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【雑記】高校生だらけのドラフト 2023

 過去の『高校生だらけのドラフト』シリーズをお読みでない方は、初めまして。過去の記事をお読みの方は、ご無沙汰しています。この記事では2022年10月20日開催予定のプロ野球ドラフト会議に向けて、専門家でもスカウト関係者でもないルリビタキを自称するどこぞの文章書きが注目するドラフト候補を紹介します。2018年以来継続しているシリーズなのですが、ご興味がありましたら2018年版2019年版2020年版2021年版 2022年版も読んでいただけると嬉しいです。
 記事内容に関する重要な点を。当記事は「気になる選手の備忘録を兼ねた紹介」であって「ドラフト指名予想」ではないのでご注意ください。また筆者は特定の球団を推すよりは選手の個人成績を重視するタイプで「この球団におすすめ」的な話でもありません。しかも「野手」「浪漫砲」「強打の捕手」が好きなため、紹介する選手は高校生の中長距離打者に偏っています。もしかすると意外な名前が出るかも知れませんが、その意外性も含めてお楽しみいただければ幸いです。各ポジションで特に注目度の高い選手には◯を付けています。また、大学生の一部はリーグの途中であり、公開時点の成績を載せています。


◇  ◆  ◇  ◆  ◇


【投手】

木村優人(茨城・霞ヶ浦)
*185cm80kg/右投左打
*MAX150km
〈めも〉力のある直球と多彩な変化球が持ち味の投手で、WBSC U-18 ベースボール・ワールドカップにも選出されました。完成度の高さは高校生投手の中で最上級。打者としても高校通算17本塁打を記録した二刀流ですが、プロでは投手に専念するとのこと。

坂井陽翔(兵庫・滝川二)
*186cm81kg/右投右打
*MAX149km
〈めも〉総合能力が高く、将来性も含めて高評価を集めています。パワー型に見えて、実は7種類の変化球を駆使する大型技巧派でもあります。高校入学後で20kmも球速をあげるなど、さらなる成長の余地を残している点も含めて要注目の投手です。

ハッブス大起(宮城・東北)
*188cm85kg/右投右打
*MAX145km
〈めも〉アメリカ人の父親を持つ本格派右腕。1年生の頃から注目されていた大器ですが、まだまだ成長途上といった感じで本格化には時間がかかるかも知れません。同時に大化けの可能性を秘めているように映り、長い目で見守っていきたいです。

日當直喜(西東京・東海大菅生)
*190cm105kg/右投右打
*MAX151km
〈めも〉恵まれた体格を生かし、角度のある直球を武器とする本格派右腕。190cm105kgの巨体はマウンドに立っているだけで威圧感がありますし、投球も力強いです。この長身から投げられる落差の大きいフォークボールは魅力的です。

前田悠伍(大阪・大阪桐蔭)
*180cm80kg/左投左打
*MAX148km
〈めも〉1年生からプロ入り後の活躍を想像させていた逸材で、現時点での高校生投手ではもっとも注目されている存在でしょう。WBSC U-18 ベースボール・ワールドカップでも活躍。欲を言えばMAX150km以上欲しいところですが、プロの世界で鍛えられ、さらなる進化を遂げることを期待して見守りたいですね。


【捕手】

青野拓海(富山・氷見)
*180cm85kg/右投右打
*高校通算23本塁打/2塁送球1.87秒
〈めも〉高い身体能力が売りの捕手で1年秋から投手を兼任。主砲として、扇の要として、エースとして氷見を牽引しました。スイングスピード153kmを記録。三塁手と遊撃手の練習もかさねているとのことで、将来的には内野手になるかも知れません。個人的には捕手で見たいです。

麻原草太(北北海道・クラーク記念国際)
*180cm82kg/右投右打
*高校通算14本塁打/2塁送球1.85秒
〈めも〉クラーク記念国際の躍進を支えた強打の捕手。体格に恵まれ、守備だけではなく主砲としても活躍しました。守備力の高さにも定評があり、3年夏の甲子園では無失策2捕殺とアピール。技術を磨けば打撃面も面白くなりそうです。ただ走力には期待できないかも。

鈴木叶(静岡・常葉大菊川)
*181cm79kg/右投右打
*高校通算17本塁打/2塁送球1.84秒
〈めも〉走攻守揃った捕手であり、早い段階からスカウトの注目を集めていました。自慢の強肩はプロ並み。リーダーシップもあるため、まさに捕手向きの選手という印象を受けます。

