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面倒な感性とエゴの自覚 23/11/19

自分の好きなアーティストの曲や作品を振り返ると「結局人間のこと好きなのかよ」と自分で思うことがある。人間賛歌というか。

書いている文から伝わらないこともないと思うけど、僕は結局のところ人間が嫌いじゃない。思考がうねうねしているだけで。

嫌いになってしまうと生命維持に支障をきたしそうだからなるべく回避している、というのが近い。
「人間が素晴らしいって信じておきたい」って感情が適切だ。

僕は多分、汚い世界をあまり知らない。
そもそも見えてる世界だけなら勝手に落ち込む必要がないのに、それでも落ち込んでしまうくらい心が弱い。
だからこそ「信じておきたい」を強めてくれる音楽が好きだ。

文章を明るく綺麗に書く時に、見たくない世界から目を背けた頭パッパラパー野郎が口先だけで語ってらぁ!と自分では思う。
世界と人間ってもっと汚いって聞いたし。

具体的には、闇金ウシジマくんとか洗脳ノンフィクションドキュメンタリーとかを見ることができない。手を出しかけて凄い劣悪な不安の種を植え付けられたところで、記憶が止まっている。
ちょっとズレるけど、ホラー映画も見ない。
不安と恐怖が感情として残るコンテンツ自体、頭にこびりつくので手を出したくない。
悪夢を想像する時の選択肢に、化け物と暴力が入ってきてほしくない。一度見たら2,3年は頭に残ってしまう。
悪夢なら今たまに見る「無数のスズメバチがいる窓のない部屋に密閉される」くらいで勘弁してほしい。
慣れの問題だとしても、不意に精神が痛むものは極力摂取したくない。

無理して見なくても洪水のように娯楽がある時代だし、今のところは好みの範囲だけ見て生きていたい。


好きな曲を振り返った時に、人間が好きって表現はちょっとズレてるかもしれない。
最終的には前を向けるような、そういう作品が好きだ。
周りにそういう人は少ない。曲調の方を主に聴いてるみたいだし、カッコよさとか可愛さとか耳心地の良さが優先なのかもしれない。

友好関係のなかに、本当に心の底から好きな音楽が一致する人間ってパッと見いない。
「それもいいよね」って言ってくれるくらいだ。

僕自身はマイナーな音楽の方が好きだ。認めざるをえない。
その良さを共有する過程に快感があるし、初聴で曲としての力量不足を感じるものだってある。
それでも数字だけを見て自分の感性を信じられない人とは合わない。あくまで鑑賞においては。

気が合う友達は多い気がするのに、特筆して曲の好みだけ合わない。
それを求めるのってわがままだろうな、とも感じる。

曲の好みが一致していると捻くれた考え方が合わず、捻くれた考え方が合うと今度は曲の好みが合わない。
もしくは音楽が趣味じゃないことが多い。

自分が「共感できるし好きだな~」と思う曲のモチーフやその歌詞は、大抵エゴとその苦悩にまみれている。
ほぼ矛盾している「自分のこと嫌いなんですけど好きなんです」みたいな曲調は、少ないけど確実にジャンルとして存在している。

歌詞で聴きすぎている、みたいな意見もあるとは思う。
ポップな曲調と暗さのギャップがあるほど飲み込みやすい。

「醜いなりに楽しんでやってます」という気持ちが、本当に僕の心の底の底からの想いだからだ。
それに圧倒的な音楽の力が加わっているほど好きになる。
コード進行だとかに本心では興味がなくて、どれもなんとなく楽しい音としてしか認識してない。「曲調が好きじゃない」と言われるたびにどことなくズレを感じる。

もっと正直に書くか。

日記でも紹介したボカロ曲の感想を友達に強引に求めたところ、期待したほど反応が良くなかった。
何故だかかなり落ち込んだ。
しっかり自分の口数が減ってお腹が痛くなっていた。
友人と感性が合わない、その程度のことなのに。

とにもかくにも、押し付けるのはよくない。
逆の位置に立つこともあるから、再三感じてはいたけども。

趣味の布教をしたいなら、野良猫を手懐けるのと同じ手順で行う必要がある。
押し付けがましくならずに、安全そうに興味を惹かせる。
こっちに来ないことだって当然あるけど、こっちに来ればラッキーくらいに思ったほうがいい。

それでお腹が痛くなったのとほぼ同時に、嬉しいこともあった。
ずっと前からオススメしているバンドのライブに、知り合いが初参戦したというツイート。驚いてすぐに返信した。

関係が少し遠いだけに、ハマったという報告も聞いてはいなかった。
そのバンド関連の発信をしているのを初めて見た。

ネクライトーキーというバンドを5年前からずっと推している。
その人は3年前に僕がMVをオススメしているのに興味を持って、それから好きになったらしい。返信されて初めて知った。
公式アカウントをフォローしているのは見えていたから、薄々好きなんだ~くらいだったけど。

めちゃめちゃラッキーじゃんね。

と同時に、ちょっとだけ絡まりがほどけた。
ひとつのコミュニティで全ての好みが合うわけがない。
よく考えれば「ゲーム友達」「ボードゲーム友達」「会話好き」「文章好き」「外出するリア友や腐れ縁」みたいに他は分けて考えている。

多分「音楽」と「お笑い」に関してだけ、こだわりから話が合わない。合わせようとして不満を抱えるジレンマがある。
共有するのは難しい。同じような人を探すと、だいたい面倒くさい人だし。
僕も面倒くさい人だし、そもそも楽しむうえで共有が絶対ではないし。

感性に関するエゴが募りすぎて、そこに踏み入れられるのが気に食わない。
いわば地雷なのだと思う。最近気づいた。

結構なんでも面白いものだ素晴らしいものだと感じるから、それを認めない人を認められなくなってしまう時がある。
とても正直に書けることじゃないけど、よくぞ正直に書いた。素直な日記としてはあっぱれ。


自分のそういう性質が分かったなら、押し付けて聞き出すのは本当に違う。
地雷を踏み抜きに行っている。自分でやっちゃダメだね。
感想を言わない場合は理由があって、やっぱり自然な会話の流れって大事だ。

自分が面倒な人間だという自覚はあるから、好きなものへの立ち回りと傷つかない方法は学んでいきたい。
ホラー映画を見ない理由を説明できたみたいに、嫌いは明確にしておくべきかも。

こなまるでした。

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