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【雑記】高校生だらけのドラフト 2021

 過去の『高校生だらけのドラフト』シリーズをお読みでない方は、初めまして。過去の記事をお読みの方は、ご無沙汰しています。ここでは2021年10月11日開催予定のプロ野球ドラフト会議に向けて、専門家でもスカウト関係者でもない文章書き(小説・書評等)が注目しているドラフト候補生を紹介します。2018年以来継続しているシリーズなのですが、ご興味がありましたら2018年版2019年版2020年版も読んでいただけると嬉しいです。
 なお当記事のコンセプトは「贔屓選手の紹介」であって「ドラフト指名予想」ではないのでご注意ください。しかも「野手」「素材型」「浪漫砲」を偏愛しているため、高校生の中長距離打者に偏りがちです。もしかすると意外なお名前が飛び出るかも知れませんが、その意外性も含めてお楽しみいただければ幸いです。

 また、ドラフト会議が大学野球の秋季リーグとかさなったため、大学生の成績は春季リーグ終了時を参照しています。ご了承ください。


◇  ◆  ◇  ◆  ◇


【投手】

石田隼都(神奈川・東海大相模)
*183cm 74kg/左投左打
*MAX146km
〈めも〉投球間隔の異常な短さで打者を翻弄。緩急を付けた投球が魅力で、3年生春の選抜高等学校野球大会では投球回29.1被安打14奪三振45四死球2自責点0という驚異的な成績でチームを優勝に導きました。線が細く、伸び代がありそうな点も要注目。

風間球打(秋田・ノースアジア明桜)
*183cm 81kg/右投左打
*MAX157km
〈めも〉最速157kmの信憑性に疑問符は付きますし、制球に不安があったりと荒削りではありますが、高校生屈指の球威は大きな武器です。本格派投手として球界を引っ張る存在になれる可能性を秘めている思います。

畔柳亨丞(愛知・中京大中京)
*177cm 87kg/右投右打
*MAX152km
〈めも〉身長は高くないものの体格はよく、常時150km近い球速を計測する安定感を持っています。怪我の多さは懸念材料ですけれど、成長と練習次第で克服可能と信じて見守りたいです。

代木大和(高知・明徳義塾)
*185cm 85kg/左投左打
*MAX143km
〈めも〉球速自体は最速145km未満ながら、切れ味のある変化球と抜群の制球力は大きな武器。大柄な体格で、3年時の全国高等学校野球選手権大会で2本塁打を記録するなど、打者としても注目したい選手です。個人的には野手で見たいかも。

森木大智(高知・高知)☆イチオシ☆
*184cm 83kg/右投右打
MAX154km
〈めも〉中学生時代に軟式野球で150kmを計測して話題になりました。高校時代の球速は最速154kmと予想ほど伸びませんでしたが、球威のある直球に多彩な変化球を交えることで打者を翻弄します。身体能力が高く、通算13本塁打を記録するなど打者としても活躍しました。


【捕手】

味谷大誠(埼玉・花咲徳栄)
*180cm 81kg/右投左打
*高校通算13本塁打
〈めも〉二塁送球1.78秒を誇る強肩巧打の捕手。本塁打数は少なくても安定感のある打撃力、二塁打三塁打を量産する走力には魅力があります。

髙木翔斗(岐阜・県岐阜商)
*186cm 88kg/右投右打
*高校通算20本塁打
〈めも〉素材型の大型捕手。1年生の頃から長距離砲候補として注目していましたが、自粛期間の影響を大きく受けたこともあり、不完全燃焼に終わった感は否めません。また「当てにいく」場面の多さも気になりました。素質の片鱗はうかがえますし、小さくまとまらないでのびのびと成長していただきたいですね。

町田隼乙(神奈川・光明相模原)
*185cm 81kg/右投右打
*高校通算本塁打不明
〈めも〉大穴と表現するのは失礼ですけれど、恵まれた体格から長打を連発する打撃力に惹かれました。走力も高く、3年生春の県大会では11打数6安打長打率8割3分3厘を記録。ドラフトで指名されるか難しいラインながら注目したい存在です。

松川虎生(和歌山・市立和歌山)☆イチオシ☆
*178cm 98kg/右投右打
*高校通算43本塁打
〈めも〉注目度No.1の高校生捕手。場外まで飛ばすパワーと、逆方向に打てる器用さを兼ね備えた打撃力が武器です。捕手としても重量級らしからぬ敏捷性を見せますし、同期の小園投手をささえてきた精神的支柱としての一面も魅力。将来が楽しみです。