寺地隆成(高知・明徳義塾)
*178cm85kg/右投左打
*高校通算/2塁送球1.9秒
〈めも〉名門明徳義塾で1年生から4番打者に抜擢され、高度な打撃技術と強肩で異彩を放っていました。当時は三塁手を努めていましたが、2年秋から捕手転向。新しいポジションでもセンスを感じさせ、WBSC U-18 ベースボール・ワールドカップではおもに一塁手で出場して好結果を残しました。広角に打ちわけられるアベレージヒッターとして活躍できそうです。

堀柊那(兵庫・報徳学園)
*179cm79kg/右投右打
*高校通算14本塁打/2塁送球1.81秒
〈めも〉今年の高校生ドラフト候補捕手の中で、早期から高評価を集めていた選手といえるでしょう。1年生から正捕手を努め、捕球・送球ともに高校生屈指のセンスを見せていました。打撃面も勝負強く、長打も狙えるので今後どんな成長を見せるのか楽しみです。




【内野手】

【一塁手】
仲田侑仁
(沖縄・沖縄尚学)
*186cm91kg/右投右打
*高校通算22本塁打
〈めも〉3年生の選抜高等学校野球大会と全国高等学校野球選手権大会で本塁打を放ち、恵まれた体格に相応しいパワーを見せました。大きな構えにも大物感が漂いますし、確実性には欠けるものの勝負強さは魅力的。本格化には時間を要するかも知れませんが、注目に値する強打者だと思います。

小笠原蒼(京都・京都翔英)
*180cm96kg/右投左打
*高校通算29本塁打
〈めも〉「宇治のゴジラ」と呼ばれる強打者。屈強な体格に似合う力強いスイングで長打を量産しました。高校野球ではファースト専門でしたが、投手としてもMAX144kmを記録するなど強肩も武器にしており、その肩を生かして別のポジションにも挑戦できるのではないでしょうか。

辻井佑弥(千葉・千葉黎明)
*194cm95kg/右投右打
*高校通算本塁打数不明
〈めも〉通算本塁打数は知りません。試合中の映像も少なく、練習中の映像を少し見ただけです。情報量は少ないですけれど、それでも注目選手に追加したのは高校生離れした体格に惹かれたからです。またどっしりとしたバッティングフォームも魅力的です。一塁手なので実績を考えると指名は難しそうですが、プロの世界で見てみたい選手ですね。

真鍋慧(広島・広陵)
*189cm92kg/右投左打
*高校通算62本塁打
〈めも〉1年生の頃から世代屈指の強打者として、花巻東の佐々木麟太郎・九州国際大附の佐倉俠史朗とともに高校生BIG3と呼ばれていました。ほかの二人とは体型もプレイスタイルも異なり、逆方向にも痛烈な打球を飛ばせる点が目を引きます。いうまでもなく未完成ではありますが、意外と高打率を残す中距離打者に育ちそうな雰囲気もあります。

明瀬諒介(鹿児島・鹿児島城西)◯
*183cm88kg/右投右打
*高校通算49本塁打(50本塁打以上?)
〈めも〉高校生野手部門の注目度No.1です。高校野球では希少なフォロースルーで片手を離す打法で、その打球の速さは飛び抜けています。3年夏は本塁打0本に終わりましたが、鹿屋中央戦で見せた特大ファールは並の高校生では打てないもの。投手としてもMAX152kmを誇る強肩を生かして早々に三塁手の練習を開始するなどプロに向けての意識の高さも魅力。ちなみに高校通算本塁打は49本以外に「50本を超えた春以降数えるのをやめた」という報道もあるため「50本級」という認識でいます。

【三塁手】
浮ケ谷航平(新潟・帝京長岡)
*181cm85kg/右投右打
*高校通算23本塁打
〈めも〉3年生の夏までノーマークでしたが、新潟県大会の映像を見て注目選手に加えました。高校通算40本以上記録していそうな風格だけに23本なのは意外です。技術的な面に課題ありと推測すると同時に、伸び代を感じさせる選手なので追いかけたいです。

小野勝利(埼玉・花咲徳栄)◯
*180cm86kg/右投右打
*高校通算16本塁打
〈めも〉中学生時代から注目を集めていた強打者の卵。詳細は省きますが、下級生時代に監督からパワーハラスメントを受けて退学を余儀なくされ、花咲徳栄に転校後は規則により1年間の公式戦出場禁止。苦難の多い高校生活の中、3年生の夏にようやく公式戦に出場できるように。通算本塁打は20本未満ながら勝負強い打撃を見せていて高い将来性を感じさせます。

