見出し画像

「利用者さんからのクレームにはどう対処すればよい?③」

はじめに

今回は利用者の方や親族からのクレームが「不当な要求」であると分かった場合の対応についてお話します。

不当な要求かどうかの検討

前回までお話したように、利用者の方からのクレームが入った場合には、冷静に聞き取りを行い、どのようなことがあったのか、それに対して利用者の方は何を求めているのかを確認する必要があります。
また担当者・事業所に非がない場合であっても必要に応じてご利用者の感情に配慮した対応を検討する必要があります。

それを踏まえても、明らかに不当な要求がされた場合、どのように対応すべきでしょうか。
例えば、次のような場合が考えられます。

  • 担当者・事業所に非がないにもかかわらず過度な謝罪を繰り返し要求する(例:担当者や責任者への土下座を要求するなど)

  • 契約に含まれていないことを分かっていながら過剰な要求を続ける

  • 脅しを伴って根拠なく金銭の支払いを求められる。

このような場合、責任者で検討するだけでなく弁護士にご相談をいただき、法的観点からも検討することが大切です。

毅然とした対応を

ご利用者の方もご自身の要求が過剰になってしまっていることに気が付いていないこともあります。
ただ、それをご理解いただくためにも「できないことはできない」と根拠と併せて伝えることが大切です。

それでも要求がやまない場合には、ご利用者との契約の解除なども検討する必要があります。この場合、契約書の中で「解除条項」を予め設けておくことで、スムーズに対応できることもあります。
また、この段階では現場の方が直接対応するのではなく、弁護士に依頼をして代わりに対応してもらうことをお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか?
ご利用者からのご意見は傾聴すべきものもありますし、それに基づいてきちんと対応をする必要があるものもあります。
ただ、一定数明らかに過剰・不当な要求が含まれる場合があることも事実です。

ご利用者の方からの要望が不当かどうかの判断もなかなか難しい場合もあります。このような場合、弁護士にご相談をいただくことで、法的な観点からの判断も可能となります。

問題が起きてしまいそうなときには、いち早く相談をされることをお勧めします。