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【2021 J1 開幕戦】川崎フロンターレ vs 横浜F・マリノス プレビュー

昨年10月以来のnote投稿ということで、かなりお久しぶりです。
大学での授業や単純にモチベの問題でレビュー書くのサボってました。
そんな中、昨シーズンまでマリノスのアナリストをやられていた杉崎さんが運営するオンラインサロン【CiP】に1月から参加し、アナリストになるために必要なスキルを学び始めました。
大学が春休みに入り時間もあるということで、プレビューというものを初めて書いてみました。かなりの長文になりましたが読んでいただけると嬉しいです。

今シーズンも時間がある時にプレビューやレビューを書いていこうと思います。
今シーズンもよろしくお願いします。

※キクマリを2週連続で見逃したので試合映像を見る事が出来ず、新しい取り組みをしていると言うマリノスの4局面での選手配置はヨコエクのみの情報から推測した、筆者の完全な妄想となっております。ご了承ください。

この記事はマリノス視点で進行していきます。

チーム状況

・横浜F・マリノス
新加入選手 (前所属チーム)
 No.7 FW エウベル (ECバイーア)
 No.9 FW レオ セアラ (ECヴィトーリア) 新型コロナウイルスによる入国制限のため未合流
 No.35 MF 樺山諒乃介 (興国高)
 No.24 DF 岩田智輝 (大分トリニータ)
 No.30 DF 平井駿助 (興國高)
 No.32 GK 田川知樹 (興国高)

負傷者:エウベル、喜田

今節が2021シーズン初の公式戦 次節ルヴァン杯 Home ベガルタ仙台戦を中4日で控える。
・川崎フロンターレ
新加入選手 (前所属チーム)
 No.20 FW 知念慶 (復帰 大分トリニータ)
 No.24 FW 宮城天 (復帰 カターレ富山)
 No.19 FW 遠野大弥 (復帰 アビスパ福岡)
 No.6 MF ジョアン シミッチ (名古屋グランパス)
 No.3 MF 塚川孝輝 (松本山雅FC)
 No.17 MF 小塚和季 (大分トリニータ)
 No.22 MF 橘田健人 (桐蔭横浜大)
 No.30 DF 田邊秀斗 (静岡学園高)


2/20に行われた富士ゼロックススーパーカップ@埼スタでガンバ大阪に3-2で勝利。今節が2021シーズン公式戦2試合目。中5日で今節を迎える。次節リーグ戦 Home セレッソ大阪戦を中4日で控える。

予想スタメン

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この記事に出てくる各ポジションの表記名は上図のものを使用します。
(※但し、各ポジション左右関係なく、両サイドの選手に言える場合はRやLの文字を省略して表記します。)

まずは予想スタメンから

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※選手名横の文字は利き足を表しています (R:右利き、L:左利き)

・マリノス
3-3-1-3
OHには軽症と報道されていたがマルコス、LWGにはエウベルが負傷のため高卒ルーキーの樺山がスタメンと予想。
・川崎
4-3-3
怪我明けの選手のコンディションや新戦力のフィット感を考慮するとゼロックスのスタートのメンバー・配置が現状ベストなのではないかということ、また今節まで中5日で会場の移動距離も関東圏内で短いことから、ゼロックスのスタートのメンバーのままと予想。

4局面と時間帯

・自陣での攻撃 (川崎の敵陣での守備)

0-15分はマリノスがボールを握る展開(マリノスのペース)になると予想します。
ゼロックスでは新システムのガンバに対して最初の15分は川崎がガンバの出方を探り、ガンバがペースを掴む展開となりました。
今節でも最初の15分は、3-3-1-3の新システムで来ると予想されるマリノスの出方を探る時間に使うのでは無いかと考えられます。
昨シーズンからベースの変わらない川崎と情報がほとんど無い新システムのマリノスとでは事前に選手が知れる相手の情報量に大きな差があることも関係してきます。

マリノスは0-15分の相手が対応しきれない時間に点を取れれば理想です。

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0-15分はマリノスがペースを握ると言いつつも川崎は前からプレスに来るでしょう。プレスを掛けながらマリノスの出方を探るという感じです。

マリノス3-3-1-3、川崎4-3-3の形で噛み合わせると、ACの扇原が浮きます。マリノスは扇原を上手に使いながら相手最前線のプレスを剥がして前進したいです。またマリノスのWBはただ外に張っているだけでなく、内側に入る事で中盤の枚数を増やして数的優位を作ったり、HV→WGのパスコースを開ける役割も担っています。上図では噛み合わせのために両WBを内側に配置していますが、自陣での攻撃において両WBが同時に内側に入ることは無いのではないかと考えています。両WBが内側に入ると川崎のIHは移動距離も少なく簡単にWBが捕まえられてしまいます。