河野戴駕(福岡・小倉)
*180cm91kg/右投左打
*高校通算53本塁打
〈めも〉屈強な体格の持ち主で、特大本塁打を量産した強打者。本職は捕手ながら打撃力を生かすため三塁手にコンバート。その後も着実に長打を積みかさねていきましたが、3年夏の福岡県大会では初戦敗退、しかも3四球と勝負を避けられて不完全燃焼に終わりました。しかしそのパワーはスカウトの目にもとまっているようですし、プロの世界でどう開花させるか気になる逸材です。

森田大翔(大阪・履正社)
*180cm77kg/右投右打
*高校通算34本塁打
〈めも〉通算34発の大半を2年秋以降に記録し、甲子園でも2試合連続で本塁打を記録するなど成長著しいスラッガーです。WBSC U-18 ベースボール・ワールドカップでは苦戦を強いられましたが、肉体的にも技術的にも将来性を感じさせる選手だけに今後が楽しみです。

【遊撃手】
田上優弥
(神奈川・日大藤沢)
*182cm81kg/右投右打
*高校通算11本塁打
〈めも〉日大藤沢で1年生から主軸を担い、特に安定感のある守備に定評があります。走攻守三拍子揃っており、本格化に時間を要しそうですけれども素質は高いと見ています。3年目は打撃に元気がなく、不完全燃焼に終わってしまった印象を受けますが、本来は打撃でもチームを引っ張れる逸材だと思うのでプロでの開花に期待しています。

中澤恒貴
(青森・八戸学院光星)
*178cm80kg/右投右打
*高校通算24本塁打
〈めも〉今年は攻撃型遊撃手のドラフト候補が多く、中澤選手も荒削りながら目を見張るほどのパンチ力を見せ付けています。打撃も守備も癖が強く、木製バットへの対応も含めて不安は残るものの、それを払拭するだけのポテンシャルを持っていると思います。流し打ちがうまく、これで内角球を引っ張れるようになるとますます期待度が高まります。

百崎蒼生(熊本・東海大熊本星翔)
*178cm74kg/右投右打
*高校通算39本塁打
〈めも〉神奈川の東海大相模で1年生からレギュラーの座を掴むもチームに馴染めず地元熊本の東海大熊本星翔に転校、規定による1年間の公式戦出場禁止期間を経て甲子園に姿を現した期待の遊撃手です。小柄ながら豪快なスイングと気合いを前面にだすプレイスタイルでチームを牽引。華のある選手で見ていてワクワクします。

横山聖哉(長野・上田西)◯
*181cm82kg/右投左打
*高校通算30本塁打
〈めも〉今年の遊撃手の中で、完成度の高さという点ではNo.1かも知れません。筋肉質な体格は迫力があり、通算30本塁打を放った長打力に加え、投手としてもMAX149kmを記録した強肩を武器に守備でも活躍。走力もあるのでスカウトからの評価は高いです。もう少し力みを抑えられるといっそう怖い選手になりそうですね。

【外野手】

北川陸翔(京都・立命館宇治)
*184cm91kg/右投左打
*高校通算43本塁打
〈めも〉京都を代表する強打者。普段は外野を守っていますが、投手としてもMAX141kmを誇る強肩の持ち主で、攻守にわたり期待度の高い選手です。甲子園では豪快に長打を狙うというより、難しい球を低い弾道で弾き返す器用さも見せており、柔軟性も兼ねているように映りました。体格も立派なので将来が楽しみです。

高野颯太(島根・三刀屋)
*176cm90kg/右投右打/三塁手
*高校通算29本塁打
〈めも〉U18日本代表1次候補にも選出され、豪快なスイングと走力で注目されていた選手です。早い時期からプロを目指すこと宣言し、プロ志望届も即提出。身長は低めながら体格はガッチリしており、強打者の風格をただよわせています。ただ守備面を不安視されているため総合的にどう評価されているか気になるところです。

星野ひので(群馬・前橋工)◯
*182cm84kg/右投右打
*高校通算16本塁打
〈めも〉高校生ドラフト候補の秘密兵器として注目。本塁打数の少なさは2年夏の大会後に右肘を手術し、3年春まで復帰できなかったため。残念ながら映像はバックネット側からのものしか見ていませんが、力強いスイングが目立ちました。荒削りながら走力と肩力を備えた強打者として要チェックの逸材です。