村山亮介(千葉・幕張総合)
*186cm 108kg/右投右打
*高校通算38本塁打
〈めも〉中学時代は無名も、高校で本塁打を量産してスカウトの注目を集めた強打の捕手。筋骨隆々とした体格は如何にも長距離砲。強豪校が多数集結する千葉県だけに最高成績は4回戦までですが、選球眼のよさと我慢強さを生かして四球を選んでいた点は好感が持てます。体重は重くてもスローイングは素早く、二塁送球も2秒を切ります。


【内野手】

有園直輝(千葉・千葉学芸)☆イチオシ☆
*185cm 95kg/右投右打/三塁手
*高校通算70本塁打
〈めも〉プロ志望届提出者中最多本塁打数を誇る強打者。1年生から桁違いの打撃を見せ、千葉学芸の名を一気に広めました。2年生の頃から自粛期間を経験している点を踏まえると、通算70発は驚異的な数字です。また、屈強な体格は敏捷性と柔軟性を兼ねており、50m6秒1の俊足とMAX148kmの強肩も武器にしています。2021年イチオシの野手です。「気が優しくて力持ち」という表現の似合う温和な雰囲気も推しポイント。

野村和輝(大阪・東大阪大柏原)
*183cm 90kg/三塁手
*高校通算27本塁打
〈めも〉強肩強打で投手と三塁手を兼任。本職は内野手ながら、投手としてもMAX148kmの球速に数種類の変化球を加えるなど、身体能力の高さを見せました。二刀流に挑戦したいようですが、個人的には野手に専念していただきたい選手です。

渡邉大和(和歌山・高野山)
*177cm 94kg/右投右打/三塁手
*高校通算23本塁打
〈めも〉180cm未満ながら90kgを超える筋肉質な体格で、広角に痛烈な打球を見せる強打者。過去の大会ではチームが早い段階で敗退したためアピール不足に終わったのが悔やまれます。映像からは通算本塁打数以上のインパクトを受けました。

粟飯原龍之介(千葉・東京学館)
*182cm 85kg/右投左打/遊撃手
*高校通算33本塁打
〈めも〉高校通算33本塁打の長打力、50m5.9秒の俊足、MAX137kmの強肩を誇るアスリートタイプ。1試合3盗塁を記録する積極性も持っていて、今後の成長次第では強力な中距離打者になりそうです。全国高等学校野球選手権大会には出場できなかったものの、スカウトからの注目度は高いです。

林直樹(福岡・西日本短大附)
*182cm 82kg/右投右打
*高校通算11本塁打
〈めも〉浪漫砲と呼ぶには高校通算本塁打数が少ないですけれど、荒削りなフォームでも外野の頭を超える打球を飛ばしたりとパンチ力はあります。また、3年夏の県大会準決勝では同点の3点本塁打とサヨナラ打を含む5打点を記録するといった勝負強さにも惹かれます。


【外野手】

池田陵真(大阪・大阪桐蔭)
*172cm 85kg/右投右打
*高校通算25本塁打
〈めも〉名門大阪桐蔭の主砲。選球眼のよさ、ベンチプレス125kgをあげる怪力を生かし、3年春の府大会では打率6割5分4厘、2本塁打、14打点と爆発しました。安定感のある中距離打者として注目。

清田蒼陽(岐阜・大垣日大)
*186cm 91kg/右投右打
*高校通算26本塁打
〈めも〉中学時代はU-15日本代表に選出された投手でしたが、高校時代は外野手に転向して打撃に専念。打者としての練習量・試合数は少なめでも長打を連発するところに長距離砲の素質を感じます。50m6秒の俊足も魅力。体格も申し分ないです。

笹原操希(長野・上田西)
*178cm 75kg/右投右打
*高校通算24本塁打
〈めも〉長野県を代表する名門校で1年生から4番に座り、2年生からは俊足を生かすため1番打者としてチームを引っ張りました。長打を打てる中距離打者のイメージで、総合能力が高そうです。

西原太一(宮崎・宮崎商)
*181cm 78kg/右投右打
*高校通算23本塁打
〈めも〉県大会で優勝するも、新型コロナウイルス感染者が出たため全国高等学校野球選手権大会は出場辞退。残念な結果となりました。長打だけではなく、状況に応じて軽打に切り替える器用さもあり、今後の成長次第で有力な強打者になる予感がします。

