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コナともこ アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおりま…

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コナともこ アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。 10年前からカナダ コキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

マガジン

  • コナともこ着物コラム   「着物語り2022」

    カナダの日本語オンライン新聞で掲載中の着物コラムです。 良かったら、カナダで着物を愉しんでいる気分でお読みくださいませ。 新しい発見があるかも知れません。 バンクーバー新報オンラインから コナともこ「着物語り」 https://www.vancouvershinpo.ca/columns-series/kona-kimono-story/

最近の記事

「春土用*晴れの合間に土いじり」

カナダde着物第58話 *千夏先生の他装ワークショップ* 土用の日は、夏だけでなく春にもあるのをご存知でしょうか。  陰陽五行説では宇宙は2つの陰陽と5つの元素(水、金、土、火、木)からできていると考えられていて、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」が支配するとされ、残った「土」を各季節の終わりの18日間に当てはめたことから、立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を土用というそうです。次の季節へ移る前の調整期間で、体調管理にカレンダーが使われていたようです。  春

    • 「雛祭り*故郷の香りピーチジャム」

                  カナダde着物 第56話 *気軽に半幅帯でお出掛け* 今年は五節句の内の4回が日曜日という珍しい年です。 皆さま、ご存知でしたか。 五節句とは季節ごとに行われる日本の伝統的な行事です。 人日の節句は2024年1月7日 (日曜日)、上巳の節句は3月3日 (日曜日)、端午の節句は5月5日 (日曜日)、七夕の節句は2024年7月7日 (日曜日)、重陽の節句は2024年9月9日 (月曜日)となります。 昔から日本では、自然災害、感染症や食料困難などの

      • 「三寒四温*春待ち人コートを選ぶ」

        カナダde着物 第55話 *能登半島地震支援茶会* 道端のクロッカスが可愛らしく咲き始め、時より冷たい風があるものの、雲の合間に見る薄明るい日差しは、バンクーバーらしい春の訪れです。 年の初めに起きた能登半島の地震から1か月以上が経ちました。 裏千家淡交会バンクーバー協会とコキットラム市にあります東漸寺では、 寒さの中で災害にあわれた被害地の方たちのことを思い、少しでもなにかできることはないかと考えた末、支援の茶会を開いてわずかでも復興のお役にたてればとチャリティー茶会

        • 「辰年*龍のように勇ましく神秘的に」

          カナダde着物 第55話 *海外で暮らしながら着物を愉むこと* 今年の干支「辰、龍、竜」。 神話や伝説などに出てくる空想上の生きもの「ドラゴン」を意味しているそうですが、どれも勇ましく神秘的なイメージがあります。 妄想の世界での理想の男性に近いでしょうか。(笑) さて、2024年が始まりました! 年明け早々に上空から思わぬ雪のお年賀が届きまして、外は銀世界で美しいのですが、雪に弱いといわれるバンクーバー近郊では、大渋滞やスリップした車が立ち往生し、年の初めから大慌て

        「春土用*晴れの合間に土いじり」

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        • コナともこ着物コラム   「着物語り2022」
          8本

        記事

          「盛夏*眩しい光の下に集う民」

          2023年7月27日 カナダde着物第49話 *透け感が心地よい夏の着物*  皆さま、暑中お見舞い申し上げます。  暦の上で大暑の頃になりますと、各地で祭りや花火大会が行われ、夏の風物詩が目白押しです。  カナダでは建国記念日を皮切りに、毎週末、さまざまなイベントが開かれています。偶然にも私の誕生日は7月1日で、この日は式典やパレードが行われ華やかな1日となります。もちろん、私のためのものではないのですが、大変うれしく思います。(笑)  今年は、ウエストバンクーバーで

          「盛夏*眩しい光の下に集う民」

          「向夏*きらきらと木漏れ日」

          2023年6月29日 カナダde着物第48話*糸が織りなす模様と物語*  日本では梅雨の月に入りましたが、カナダではこれから日照時間が増え、降水量が減ります。  毎年山火事のニュースが流れ、街に漂う、うっすらとした煙は健康への影響も怪訝されるでしょう。  私は花粉や煙などで咳が出るので、今でもマスクを常備して必要な時だけしています。  コロナ禍のお陰で、マスクをしていても以前より変な人に見られないので、有難いです(笑)  それでも晴れ間の木漏れ日は、乾いた風と合

          「向夏*きらきらと木漏れ日」

          「小満*夏めきまぶしき」

          2023年5月25日 カナダde着物第47話 *芸妓と着物*  陽気が良くなって、万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれるそうです。  最近、夏めく気候に体がついていけず、体調を崩される方が多いようです。  私も春以降、茶道と着物関係のデモンストレーションや友人との会食などで出掛けることが多く、人と会う機会が増えたせいか、どこからか風邪をもらってきてしまいました。  それでも気持ちを明るくしていられるのは、5月の爽やかな風と庭に咲き誇る草花が癒

          「小満*夏めきまぶしき」

          「穀雨*しな垂れる桜も美しく」

          2023年4月27日 カナダde着物第46話 *桜の文様*  「穀雨(こくう)」は二十四節気の六番目で「暖かい春の雨が穀物を潤す」という意味があり、春の雨や恵の雨を表わしているそうです。  バンクーバー周辺では、今年も暖かい日の桜もあれば、雨日のしっとりとした桜もありました。  皆さまはどのような表情の桜がお好きですか。 *今日の着物*Today’s Kimono「桜の文様」  桜は、昨今では振袖や訪問着の中でも人気のある柄となりました。  凛とした一重桜、可愛らし