【プロ志望届未提出の注目選手】

【投手】
池田禄紀(三重・近大高専・左投左打)
梅山大夢(群馬・安中総合・右投左打)
熊谷陽輝(南北海道・北海・右投右打)
髙橋煌稀(宮城・仙台育英・右投右打)
高橋史佳(新潟・日本文理・右投右打)
林謙吾(山梨・山梨学院・右投右打)
平野大地(千葉・専大松戸・右投右打)
森煌誠(徳島・徳島商・右投右打)
湯田統真(宮城・仙台育英・右投左打)
【捕手】
伊藤英吉(三重・海星・右投左打)
浦野獅龍(佐賀・龍谷・右投右打)
衛藤冴仁(東東京・関東一・右投右打)
尾形樹人(宮城・仙台育英・右投左打)
小野寺謙真(北北海道・旭川明成・右投右打)
河野優輝(広島・広島新庄・右投右打)
神崎秀朋(群馬・常磐・右投左打)
多久将太(福岡・西日本短大附・右投右打)
高良鷹二郎(奈良・智辯学園・右投右打)
田川一心(長崎・海星・右投右打)
坂根葉矢斗(大阪・履正社・右投右打)
佐々木涼斗(南北海道・札幌大谷・右投右打)
佐仲大輝(山梨・山梨学院・右投右打)
竹本佑(岡山・創志学園・右投右打)
土井研照(岡山・おかやま山陽・右投右打)
富山紘之進(福島・会津北嶺・右投右打)
藤本康生(兵庫・神戸弘陵・右投左打)
樋尾龍誠(三重・津商・右投右打)
前本捷壮(石川・小松大谷・右投右打)
三木翔大郎(神奈川・法政二・右投右打)
水野楓海(南北海道・札幌静修・右投右打)
水戸庫之助(宮崎・日南学園・右投右打)
米倉凜(神奈川・桐蔭学園・右投右打)
渡辺憩(神奈川・慶應義塾・右投右打)
【一塁手】
赤木龍之介(茨城・岩瀬日大・右投右打)
浅見涼河(埼玉・秩父農工科学・右投右打)
石川瑛貴(愛知・東邦・右投右打)
上田航毅(和歌山・和歌山南陵・右投右打)
上村凌賀(和歌山・南部龍神・右投左打)
逢坂拓未(東京・修徳・右投右打)
落合倭吹輝(静岡・掛川西・右投右打)
角田貴弘(佐賀・有田工・右投右打)
河瀬晴翔(北北海道・旭川明成・右投右打)
川本虎太朗(東東京・帝京・左投左打)
小黒真之介(新潟・三条・右投右打)
佐々木麟太郎(岩手・花巻東・右投左打)
高橋悠雅(新潟・加茂暁星・右投右打)
髙橋海翔(山梨・山梨学院・右投右打)
樽川遥人(福島・聖光学院・左投左打)
寺下颯真(静岡・藤枝明誠・右投左打)
中塚遥翔(和歌山・智辯和歌山・左投左打)
中野竣介(神奈川・桐蔭学園・右投右打)
羽田野颯未(大分・大分商・右投右打)
藤丸新大(南北海道・札幌大谷・右投右打)
松本ジョセフ(神奈川・東海大相模・右投右打)
三塚武造(岐阜・県岐阜商・左投左打)
光永翔音(東東京・日大豊山・右投右打)
山崎隆之介(神奈川・横浜・右投左打)
吉本翔麿(石川・遊学館・右投右打)
前川瑛太(三重・松阪商・右投右打)
【二塁手】
池上隆人(神奈川・桐蔭学園・右投両打)
千葉柚樹(岩手・花巻東・右投右打)
廣田想人(青森・弘前学院聖愛・右投右打)
吉田晴希(愛知・愛知黎明・右投左打)
松林優和(群馬・高崎商・右投右打)
【三塁手】
梅澤蒼空(神奈川・藤沢翔陵・右投右打)
近江貫太(奈良・智辯学園・右投右打)
久波賢真(山口・宇部工・右投右打)
久保風仁(神奈川・横浜隼人・右投右打)
福井直睦(神奈川・慶應義塾・右投右打)
湯浅孝介(和歌山・智辯和歌山・右投右打)
武藤匠海(栃木・作新学院・右投右打)
物部豪(山形・東海大山形・右投右打)
【遊撃手】
緒方漣(神奈川・横浜・右投右打)
小川大地(大阪・大阪桐蔭・右投右打)
門野結大(高知・高知・右投右打)
金井拓磨(群馬・常磐・右投右打)
金子晄也(埼玉・昌平・右投左打)
金田幸大(埼玉・西武台・右投左打)
小室壮真(神奈川・横浜創学館・右投右打)
武井仙太郎(神奈川・鎌倉学園・右投左打)
長田悠也(栃木・國學院栃木・右投右打)
若林力丸(東東京・郁文館・右投右打・181cm78kg)
【外野手】
相上征士郎(石川・金沢泉丘・右投右打)
青山達史(和歌山・智辯和歌山・右投右打)
東丞敏(大阪・履正社・右投右打)
安藤敬也(石川・金沢商・右投右打)
池田禄紀(三重・近大高専・左投左打)
池野航太(鹿児島・鹿児島城西・右投右打)
石野蓮授(兵庫・報徳学園・右投右打)
石原優成(西東京・早稲田実業・右投右打)
エゼ・ジョサイア・礼(神奈川・光明相模原)
海老原颯馬(神奈川・平塚学園・右投右打)
大沼斗夢(長崎・創成館・右投右打)
岡田龍之介(三重・津田学園・右投右打)
香取蒼太(茨城・土浦日大・右投右打)
川崎崇斗(青森・弘前東・右投右打)
木村祐葵(山形・山形中央・右投右打)
五味秀太(山梨・日川・右投左打)
佐藤玲磨(宮城・東北・右投右打)
須藤琉聖(青森・弘前東・右投右打)
園田進之助(岐阜・県岐阜商・右投左打)
大堂優人(京都・鳥羽・右投右打)
高井朝陽(西東京・駒場学園・左投左打)
高田洸希(愛知・享栄・右投左打)
田屋ジャンマーク駿(群馬・桐生一・右投右打)
辻﨑大成(熊本・文徳・右投右打)
徳弘太陽(山梨・山梨学院・右投右打)
中圭佑(山形・酒田南・右投右打)
中里柾斗(神奈川・日大藤沢・右投右打)
永嶋七海(千葉・拓大紅陵・右投右打)
中園拓明(福岡・東福岡・左投左打)
仁平直斗(栃木・茂木・右投右打)
野田泰市(三重・三重・右投左打)
萩宗久(神奈川・横浜・右投右打)
バスネット・スエス(栃木・栃木農)
濱口凌輔(和歌山・智辯和歌山・左投左打)
針金侑良(西東京・日大三・左投左打)→
平田大樹(滋賀・瀬田工・右投左打)
早川友真(三重・四日市工・右投右打)
フェルディクリスティアン直人(東京・堀越・右投右打)
福井仁(京都・鳥羽・右投左打)
古井浩汰(和歌山・智辯和歌山・右投右打)
松本大輝(奈良・智辯学園・右投左打)
水野岳斗(千葉・木更津総合・左投左打)
最上晴太(青森・八戸工大一・右投左打)
矢北亜澄(宮崎・高鍋・右投右打)
山内教輔(神奈川・東海大相模・左投左打)
渡邉千之亮(神奈川・慶應義塾・右投右打)