柳澤大空(神奈川・日大藤沢)
*181cm 78kg/右投右打
*高校通算18本塁打
〈めも〉通算本塁打数は20本未満ですが、体勢を崩されながらも柵越えするパワーがあり、30~40本を記録していそうな雰囲気を持っています。強肩に加えて50m6秒の俊足という身体能力の高さは魅力ですし、将来が楽しみな選手です。

吉野創士(埼玉・昌平)☆イチオシ☆
*185cm 79kg/右投右打
*高校通算56本塁打
〈めも〉1年時から有薗直輝選手とともに注目してきた世代屈指の強打者。3年夏は腰痛と体調不良がかさなり満足な成績を残せなかったものの、長距離打者らしい綺麗な放物線を描く打球は魅力的ですし、打席に立っているときの雰囲気もよいです。線の細さを指摘されがちですが、中学時代には背筋力の測定で全国1位となり、高校生になってからも150kgのバーベルを担ぎあげる良質の筋肉を持っているので個人的には不安視していません。ただ肩を極端なほど内側に入れるフォームは心配かも。

前川右京(奈良・智辯学園)
*177cm 90kg/左投左打
*高校通算37本塁打
〈めも〉1年時は長距離打者のイメージでしたが、2年時の模索時期を経て中距離打者としての素質を現してきました。ここは見る人によって判断がわかれるところです。とはいえ3年時の全国高等学校野球選手権大会で記録した2本塁打は見事でした。低めの弾道で、外野の頭を一直線に越える打球は超高校生級といえるでしょう。

前田銀治(静岡・三島南)
*182cm 98kg/右投右打
*高校通算31本塁打
〈めも〉超素材型の浪漫砲。3年春、三島南が選抜高等学校野球大会の21世紀枠に選出されるまでスカウトも認知していなかったダークホースです。構えているすがたには風格がありますし、長打力、MAX143kmの強肩、50m6秒の俊足と武器をたくさん持っている点は評価できます。ただし3年夏は力みすぎて全然結果を残せなかったように課題点も多く、育成の腕が問われるタイプですね。

三代祥貴(大分・大分商)
*181cm 90kg/右投右打
*高校通算26本塁打
〈めも〉外野手と三塁手を兼任する強打者。自粛期間がなければおなじ大分商で活躍した兄・大貴選手(近大)の通算45本塁打を超えていたかも知れません。最大の魅力は長打力ですが、MAX144kmの強肩、50m6.1秒の俊足を持つアスリートタイプでもあります。要注目です。

米山航平(兵庫・市立尼崎)
*188cm 95kg/右投左打
*高校通算12本塁打
〈めも〉前田銀次選手同様「超素材型」に分類しました。正直、佐藤輝明選手(阪神タイガース)との類似性を報道されたことで、過剰に注目された印象を受けるため評価が難しいです。スイングスピード160kmは素晴らしいですが、通算本塁打数の少なさを見ると選球眼やバットコントロールに疑問符が付きますし、慎重に見た方がよいのではないかと思います。もっとも恵まれた体格と突出した怪力は本物。素質はあるでしょう。


