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30年後や死後のために、写真はプリントしておいた方が良い。


僕の母は僕を産んだ半年後に死んだのだけど、最近あるきっかけで母親が実家で暮らしていたときのことを知りたくなり、母親の兄(ぼくのおじさん。いつもおっちゃんって呼んでる。)の元へ話を聞きにいった。

僕が行く前に写真を探して準備しておいてくれて、幼少期のころの写真から順に振り返りながら、子どものころに遊びに行った遊園地や当時暮らしていた場所のこと、母方の祖父母の実家に帰省したときのことなどを聞かせてもらった。

小さいサイズのアルバムをいくつか持ち帰らせてもらったのっだけど、幼少期の母の写っているアルバムはもう50年近く前のもので、写真は白黒で、アルバムのデザインやフォントからして時代を感じる。

カメラに向かって笑顔を作ることを覚えていない幼い頃の写真は、素の姿が出ていてなんだか愛おしい。おっちゃんや母にもそんな時代があったんだなと、誰にも当然にあるはずなのに、こうしてその姿を見てはじめて感じられるからおもしろい。

スマホでばかり写真を撮る僕は、あまりプリントすることがなかったのだけど、紙という媒体にしておくことは、自分の子どもや家族や、大事な人たちが自分の死後に(生きていてもだけど)過去の記憶を思い出すきっかけになる。あまりにも当然のことを言っているようだけど、それってすごく大事かもしれない。

自分のことを思い出したい人なんていないって思ってしまう人がいたとしても、一緒にいた楽しい時間を誰かが思いだすのは、きっとその誰かにとって嬉しいことなんじゃないかな。

大工をしていて、いつもは硬い表情のおっちゃんの小さい頃のあどけない写真が出てきて、それを見て恥ずかしそうに笑う姿がなんだかおもしろくて、いい時間だった。

こないだある人に写真を渡すためにスマホの写真をプリントの仕方を調べたら、ネットで注文して廉価で郵送しているサービスがすぐに見つかった。

これからも時々、スマホのアルバムの写真をプリントしてもらって紙のアルバムにまとめていこう。数十年後に思い出して、自分やほかの誰かが、ちょっと笑顔になれるように。


たまには遠くを眺めてぼーっとしようね。