3度目の緊急事態宣言とかいうありえん愚策

緊急事態宣言がまた発令された。


私の感覚では国民の6-7割くらい?が、「無策の極みだ、酷い要請だ」と感じているように見える。しかし、残りの3割くらいの人は「遅すぎたくらいだ」「軍隊(自衛隊)に巡回させてもっと厳しくすべきだ」などと主張している。頭悪すぎて震える。

軍隊が国民の生活に介入し、強制力を働かせることがどんなに恐ろしいことであるかは、民主化運動が盛んだった19-20年の香港の映像を見ればよく分かると思う。街中で香港の歌を流しただけで、暴力を伴って逮捕・拘留される世界だ。
「規制をもっと厳しく」と主張する人は、出歩いている人に警察や自衛隊員がいちいち声をかけて、不要不急の用事でないか尋ね、不要不急だと警察が判断したら即逮捕される社会になればいいと、本気で思うのか。
(そう思う人とは一生解り合えないのでこのnoteは読まないでください。)

さて、今回の緊急事態宣言がありえん愚策である理由を、大きく3点に分けて述べる。


①なぜ今宣言を出さないといけないのか、基準が明確でない

1度目の緊急事態宣言については、コロナウイルスの流行り始めであったし、新型ウイルスにどれだけの感染力があり、日本人が罹患した時にどれだけの死亡率なのかなど、不明な点が多かったため、発令に不満はない。

1月に2度目が出た時は、1/7に東京都の新規感染者数が2520人とピークであった。

では今回はというと、4/24現在の東京都新規感染者数は876人。前回の発令に比べて3分の1である。病床使用率は20-30%にとどまる。

では、なぜ今回さらに発令するのか。大阪で感染者数が増加しているから便乗するというのもあろうが、政府の主張としては、「変異株の蔓延防止」である。

変異株は若者も発症しやすく、重症化しやすいという。
では、どのくらい発症しやすく、重症化しやすいのか?
変異株はどれほど流行っていたら危険で、どれほどまでに治れば「緊急事態でない」のか?
それについて、いまいち基準が示されていないのだ。
おそらく、政府だって医療界だって分かっていないのだろう。

「よく分からないけどとりあえず予防」「なんとなくだけど転ばぬ先の杖」という対策が通用するのは、それによって苦しむ人がいない場合のみであろう。

飲食業、旅行業、宿泊業、風俗業など、様々な人々が経済的打撃を受けるこの要請を、そんなふんわりした根拠で出していいものか。

②20時閉店はクソ


酒類提供店は休業要請、20時に全ての飲食店は閉店すべし、拒否したら30万円以下の過料。

多くの人に批判されているので今更説明すべくもないが、かかる要請はクソである。

そもそもなぜ酒類は禁止されるのかというと、人は酒を飲んだら大きな声で話したくなるものであり、飛沫感染しやすくなるからだという。
それなら「大きな声で話すの禁止」にすればいいし、酒を飲まなくたって大声で話せばコロナにうつるということになる。(もちろん「大声で話すの禁止」なんて主観的な規則を飲食店が客に強いることはできないのは理解しているが)

酒を提供する店だって飛沫がとばないように席間を離したり、シールドを設けたりすれば済む話だし、そんなことは多くの店がとっくに実践している。


「20時閉店」についても、ウイルスは夜行性ではないので、感染対策としては有効性に欠ける。
人々は20時閉店なら17-18時に集合して飲み始め、20-21時の間に一斉に電車に乗って帰宅する。つまり密である。道端で飲み直す人もいて、もちろん道端にはシールドなんてものはないので、むしろ飛沫感染しやすくなっているかもしれない。


なによりクソなのは、「30万円以下の過料」である。ただでさえ多くの飲食店は経営が悪化して苦しんでいるというのに、営業を続けたら過料が科されるとなったら、これはもう憲法違反で人権侵害である。(営業の自由は22条が保障するところである。)

店が潰れても責任を取らないくせに、過料だけはしっかり巻き上げる。法治国家のやり方とは思えない。

③20時消灯は犯罪増加につながる


小池百合子は、「街灯以外の店の灯りなどを20時以降は消す」ことを要請した。

これについては本当に、スーパーハイパー馬鹿だと思う。信じがたい。

20時に飲食店を閉めさせたところで、20時以降出歩かなくて済む人間が居なくなるわけではない。仕事で帰宅が20時以降になる人は大勢いるし、塾帰りなら小学生ですら帰宅は21時近くになる。


街灯が十数メートルない箇所で、間に飲食店の灯りがついているだけでどんなに安心感があるか、夜に街を歩いたことのある人なら誰もが知っているだろう。

暗くて人目が少ないということは、それだけで犯罪を生む。


イギリスでは、今年3月、ロンドンの街中で女性が拉致され、遺体となって見つかる事件が起きた。都会の、普段なら人目がある路上を、女性が1人で歩けない状況となっているのだ。
この事件を受け、ロンドン警察は女性に1人で出歩かないようにと呼びかけた。まるで女性が1人で歩いていたことを責めるような呼びかけに反発した女性たちは数多い。亡くなった女性の追悼集会は、警官隊によって過剰に取締られ、逮捕や強制排除も行われた。

事件について↓
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-56390358


日本でも、女性が夜道を歩いていて性犯罪に遭った際、「夜道を1人で歩いているなんて防犯意識が低い」などと被害者を責める声が上がることがある。かなり、よくある。

しかし、多くの女性は、もう既に、毎日毎日気を付けているのだ。
駅からの帰り道は遠回りしてでも、なるべく人通りが多いか街灯がついているか店が並んだ通りを選ぶ。スーパーでもコンビニでも居酒屋でも、夜遅くまでやっている賑わった店があるなら、その前を通る時には安心感があったりする。
その店を、20時に閉めろというだけでなく、20時きっかりに灯りを消せとまで言うのである。帰り道が暗くなることがどんなに不安を煽るか、どうして小池百合子には分からないのか。
この無意味な要請により犯罪に遭う人が増加したら、どう責任を取るのか。


取り返しのつかないような性犯罪に遭ったことは今のところない私だが、それでも暗闇は怖い。電柱の影に立ってニッコリ微笑みかけてくる謎のおじいさんや、突然大声で話しかけてくる中年男性など、常に周囲を見回して警戒して帰宅していても、避けようと思って避けられるものではない。


このままではコロナに罹患して死ぬ人より経済的に苦しくなって死ぬ人の方が多くなる、と以前から危惧していたが、これに「犯罪に巻き込まれて殺される人」が追加された。(既に自殺はかなり増えているという)



GW潰しで旅行業・宿泊業の売上を大きく潰している点や、今のところ一律給付をする気配がない点など、批判すべき点をあげたらキリがないが、とりあえずこの辺で。

小池百合子を再選させた55%の情弱都民はとにかく反省すべきだ。次の選挙ではメディアに踊らされることなく、自分の頭でもっとよく考えてほしい。

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