プロ志望届未提出の注目選手

【投手】
上村海斗(神奈川・三浦学苑・右投右打)
阪上翔也(神戸国際大附・右投左打)
関戸康介(大阪・大阪桐蔭・右投右打)
高須大雅(静岡・静岡・右投右打)
中西聖輝(和歌山・智辯和歌山・右投右打)
前田晃宏(神奈川・慶應義塾・右投右打)
渡邊翔真(岩手・盛岡大附・右投右打)
【捕手】
太田拓夢(静岡・島田商・右投右打)
川上陸斗(福岡・福岡大大濠・右投左打)
コッシーオ・アダムカツ(千葉・日体大柏・右投右打)
古和田大耀(愛媛・新田・右投右打)
菅野樹紀(茨城・土浦日大・右投右打)
綱川真之佑(群馬・健大高崎・右投右打)
三浦睦(山梨・笛吹・右投右打)
三宅海斗(福岡・西日本短大附・右投右打)
森村輝(東東京・都立小山台・右投右打)
吉田瑞樹(埼玉・浦和学院・右投右打)
【内野手】
板倉颯汰(千葉・千葉学芸・左投左打)一塁手
金子京介(岩手・盛岡大附・右投右打)一塁手
川瀬穣二(静岡・藤枝明誠・右投右打)一塁手
櫻井歩夢(群馬・健大高崎・右投右打)一塁手
佐藤圭隼(群馬・樹徳・右投右打)一塁手
竹田翔太郎(南北海道・函館大有斗・右投右打)一塁手
知念大河(沖縄・沖縄尚学・右投右打)一塁手
前田健伸(大阪・大阪桐蔭・右投左打)一塁手
大塚瑠晏(神奈川・東海大相模・右投左打)二塁手・遊撃手
小澤周平(群馬・健大高崎・右投右打)二塁手
木本圭一(神奈川・桐蔭学園・右投右打)二塁手・三塁手
小田康一郎(岐阜・中京院中京・右投左打)三塁手・投手
木村泰賀(茨城・常盤大高校・右投左打)三塁手
熊谷大生(長野・松商学園・右投右打)三塁手
佐藤豪(茨城・藤代・右投左打)三塁手
島口裕輝(滋賀・比叡山・右投右打)三塁手
立石正広(山口・高川学園・右投右打)三塁手
田中幹大(広島・武田・右投両打)三塁手
早田慧(京都・東山・右投右打)三塁手
松本龍哉(岩手・盛岡大附・右投左打)三塁手
宮下隼輔(大阪・大阪桐蔭・右投右打)三塁手
山下陽輔(奈良・智辯学園・右投右打)三塁手
松林克真(大阪・履正社・右投右打)三塁手
内囿光人(神奈川・桐光学園・右投左打)遊撃手
中村碧人(宮崎・宮崎商・右投右打)遊撃手
初谷健心(東東京・関東一・右投左打)遊撃手
堀川悠吏(静岡・袋井・右投右打)遊撃手
松下歩叶(神奈川・桐蔭学園・右投右打)遊撃手
宮下朝陽(南北海道・北海・右投右打)遊撃手
武藤闘夢(東東京・帝京・右投右打)遊撃手
米崎薫暉(高知・明徳義塾・右投右打)遊撃手
【外野手】
浅利瑠良(山形・日大山形・右投右打)
新井流星(岩手・盛岡大附・右投右打)
岡崎虎太郎(岡山・創志学園・右投右打)
清宮福太郎(西東京・早稲田実業・右投右打)
黒川将斗(神奈川・横浜商・左投左打)
黒川怜遠(石川・星稜・右投左打)
古賀智己(埼玉・昌平・右投右打)
小針遼梧(岩手・盛岡大附・右投右打)
坂本寅泰(福島・聖光学院・右投右打)
瀬千皓(奈良・天理・右投右打)
畠山翔(神奈川・横浜商・右投右打)
花田旭(大阪・大阪桐蔭・右投右打)
稗田悠人(三重・白山・右投右打)
平内純兵(岩手・盛岡大附・右投左打)
堀江晃生(群馬・健大高崎・右投左打)
中田達也(石川・星稜・右投左打)
松永知大(長崎・創成館・左投左打)
三木勇人(兵庫・神港学園・右投右打)
皆川岳飛(群馬・前橋育英・右投左打)
宗祐矢(栃木・青藍泰斗・右投左打)
森川倫太郎(群馬・健大高崎・右投左打)
吉岡道泰(千葉・専大松戸・右投左打)
宮崎海(愛知・愛工大名電・右投右打)
茂知野翔耶(三重・高田・右投右打)


【大学生】*成績は春季リーグまでのもの

~投手~

佐藤隼輔(首都大学野球・筑波大)
*181cm 83kg/左投左打
*MAX152km
〈めも〉1年秋に投球回25奪三振24自責点0を記録。その後も順調に好成績をおさめてきましたが、4年秋に右腹部の肉離れを起こしました。早期回復を願うばかりです。

隅田知一郎(九州地区大学野球・西日本工業大)☆イチオシ☆
*176cm 76kg/左投左打
*MAX150km
〈めも〉1年春から登板し、優秀な防御率と奪三振率を残してきた本格派左腕。リーグレベルとの相談は必要ですが、現状世代屈指の存在感を示しています。

椋木蓮(仙台六大学野球・東北福祉大)
*178cm 80kg/右投右打
*MAX154km
〈めも〉サイド気味のスリークォーターながらMAX154kmを計測。1年春から圧倒的な成績を残しており、安定感にも期待できる逸材です。将来的には160kmを目指すとのこと。

