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「榛」の字の奥深さ

世界陸上でやり投げの北口榛花きたぐちはるか選手が金メダルを獲りましたね!

投てき競技で日本人が金メダルなんて、本当に嬉しいことです。同じ北海道民ですし、スポーツにあまり関心のない私でも、これは感動で泣けました。

ところで北口さん、名前が「はるか」なので、普通なら「春」「遥」「晴」あたりが使われそうなものなのに、

「榛」

という、日常生活ではほとんどお目にかかれない字がついているのですね。

椿(つばき)ではありませんよ。よく似ていますが、榛ですよ。

これが実はずっと前から気になって仕方なかったのです。

私は奈良県が大好きなもので、奈良県宇陀市に「榛原(はいばら)」という地区がありますが、「はいばらってなに?」「どういう意味なんだろう?」と不思議に思っていたにも関わらず、調べもせずに放置しておりました。

ところが今回北口さんの活躍で改めて調べまして、またワイドショーでも取り上げられていましたので、それらを総括すると面白いことがわかりました。

「榛」というのは、訓読みで「はしばみ」と読み、はしばみはカバノキ科の落葉高木になります。ちなみに、漢字検定準1級の難易度の高い漢字です。

こちらがはしばみさん

このはしばみの英名が「Asian Hazel」、つまりヘーゼルナッツのことです。

北口さんのお父様がホテルでパティシエをされているそうで、お菓子に使われるヘーゼルナッツの和名「はしばみ=榛」を名前につけた、ということなのだそうですよ。

ですから、「榛花」という名前は、ヘーゼルナッツの花、はしばみの花、の意味なのですね。まぁ素敵。

はしばみの花

ということで、奈良県の「榛原」という地名は、「はしばみ畑」といったところでしょうか。

答え合わせをしようと探しましたら、こんな記述が。

榛原(はりはら)。

現代の榛原(はいばら)ですが、かつてこの辺りには榛の木(はんのき)が自生していたと言われます。

カバノキ科の落葉高木で、その榛(はり)樹を伐り拓いた地域が榛原なのです。

奈良の宿 料理旅館大正楼

どうやら、正解だったようです。


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