【短編小説】ヒマワリの季節に ~雪と記憶~
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父方の血筋は東北を起源としている。そのなかでも、ゆかりの地といわれる宮城県にはたくさんの親類があつまっている。おさない時分のタカフミはよく両親にともなわれ、北国に居をかまえる親類の家にあそびにでかけていた。思い出を語りだせばきりがないが、彼の記憶にもっとも色あざやかに焼きついているのは十歳の誕生日を間近にひかえた年末である。そのとしは地元の神奈川県ではめったにない大雪にみまわれ、たまには北国でとしをこす