~捕手~

岩本久重(東京六大学野球・早大)☆イチオシ☆
*181cm 91kg/右投右打
*リーグ通算4本塁打
〈めも〉3年目から頭角を現し、4年目の春季リーグでは3本塁打を記録。早大の主砲として存在感を示しました。体格にも恵まれており、豪快なスイングも見ていて気持ちよいです。

久保田拓真(関西学生野球・関西大)
*183cm 97kg/右投右打
*リーグ通算3本塁打
〈めも〉3年目まで打撃面に課題を抱えていましたが、4年目の春季リーグで3本塁打を記録。二塁送球1.84秒を誇る高精度のスローイングだけではなく、長打力があるところも見せました。強打の捕手として注目です。

古賀悠斗(東都大学野球・中大)
*174cm 78kg/右投右打
*リーグ通算4本塁打
〈めも〉高校時代は通算52本塁打を放ち、U-18ワールドカップに出場しました。進学後は打撃で苦労していましたが、4年目の秋季リーグに3本塁打を記録。高校時代を思い起こすスイングを見せてくれました。小柄ながらパンチ力がありますし、捕手としての総合能力も高いです。

安田悠馬(愛知大学野球・愛知大)
*185cm 105kg/右投左打
*リーグ通算5本塁打(1部リーグ2本・2部リーグ3本)
〈めも〉2年目の春季リーグから2部リーグでプレイしているので割引する必要はありますが、屈強な体格と球を破壊するような強振はインパクト大。良くも悪くも「次の佐藤輝明を探せ」という風潮が目立ちますが、個人的には安田選手はもっとも雰囲気が似ていますね。これで捕手なのですから浪漫があります。

幸地竜弥(福岡六大学野球・九州共立大)
*181cm 80kg/右投右打
*リーグ通算3本塁打
〈めも〉バランス型の捕手。1年目は出場機会がなく、2年目以降出番が増えました。リーグ通算本塁打数は3本ながら長打力には定評があり、二塁送球1.8秒の強肩と併せて注目されています。


~内野手~

鵜飼航丞(東都大学野球・駒大)
*182cm 100kg/右投右打/一塁手・外野手
*リーグ通算7本塁打
〈めも〉4年目からは外野手を務めていますが一応内野手枠に加えました。高校時代は通算56本塁打。大学時代は2年目の秋季リーグで覚醒。長打力に関しては今年の大学生No.1だと思います。問題は打ち損じの多さです。打席で動きすぎますし、フォームも安定しません。長所と短所の差が激しく、博打要素の濃い浪漫砲です。

正木智也(東京六大学野球・慶大)☆イチオシ☆
*182cm 87kg/右投右打/一塁手・外野手
*リーグ通算10本塁打
〈めも〉4年目は一塁手で出場。外野手からコンバートされたように守備に難があり、走力も高いとはいえません。けれども滞空時間が長く、飛距離の出る長打にはホームランバッターとしての資質と魅力が詰まっています。欲をいうとリーグ通算13~4本は欲しいところ。高校時代は通算50本。当時から注目していた打者だけにプロ入り後も追いかけたい存在です。

山城響(北東北大学野球・富士大)
*180cm 86kg/右投左打/二塁手
*リーグ通算8本塁打
〈めも〉二塁手と遊撃手と外野手を兼任する守備力、打率3割台で本塁打王と打点王を獲得する打撃力、盗塁王に輝く走力。欠点らしい欠点が見あたらないユーティリティプレイヤーです。

中山誠吾(関甲新学生野球・白鴎大)
*190cm 97kg/右投左打/遊撃手
*リーグ通算8本塁打
〈めも〉この体格で遊撃手が務まるのか疑問に思いますが、試合では無難にこなしているようです。一塁手と三塁手も兼任する器用な面も。でも武器は紛れもなく打撃力であり、3年目の秋季リーグでは4本塁打を放って本塁打王を獲得しました。打率は低めなので、課題点は確実性でしょうか。

野口智哉(関西学生野球・関西大)
*181cm 83kg/右投左打/遊撃手
*リーグ通算2本塁打
〈めも〉本塁打数は少なく、ベストナイン以外のタイトルは獲得していませんが、1年目の春季リーグから4年目の春季リーグまでの6季(2020年の春季リーグは開催中止)で5回3割以上出塁率4割以上を記録するなど、打撃の安定感は抜群です。遊撃手以外に三塁手と外野手もこなします。


