さんの力を合わせて建物は完成します。日本の伝統建築であるお茶室を建ててより一層そう強く感じました。


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