【大学生】

【投手】
赤塚健利(東海地区大学野球・中京学院大)
*195cm112kg/右投右打
*MAX153km
〈めも〉高校時代は恵まれた体格を生かし、ほぼ直球のみで勝負していたパワー型投手でしたが、進学後は変化球も習得。器用さも生まれて頼もしくなりました。とはいえ素材型なのは確かなので大化けを期待しています。

古謝樹(神奈川大学野球・桐蔭横浜大)
*181cm76kg/左投左打
*MAX153km
〈めも〉大学野球で頭角を現した細身の左腕。球速も出ますが、武器は制球力と変化球の切れ味です。高校生の頃から怪我が多く、今も華奢に映るのは気になるものの成長の余地を残しているとも解釈できます。

武内夏暉(東都大学野球・國學院大)
*185cm90kg/左投左打
*MAX153km
〈めも〉抜群の制球力で打者を翻弄する期待の左腕。完成度が高く、安定感もあるので左打者はかなり打ちにくそうです。逸材揃いの大学生投手陣の中でも特に欠点の少ない好投手に見えます。

常廣羽也斗(東都大学野球・青山学院大)
*180cm73kg/右投右打
*MAX155km
〈めも〉ハイレベルなドラフト候補大学生投手の中、No.1の呼び声高いのがこの常廣投手。球速、制球、変化球、どれも一級品であり現時点で1位指名を宣言されているほど。強いていうなら線の細さが若干不安かも。