~外野手~

岡田悠希(東京六大学野球・法政大)
*183cm 87kg/右投左打
*リーグ通算3本塁打
〈めも〉高校時代は通算34本塁打を放ちましたが、進学後は出場機会に恵まれず、3年目の秋季リーグで念願の初出場を果たすと2本塁打を記録。4年目の春季リーグでも本塁打を決めました。バットコントロールがよく、遠投120mの強肩を武器にアピール中。

梶原昂希(神奈川大学野球・神奈川大)☆イチオシ☆
*188cm 83kg/右投左打
*リーグ通算11本塁打
〈めも〉大学生の浪漫枠。1年目から素材型の大器として注目していましたが、荒削りのまま4年目を迎えたため少々心配しています。リーグ通算11本塁打の長打力、50m5.8秒の俊足という武器を持ちながら選球眼の悪さ・空振りの多さで評価を落としている感は否めません。けれども素質は一級品ですし、才能を開花させていただきたいです。

川村友斗(仙台六大学野球・仙台大)
*181cm 90kg/右投左打
*リーグ通算8本塁打
〈めも〉東北を代表する強打者。2年目の秋季リーグから頭角を現し、三冠王経験はないものの首位打者・本塁打王・打点王を獲得しています。外野手のほか三塁手もこなしますし、10打数連続安打のリーグ新記録を打ち立てる安定感と、50m6秒の俊足も備えています。強力です。

福元悠真(関西六大学野球・大商大)
*180cm 90kg/右投右打
*リーグ通算1本塁打
〈めも〉高校時代は通算45本塁打を放ちましたが、進学後は中距離打者として活躍中。高打率は残すもリーグ通算1本塁打はものたりなく、体格・雰囲気と実績が噛み合っていない印象を受けます。それでも力強いスイングは魅力的で、プロ入り後の覚醒に期待したくなる選手です。

ブライト健太(関甲新学生野球・上武大)
*184ccm 84kg/右投右打
*リーグ通算3本塁打
〈めも〉博打要素の塊である浪漫砲。4年目の春季リーグで初出場を果たしたら3本塁打を放ち、最多本塁打・最多安打・最高出塁率を記録しました。3年間の未出場からの大活躍を如何に判断するか悩みます。身体能力は関甲新学生リーグ屈指なのは明らかですし、長距離砲としての素質を持っていることも確実。後はどこまで安定してポテンシャルを発揮できるかですね。爆発力に期待したいです。


【社会人】

猪田和希(神戸国際大附→JFE東日本)
*捕手/175cm 90kg/右投右打/1999年度生まれ
〈めも〉高校通算28本塁打。高校時代から注目していた強打の捕手。今はどのサイトでも身長175cmと表記されていますが、当時は183cmと表記されていました。理由は不明。

髙山遼太郎(健大高崎→honda)
*三塁手/173cm 78kg/2000年度生まれ
〈めも〉高校通算47本塁打。同期山下航汰選手(読売ジャイアンツ)とともに打ちまくった逸材。

秦琢真(いなべ総合→名古屋学院大→ジェイプロジェクト)
*三塁手/180cm 93kg/1997年度生まれ
〈めも〉大学時代は通算18本塁打を記録。その内14本は愛知大学野球の2部リーグとはいえ、20本近い本塁打数を記録するのは並大抵のことではありません。若い内にプロで見たいです。

桜庭佑希也(弘前東→トヨタ自動車東日本)
*外野手/175cm 76kg/右投左打/2000年度生まれ
〈めも〉高校通算44本塁打。「津軽の大砲」と呼ばれた小柄な強打者で、当時から注目していました。

谷合悠斗(明徳義塾→三菱重工West)
*外野手/178cm 92kg/右投右打/2000年度生まれ
〈めも〉高校通算本塁打数は30発超。選抜高等学校野球大会でのサヨナラ本塁打は目に焼き付いています。社会人野球での実績はまだまだのようですけれど、もしも指名されたら嬉しいです。


【独立リーグ】

速水隆成(桐生第一→群馬ダイヤモンドペガサス)
*188cm 100kg/右投右打/捕手/1997年度生まれ
〈めも〉毎年紹介している強打の捕手。はよ指名されてください。

