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著作権、ちゃんと守れてる?思わぬ著作権侵害を避けよう!

今年の6月12日に著作権法改正が公布されましたね。
でも、著作権とはそもそも何なのでしょうか? 

今回は少しややこしい法律、著作権について考えていこうと思います。

1、 著作権(Copyright)とは?

まず著作権は知的財産権という権利の一つです。

“知的財産権:発明・デザイン・著作などの知的形成物に関する権利。”
野村久一郎発行「用語集 現代社会+政治・経済 ‘19-’20年版」清水書院 より

簡単に言うと、何かを作った時に「その創作物を勝手に使われないようにする権利」が制作者に与えられるよ!ということです。そしてそのうち、絵画や音楽などの文化的な創作物を保護するのが著作権です。
文化的というとお堅い感じがしますが、ゲームプログラムなどもその部類です。

2、 著作者の権利


先ほど創作物の制作者に権利が与えられると書きましたが、その権利にも2種類あります。


まず1つ目は著作者の人格を保護する「著作人格権」です。この権利は何があろうと誰かに譲り渡すことはできません。

例)公表権:著作物を公表するかどうかを決める権利。

  氏名表示権:著作物を公表するとき、名前を出すかどうか決める権利。

  同一性保持権:著作物の内容を変えられない権利。


次に2つ目は「著作財産権」です。一般に著作権といわれるものですね。
文字の通り、著作物が無断使用され著作者の利益が損なわれるケースを防ぐものです。
これは著作人格権とは違い、他人への譲渡が可能です。


例)複製権:著作物を複製する権利。

  翻訳権:著作物を翻訳する権利。 など


3、 著作権の保護期間


著作権には、その権利が適応される期間が定められておりそれを「保護期間」といいます。今までは死後50年とされていましたが2018年12月30日より70年に延長されました。


昔の文豪の作品がまるまるネットに出回っているのもこの保護期間が関係していたんですね。

4、 身近な例


ここまで長々と書いてきましたが、そろそろ身近にあるのに見落としがちな著作権法違反について書いていきたいと思います♪

<アイコン>
様々なSNSが広まっている今日。それぞれのアカウントを作るとき、アイコンは最も重要な要素の一つなのではないでしょうか?自分の好きなタレントやアニメキャラをアイコンにする。そんな人も多いと思います。


しかし、無断でそれらを使用することは立派な著作権侵害なのです。
さらにタレントさんなどの画像を勝手に使ってしまうことは、肖像権の侵害にもあたってしまいます。


ではなぜ取り締まられないのか?それは数が多すぎてきりがないからです。
つまり、訴えようと思われたら訴えられてしまう、そんな状況にあるわけです。
アイコンには自分の撮った写真などを設定するのが安全ですね!

<コラ画像>
こちらもネットに大量に出回ってしまっているという点で共通しているのでサックリ説明しようと思います。まずは著作権侵害ですね。こちらはアイコンのようにうっかり、ということもないと思いますが立派な違反行為です。

そしてそのほかにも複製しているので複製権に引っかかったり、画像を改変したりしていると同一性保持権侵害にもつながります。出回っているからと言ってやっていいことではないのです。

<海賊版サイト>
上記のことに比べあまり身近でないかもしれませんが今回の著作権法改正により規制が厳しくなるということなので触れておこうと思います。
海賊版サイトといえば、近年騒がれたことで言うと「漫画村」の事件がありますね。7万冊超の漫画を違法アップロードし、出版社の被害総額は単純計算で3200億円にも上ると言います。(一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構調べ)
そんな被害をなくすために今回の法改正で行われたのがこちら↓

① ユーザーを侵害コンテンツの誘導する「リーチサイト」等の規制や,②侵害コンテンツのダウンロード違法化の対象範囲の拡大を行う
文化庁「令和2年通常国会 著作権法改正について」より

まだ施行されていないので効果がどれほどあるのかはわかりませんが、一概に海賊版サイトと言っても漫画の違法転載や動画・音楽の違法アップロードなど様々なので完全になくすのは不可能なのでは、と思ってしまいます。

5、 まとめ


権利侵害などに脆弱な面を持つ著作権。
そんな著作権をうっかりと侵してしまわないように、普段から注意して思わぬトラブルに巻き込まれないようにすることが大切です。

参照したサイト
野村久一郎発行「用語集 現代社会+政治・経済 ‘19-’20年版」清水書院

「情報の化学」東京書籍 2016年改訂版

livedoor NEWS 「あくまでも黙認してるだけ 漫画を使ったコラ画像は著作権侵害に 」 提供:ライブドアニュース

文化庁「著作物等の保護期間の延長に関するQ&A」

文化庁「令和2年通常国会 著作権法改正について」


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