          「穀雨*しな垂れる桜も美しく」

          「永日*花と香を手向ける」

          2023年3月30日 カナダde着物第45話 *利休忌*  サマータイム、北米ではDaylight Saving Timeと呼ばれていますが、太陽の光を少しでも長く浴びたい私たちの「春、最初の一歩」ですね。  その頃になりますと雛人形を飾る家ではカラフルな色が増え、ようやく冬から春へと季節が移り変わることを実感できます。  お寺でお供えするお花とお香は、穏やかな雰囲気で私たちを包みます。  まだ続いている、戦乱の中で暮らす人々にも心落ち着く場所がありますように。

          「永日*花と香を手向ける」

          「薄氷*流れて水の匂いして」

          2023年2月23日 カナダde着物第44話 *着物で稽古始め*  薄氷(うすらい)は、春が近づき始めたころに張る薄い氷です。  メトロバンクーバーの2月は、毎朝の気温が気になります。  「もう春がくるかしら?いやいや、まだ油断はできないわね~。」と、お寺の仲間たちは鼠空を見あげながら館内に入って来られます。  それでも、時に顔を出す明るい光と、芽吹き始めた草花は、春が近いことを告げているようです。  2月19日の雨水の頃に雛人形を飾ると縁起がいいそうで、お雛様のお顔を

          「薄氷*流れて水の匂いして」

          「花正月*美しきよきもの春うらら」

          2023年1月26日 カナダde着物 第43話 *成人の式 おめでとうございます*  新成人の皆様、ご成人を心よりお祝い申しあげます。  今後のご活躍にご期待すると共に、ご家族の皆様のご多幸とご健康をお祈りいたします。 *今日の着物*Today’s Kimono成人式での正装  女性は振袖、男性は紋付袴が第一礼装となります。(*1)  厄除けの意味もある素晴らしい伝統工芸品ですね。  1月15日の午後、還暦を迎えた女性たちの写真撮影をいたしました。  3回

          「花正月*美しきよきもの春うらら」

          「初詣*和が集まりウサギ折る」

          2023年1月26日 カナダde着物 第42話 *新春のご挨拶*  新春のお喜びを申し上げます。  皆様、おすこやかに新年をお迎えのことと存じます。  本年もどうぞよろしくお願いいたします。 *日本文化と着物を通じて凛と生きる* 私はカナダに移民して20数年になります。カナダ人の夫とその家族、そして日本とカナダ両方のルーツを持つ娘たちと、日本文化を取り入れながら日々過ごしてまいりました。  3人の子育てをしながら、仕事と稽古事を細く長く続けてきたことが、今の活動

          「初詣*和が集まりウサギ折る」

          「年の暮*納めの月に里ごころ」

          2022年12月22日 カナダde着物 第41話 *美しい日本を再確認*  今年もあとわずかで終わろうとしております。  雪景色の年の暮れとなりましたグレーターバンクーバーです。  人の往来が多いこの時期に、雪のせいで帰省や旅行が予定通りにいかないことがあり、里心を感じる方もおられるかと思います。  皆さま、いかがお過ごしでしょうか。  日本各地のお寺では、納めの不動という今年最後の縁日があります。  天災や疫病を鎮静するとされ拝されてきた「不動明王」(*1)、通称「お

          「年の暮*納めの月に里ごころ」

          「錦秋*自然が織りなす紅の里」

          カナダde着物 第40話*茶道の正月*炉開きと紋付訪問着*  織物のように美しい秋を表す錦秋(きんしゅう)。日本在住の方や里帰りをしている方々のSNSで毎日のように紅葉狩りをしております。  もちろんコンピューターの前から離れ一歩外へ出ましたら、カナダや北米にしか生息していない多くの木々や植物を愛でることができます。(*1)  老犬との散歩道、彼に合わせゆっくりと木立の中を進みます。  このような美しい紅葉を見せてくれる大自然を守るのは、共存している人の使命ではない

          「錦秋*自然が織りなす紅の里」

          「花煙草*空に霞んだ遠き山」

          コナともこ 着物語り 袷の着物になりました。 チラ見文化を語っております。 2022年10月27日 カナダde着物 第39話 *八掛とチラ見文化*  秋に収穫されるタバコは、喫煙がマイナーとなる昨今では馴染みが薄くなりましたが、初秋の季語として花煙草(はなたばこ)があり、茶道では煙草盆が今でも使われています。  山火事で黄色がかったグレーターバンクーバーの空は、煙草の煙で覆われているようにも見えます。今までにこんなに雨が降らないことがあったでしょうか。月名の神無月とい

          「花煙草*空に霞んだ遠き山」

          「秋明*瞼のうらに曼殊沙華」

          カナダde着物 第38話 *贅沢気分de紗袷せ* 色取月(いろどりづき)とも呼ばれる9月に入りました。清々しい秋の気配が感じられ、山々の色、収穫される作物の色、夏に日焼けした肌色もでしょうか、色は日に日に移ろいでいきます。 先人の名付けた月の異名や呼び名は、自然の法則や宇宙の中にいる人間の心のカレンダーとなりますね。 秋の光と風を感じると、真っ赤な彼岸花(別名:曼殊沙華まんじゅしゃげ)が目に浮かびます。 カナダにいても心豊かに過ごしたいものです。 「贅沢な気分de紗合

          「秋明*瞼のうらに曼殊沙華」