細野晴希(東都大学野球・東洋大)◯
*180cm85kg/左投左打
*MAX158km
〈めも〉長所と短所が明確な投手で、武器は何といっても160kmに迫る球速と球威。短所は制球の危うさ。奪三振と与四死球が多いタイプは自滅の危険性も持っていますが、それでもポテンシャルは相当だと思います。個人的にこういう荒々しいスタイルは野手も投手も好きです。

【捕手】
有馬諒(関西学生野球・関大)
*181cm83kg/右投右打
*リーグ通算0本塁打/二塁送球1.84秒(高校時代)
〈めも〉 甲子園で金足農にサヨナラ負けを喫し、グラウンドに突っ伏したまま涙を流している姿は今も目に焼き付いています。そんな有馬選手も大学生としてドラフトを向かえるときがきました。長打力には欠けるものの大学通算打率は3割超えでクリーンアップを任されています。守備面も安定していて、捕手能力だけなら大学生の中でもトップクラスでしょう。

進藤勇也(関甲新学生野球・上武大)◯
*182cm86kg/右投右打
*リーグ通算8本塁打/二塁送球1.86秒
〈めも〉パワフルな打撃と軽快な守備を備えた期待の捕手。ただ2年生の秋季リーグから3年生の秋季リーグまでは順調に成長していたのですが、4年生になって苦戦しています。打高投低傾向のある関甲新学生リーグとはいえ相当な打撃力を見せていただけに最近の不調は心配です。

萩原義輝(東京新大学野球・流通経済大)
*185cm80kg/右投左打
*リーグ通算4本塁打/二塁送球1.75秒
〈めも〉2年秋から常に打率3割以上を記録している安定感が魅力で、長打も決められるパワーも持っています。強肩が持ち味で矢のような送球を見せます。若干制球力に不安は残りますが、走攻守揃ったよい捕手だと思います。

【内野手】
青木蓮太朗(東京新大学野球・東京国際大)
*181cm77kg/右投右打/一塁手・二塁手・遊撃手
*リーグ通算4本塁打
〈めも〉高校時代に中村紀洋氏より打撃指導を受け、よく似ているフォームで豪快なスイングを見せる好打者です。リーグレベルを考えるとドラフト会議で指名されるには決め手に欠けそうですが、一目でわかる個性的なプレイスタイルは華があり、プロの世界でも見たいと思わせる選手です。

上田希由翔(東京六大学野球・明大)
*183cm93kg/右投左打/一塁手・三塁手
*リーグ通算10本塁打
〈めも〉大学通算3割を超える打率に加え、10本塁打を記録している注目の打者。柔軟性があり、50m6.0秒の俊足も備えている総合力の高い選手です。調子の波も少なく、プロの世界でも活躍できそうな雰囲気をただよわせています。一塁手以外の経験が浅いため守備面に若干不安はありますが、身体能力の高さで克服することを期待します。

熊田任洋(東京六大学野球・早大)
*174cm76kg/右投左打/遊撃手
*リーグ通算7本塁打
〈めも〉完成度の高い遊撃手です。1年生からレギュラーとして出場し、広角に打てる打撃技術と抜群の守備力で注目を集めていました。小柄ながら長打を狙えるパワーもあり、欠点らしい欠点がありません。あとは肉体的・技術的な伸び代がどれだけあるかですね。

佐野太陽(愛知大学野球・中部大)
*178cm81kg/右投右打/遊撃手・捕手
*リーグ通算4本塁打
〈めも〉元々捕手でしたが、進学後遊撃手に転向。後輩に来年のドラフト候補となるであろう捕手が控えていることも関係しているかも知れません。本塁打数は4年生の秋季リーグでかさねたもので、長打力は未知数なところがあるものの打撃技術自体は高く、チーム屈指の強肩と俊足を兼ね備えた万能型の選手です。

廣瀬隆太(東京六大学野球・慶大)◯
*182cm91kg/右投右打/一塁手・二塁手・三塁手
*リーグ通算19本塁打
〈めも〉まさに浪漫砲。1年生から積みかさねて本塁打数は19。三振数は春季リーグ終了時点で74。極端な長距離打者なので安定感は望めませんが、凄まじいスイングスピードと打球は間違いなく大学生No.1です。またイメージとは異なり広角に打ちわけたり、遊撃手以外の内野守備を無難にこなし、走力もそれなりに持っているという器用な一面もあります。高校時代から追いかけていた選手だけに大注目です。

