【短編小説】救われた日 ~雪と記憶~
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新年早そう世のなかは白銀に染まった。窓から顔をだして見わたすと、近隣の駐車場ではあらゆる乗用車が白い帽子をかぶっており、向かいのマンションも氷柱を鼻水のように垂らしている。廊下でものめずらしそうに雪景色を見やる子どものしたでは、人がとおれる道をつくろうと不慣れな雪かきに精をだしている男衆がうかがえる。欠勤したかわりに除雪にかりだされたのだろう。日ごろよりつきあいのある顔もある。私も手伝おうとしたのだが、