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※有料設定になっていますが、投げ銭方式なので全文無料で読めます。 車両内には春さきの心地よい日光がさしている。ユウイチはいっこうにおさまらない動悸をおさえながら、寒気にたえかねてのそりのそりと窓に背中をおしつけた。むかいの席には不機嫌そうにうつむいている初老の男がすわっている。腕組みをしてまたをひろげているので、肥満気味の腹部がはっきりとうかがえた。あたたかなユウイチの座席にたいして初老の男の座席は日光があたらなくて、視覚的にもさむざむしかった。現に腕組みをする手は暖