村田怜音(東海地区大学野球・皇学館大)
*196cm111kg/右投右打/一塁手
*リーグ通算20本塁打
〈めも〉赤塚投手とともに東海地区大学野球を代表するもう一人の怪物。圧倒的な長打力を武器に本塁打を量産。逆方向にも強い打球を飛ばし、時には軽打に切り替える器用さも見せます。プロを見据えて一塁以外の守備も練習中。とはいえ打撃に全振りした典型的な浪漫砲なので守備走塁にはあまり期待できないかも知れません。それでもこれほどの大器は滅多にいないため期待しています。

【外野手】
三原力亜(仙台六大学野球・仙台大)
*180cm93kg/右投右打
*リーグ通算4本塁打
〈めも〉病気の母を気遣い、高校野球で引退を考えるも周囲の励ましにより継続を決意。走攻守揃った選手で、4年生の秋季リーグでは豪快なフルスイングで3年生春以来の本塁打を記録しました。選手としての力量は勿論として、応援したくなるものを持っています。

宮崎一樹(関甲新学生野球・山梨学院大)
*184cm84kg/右投右打
*リーグ通算6本塁打
〈めも〉身体能力の塊。3年生の秋季リーグで40打数24安打、5本塁打、19打点という凄まじい成績を残し、一気にドラフト上位候補に躍り出ました。本塁打自体はその後出ていないものの、彼の最大の武器は通算33盗塁の走力と俊足強肩を生かした外野守備でしょう。大学日本代表候補の合宿で50m5.91秒(普段のアバウトなものではなく正確な計測)を記録。

【社会人】

【捕手】
城野達哉(西濃運輸・右投右打・179cm78kg)
【内野手】
藤岡陸(日本製鉄大分・右投右打・186cm82kg/一塁手・三塁手)
【外野手】
度会隆輝(ENEOS・右投左打・183cm83kg/二塁手)

【独立リーグ】

【投手】
椎葉剛
(徳島インディゴソックス・右投右打・182cm85kg)
【捕手】

町田隼乙(埼玉武蔵ヒートベアーズ・右投右打・185cm85kg)
【内野手】
三浦ジェスヨロボ大颯(信濃グランセローズ・右投右打・180cm94kg/一塁手)
奥村真大(滋賀GOブラックス・右投右打・184cm88/三塁手)
阪口竜暉(福井ネクサスエレファンツ・右投右打/179cm93kg/三塁手)
【外野手】
井上絢登(徳島インディゴソックス・右投左打・178cm87kg)
大泉周也(福島レッドホープス・左投左打・174cm83kg)


 今年の目玉はやはり大学生投手になります。ドラフト1位で競合するクラスの逸材が複数人揃っていることもあり、各球団は投手を中心に戦略を立てているようです。決して野手の層が薄いわけではないのですが、ここまで大学生投手の活躍が目立っていると心持ち影が薄くなるのも仕方ありません。高校通算140本塁打を記録した花巻東の佐々木麟太郎内野手がプロ志望届を提出していたら話は違っていたでしょう。けれどもドラフト1位指名確実でありながらもアメリカ留学という異例の選択をしたことで、なおさら投手に注目が集まることになりました。
 さて、その野手陣に目を向けると、高校生に関しては全体的に通算本塁打数が少ない印象を受けます。でも、それは小粒という意味ではありません。つまり数字以上のインパクトを持っている選手が目に付きました。例えば沖縄尚学の仲田侑仁、帝京長岡の浮ケ谷航平、三刀屋の高野颯太といった選手たちのように通算30本未満でも、本数以上の風格を見せているケースが多いということです。勿論プロで通用すると現時点で断言することはできませんし、それ以前に指名されるかもわからない状況です。私は現地取材していませんし、プロの理論を把握しているわけでもありません。これは単なる素人判断にすぎません。それでも将来性を感じさせる彼らの雰囲気に惹かれ、素人なりに吟味した末、感性の赴くままに取りあげてみました。

