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おやまに長く住み続けてもらう仕事から出会えたいくつもの奇跡

所属/小山町役場未来創造部 おやまで暮らそう課 小林さん
取材/浜松学院大学 地域共創学科 3年 高田

土地の所有者と真剣に向き合い、町に住む人を増やしたい

「おやまで暮らそう課」とは他にはない、ちょっと聞き慣れない部署名ですよね。実際に私たちは、事業の柱として、小山町の人口をいかに増やすという課題に取り組んでいます。人口政策は、ハード事業とソフト事業に分けられます。その中で私はハード事業を主に担当しています。人が住む宅地を増やし、そこへの移住を推進します。また町外からの移住サポートだけでなく町内の人口の流出を防ぐために町内の仮住まいで生活されている方に持ち家を持ってもらい、長くこの地で住み続けてほしいと考えて施策、補助金配布などの仕事をしています。
近年、地域である分譲マンションの開発があり、その物件には40世帯が暮らしています。おかげで、この地区の人口は以前に比べて、70〜80人ほど増えました。もし、戸建てをその土地に建てていたら、おそらく10戸にも満たなかったのではないでしょうか。

空き家活用は、業務のもう一つの柱です。最近、空き家問題を耳にすることが多いと思います。空き家の情報をまずもらい、再利用できるものを手を加えて流通させるか、もしくは危険ならば解体するか、どちらかをオーナーさんと話し合って決めています。解体の場合は、更地になることで、宅地として利用ができるようになります。空き家を解体するには、所有者の合意が必要です。近隣に空き家の影響がある中で、なかなか所有者が許可を出してくれないといったこともありました。「町民が住みやすい生活を送るために、しっかりと所有者と向き合い、最終的には人を増やすゴールを目指したい」と小林さんは語ります。


公務員になってみないとわからなかった魅力

住宅メーカーに13年、最後に店長を務め、後に小山町の職員になった小林さん。公務員になろうと思ったきっかけは、安定感があるところと時間に余裕が持てそうというイメージがあったから。そんなとき、小山町が宅建の資格取得者限定で職員採用を行っているのを知り、採用試験にチャレンジして受かることができました。
はじめは、公務員としての仕事が思っていたところと違ったこともあり、苦戦しました。例えば、仕事の内容、時間の使い方、人との関係など・・・入ってみないとわからないこともあることを実感。その後、住民課、危機管理課、観光スポーツ交流課を経て、それぞれの課の仕事の良さや面白さ、サラリーマン時代とは違う魅力に気づき、「公務員っていいな」と感じるようになりました。


決して手を抜かず断らずに本気で元気よく

「心掛けていることは、第一に町民のために本気でやること!」と小林さん。そして、決して手を抜かずに断らないことを大切にしています。今までの経験の中で、民間企業に比べて公務員は、断る割合が多いと感じています。公務員は、民間に比べて売り上げなどがなく、仕事の成果が評価と直結しにくいもの・・・。それでも組織のルールを守りながら、元気に取り組みたいと考えています。「おそらく、移住希望者が元気のない町の職員から移住の説明を受けてもその町に住みたいと思わないですから」と小林さんは言います。


取材でわかった「今日が一番うれしい日」

かつて、インターンシップとして、高校生を役場に受け入れるときには、苦労がありました。「もともと、おやまで暮らそう課は、忙しくてインターンシップを受け入れる余裕がありませんでした。しかし、地域との繋がりを強めたいと、高校生を受け入れることになったのです」と小林さん。
今回、当時の役場に来てくれていた高校生が、担当したインターンシップの影響を受けて、大学生になり、公務員のやりがいを伝えるために、取材に来てくれるとは思ってもみないことが起こりました。「考えたら、今日が一番うれしい日かも知れない」と小林さん。人生のうちにあるかないかの出来事が起こり・・・。「これからも素晴らしい奇跡を大切していきたいですね」と話してくれました。


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