藤田青空(弘前東→堺シュライクス)
*180cm 85kg/右投右打/捕手/2002年度生まれ
〈めも〉2020年はプロ志望高校生合同練習会に参加するも、残念ながら指名漏れしたバランスの取れた捕手。高卒1年目での指名に期待。

園部佳太(いわき光洋→専大(中退)→福島レッドホープス)
*177cm 88kg/右投右打/遊撃手/1999年度生まれ
〈めも〉高校通算48本塁打。専大中退後、独立リーグに参加。

植田拓(盛岡大附→バイタルネット→JFFシステムズ→愛媛マンダリンパイレーツ→オセアン滋賀ブラックス→茨城アストロプラネッツ)
*165cm 82kg/右投右打/外野手/1999年度生まれ
〈めも〉高校通算63本塁打。高校時代から注目を浴びていた強打者ですが、社会人野球に進んでからは故障に悩まされました。独立リーグ移籍後も奮闘している苦労人。報われることを願います。

長南有航(横浜→日本製鉄かずさマジック→栃木ゴールデンブレーブス)
*186cm 90kg/右投左打/外野手/2000年度生まれ
〈めも〉高校通算22本塁打。横浜高校時代は同期万波中正選手(北海道日本ハムファイターズ)とともに強力打線を引っ張りました。社会人野球、独立リーグで活躍中。身体も一回り大きくなりました。




 プロ志望届未提出者の人数が物語るように、2021年はプロ志望届を提出しない高校生が非常に多く、記事を作成するにあたり頭を捻りました。中でも岩手県の盛岡大附、群馬県の健大高崎から一人も提出者が現れなかったのは意外でした。両校とも最高級の強力打線を築き、鮮烈な印象を与えてきましたからね。岩手県大会で5試合連続本塁打を記録し、高校通算本塁打数を57に伸ばした盛岡大附の金子京介一塁手は早い段階で進学を希望されていましたが、通算64発の松本龍哉三塁手、通算48発の小針遼梧外野手、通算39発の新井流星外野手、通算35発の平内純兵外野手、エースにして通算20発を誇る渡邊翔真投手の内一人は高卒プロ入りを狙うと思っていたのですが。健大高崎も通算52発の小澤周平二塁手を筆頭に強打者が揃い、チーム本塁打数は約250発を数えます。森川倫太郎外野手、綱川真之佑捕手といった強打者たちの打席は見ていて楽しかったです。
 福島県・聖光学院の坂本寅泰外野手と奈良県・天理の瀬千皓外野手、隠し玉(というには知名度が高いですけれど)として滋賀県・比叡山の島口裕輝三塁手といった選手たちにも熱い視線を送っていました。特に通算47発の坂本寅泰選手は外野手のイチオシ候補であり、監督も聖光学院の歴代1~2位を争う逸材と太鼓判を捺していたため常にチェックしていたのですよね。どのような進路を選択するのか、今後の動向も注目していきます。
 兵庫県・神戸国際大附の阪上翔也投手兼外野手と西川侑志捕手、愛媛県・新田の古和田大耀捕手、北海道・北海の宮下朝陽遊撃手、群馬県・前橋育英の皆川岳飛外野手、長野県・松商学園の熊谷大生三塁手兼遊撃手、愛知県・愛工大名電の宮崎海外野手、和歌山県・智辯和歌山の徳丸天晴外野手、大阪府・大阪桐蔭の花田旭外野手、福岡県・西日本短大附の三宅海斗捕手、宮崎県・宮崎商の中村碧人遊撃手といった全国高等学校野球選手権大会出場校の強打者の未提出が目立ち、球児たちの深い思索の痕跡がうかがえます。大学野球に進むにしても社会人野球に進むにしても、理由は千差万別なので断定することはできませんが、新型コロナウイルスの影響は出ているかも知れません。3年生は2年間影響を受け続けて、試合数も練習量も少ないまま進路を決めることになりました。高卒デビューを決断するには判断材料が不足しています。見ている方としては残念ですけれど、毎回強調しているように進路は人生に関わる重要なこと。筆者は選手たちの決断を支持します。

 最後に大学野球の注目選手に関しまして。2021年はドラフト会議が10月11日に開催されるため、多数の大学野球連盟の秋季リーグとかさなります。またリーグの日程は全国共通ではなく、秋季リーグの成績を含めると中途半端なことになると判断して春季リーグまでの成績を参照しました。

 間もなく始まるドラフト会議が楽しみです。


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