 高校通算本塁打数の話題をだしたからには、2024年の春から導入される金属バットのことにも触れなければなりません。最大経69mmから64mmに。新基準の低反発性金属バットであり、性質的には従来より木製バットに近いです。投手の危険防止と打高投低の調整を目的とした新規定で、高校野球に大きな変化をもたらすことが予想されます。今まで以上に本塁打の「量より質」を見極めることが重要になると思われます。
 個人的には賛成したいです。一般的に高校通算本塁打数は参考にならないと認識されており、実際過去の記録を見るとプロの世界では通用しなかったり、そもそもプロ野球選手になれなかった学生が多く、信憑性には疑問符が付きます。高校時代の打撃成績との相違が生じてしまう原因は複合的なもので、通算本塁打数に練習試合などの非公式戦の成績も含まれている、高校によって練習試合数が異なる、試合用のグラウンドが狭い、などなどの理由が考えられますが、中でも打球が飛びすぎる金属バットの影響は大きいでしょう。国際試合でもプロ入り後でも野手が宿命的に抱える代表的な不安要素は「木製バットに対応できるか否か」です。金属バットの恩恵を受けて本塁打を量産しているのか、仮に木製バットでも柵越えしたであろう打球を連発しているのか、おなじ成績でも内容次第で天と地の差が生まれます。この点を踏まえると、より科学的・技術的な指導・練習の浸透を促す意味でも低反発金属バットの導入は効果的かも知れません。
 とはいえ上記の期待は大分楽観的ではあります。何故ならこの新規定は強打者を育成するどころか強打者を減少させることも懸念されるからです。元来高校野球の世界では良くも悪くもスモール・ベースボールを美徳とする傾向がありますが、この風潮が低反発金属バットの導入で極端化し、以前より小技重視の指導が一般化する未来図も思い描けます。こうなると強振を禁じられる場面も増え、長距離砲の出番が少なくなることも充分に考えられるのです。スモール・ベースボール自体を否定する気はありません。小技には小技の面白味がありますし、立派な野球の攻撃方法ですからね。フルスイングに憧れ、アーチを架けたいという球児の夢を尊重するのはいうまでもなく、一人一人の個性に寄り添う指導の充実を心より願っています。

 話が脱線しました。ドラフトの話に戻りますが、今年の高校生は一塁手と遊撃手に逸材が揃っている印象を受けました。一塁手は打撃力が求められるボジションだけに指名のハードルが高いですが、明瀬諒介選手のように早い段階から複数のポジションを練習する例も見られますし、近年は一塁手の傾向にも変化が表れているので期待できると思います。また、高校生は大学生より長期的に育成されるため(高卒でも早々に戦力外通告を受けるケースが増えている点は気にかかりますが)、守備練習に時間をかけられます。換言すると村田怜音選手のような大学生一塁手はよほど打撃力を認められない限り育成枠でも指名されるか危ういです。それでも規格外の打撃成績と体格を誇る村田選手には不安の声を吹き飛ばしてくれるという期待感を持てます。何とか指名されるとよいですね。
 一方、筆者が毎年血眼になって探し求めている捕手を見ると、昨年より守備型に寄っているかも知れません。大学生でも強打の捕手として注目していた進藤勇也選手の調子があがらず、最終学年は本塁打0に加えて打率も春季12打数3安打、秋季30打数5安打と伸び悩みました。ドラフト候補に名乗りをあげた3年秋の輝きを取り戻せるとよいのですが。イチオシの廣瀬隆太選手も怪我が影響したのか長打が少なく、現在19号で停滞していることもあって東京六大学野球の通算本塁打記録更新は難しい状況となりました。この記事を投稿した後に大爆発する可能性は残されていますが、最後のシーズンを本来の二塁手ではなく一塁手で終えそうな点含めて若干心配はあります。廣瀬選手は高校2年生から注目していました。高校通算41本塁打を放ち、進学後も1年生から活躍。それなのに大学4年生までドラフト・レポートに何の情報も掲載されなかったのはいまだに摩訶不思議ですけれど、廣瀬選手の成績はこれから膨大な文字数で書かれることになると信じて応援しましょう。

 紹介した選手の話を続けたいところですが、キリがないので締めることにします。というのも今の日付は10月24日23時すぎ。ドラフト会議は10月26日に開催されるのに、まだ記事を完成させていないのはまずいです。毎年ドラフト会議1週間前には公開すると決めているのに絶対遅れてしまうのですよね。いけないことです。しかも今年は金属バット問題に触れたため説教臭いといいますか、物申すような締め方になったため眉間に皺を寄せています。まあ、くだんの問題は長い目で見守り、数年後改めてこの記事を読み返して自問自答することにしましょう。

 それではこの辺で。
 わたしにとってもあなたにとっても、よいドラフトになりますように。

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