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上図①のように敵3トップに対して3バック+GKの4枚で数的優位を作りつつ、WBが内に絞り敵中盤に的を絞らせないのか
②のように幅を取ったWBに敵SBがプレスに来たらRHV岩田からお得意のロングボールが敵SB裏の仲川へ出るのか
③のようにサイドに人数をかけ、敵IH・ACが開けた中央にマルコスが降りてきて縦パスを入れるのか

「川崎の敵陣での守備は両WGが外を切りながらプレス、中央に誘導しながらIHが人を捕まえる。川崎のWGがGKまでプレスをかけた後はマリノスのHVの選手が浮く。またACに入ることが予想されるシミッチは人を捕まえるためにかなりサイドに寄る→中央にスペースが空く」この事象はゼロックスでも頻繁に見られました。

①、③の展開が多く起こると予想されます。

15-30分は川崎がマリノスのやり方を理解し、まず3トップが中を閉めることを第一優先にするのか、川崎のIHが内側に入ったマリノスのWBを捕まえた状態から浮いたHVにプレスにくるのか、浮くマリノスのACに川崎のACが出てくるのかなど、プレスの掛け方を変えてくるかもしれません。敵陣でボールを取りたい川崎は0-15分の出来次第で何らかのアクションは起こすと思います。それに対してマリノスがどう対応するのかも注目です。

30-45分は点差に関わらずマリノスの浮く選手に対して、川崎は止まることなくプレスをかけ続けると予想します。マリノスにはこのプレスに臆することなく繋ぎ続ける選択をして欲しいです。川崎はハイプレスを剥がされると、時間帯による疲労からか人にプレスバックをするのでは無く、ゾーンに切り替えるため、前に急がなくてもボールホルダーはフリーの状態になります。またこの時の川崎のDFラインは横にコンパクトです。大外に張る特徴を持つマリノスの逆サイドのWGを見れると、この一連の流れは川崎にとってウィークポイント、マリノスにとってはストロングポイントになります。

45-60分は前半を踏まえての修正と川崎は再びハイプレスに来ると予想します。

60-90分は疲労から全体的に間延びする時間帯になるでしょう。この時間帯から川崎の中盤は最前線のハイプレスについて来れなくなってきます。川崎はこの時間帯でIHを交代し、プレスの強度を再び高めて来ると予想します。マリノスも5枚の交代枠を使いながら相手の強度に呑まれないことが大事です。

かなり長くなりましたが自陣での攻撃はこんな感じです(笑)
川崎のハイプレスに対するマリノスのビルドアップの配置は今節の注目ポイントの一つなので、皆さんにも注目して見ていただきたいです。

・敵陣での攻撃 (川崎の自陣での守備)

まず注目しなければいけないのが、幅を取るWGに対して他の選手がどこで、何人でサポートするかです。川崎を敵陣に押し込むにはこれが重要になってきます。

幅を取るWGに対して川崎はSBとWGのプレスバックで挟んでくるでしょう。この時WGを孤立させないためにWBもしくはOHがWGと並行の位置でサポートするのか、誰がチャンネルを抜けて敵を引っ張り、空いたスペースに誰が侵入してくるのか、ACはどの位置まで関わるのか、0-30分は川崎のWGの選手はプレスバックを怠らず、中盤の選手もしっかり人を捕まえにボールサイドにスライドしてサイドに圧縮してきます。

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※上図で「チャンネルランをしたWBが元々いたスペースを誰がカバーするのか」と書いてありますが正しくはHVです。

サイドにあるボールに対して、人を捕まえる意識の強い川崎の中盤の選手達、サイドにできるだけ川崎の選手より多い人数をかけて、マリノスの選手が動きながら川崎の選手をずらして、空いたスペースを使う攻撃ができると川崎を押し込めるでしょう。

また30-45分など時間が経つにつれて川崎は4-3-3のゾーンで守備をしてくることもあります。

※次から出てくる図全てRWBがNo.33和田となっていますが、正しくはNo.25小池です。

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全体的に縦にも横にもコンパクトです。まずどうやって川崎のFW-MF間に侵入するかですが、両WGは外を切り、CFダミアンは中央を切るような動きを見せます。しかしコースの限定は上手ではありません。またFW-MF間はコンパクトでは無いので、ここでは自由にボールを持てるでしょう。ゼロックスではガンバが川崎のFW-MF間に侵入した時、ダミアンは大声をあげて川崎の中盤の選手に不満そうにしていました。ダミアンは中盤の選手に出てきて欲しいと思っているのでしょうし、中盤の選手は横もライン間もコンパクトにすることを第一優先に考えているので、今節でもここの選手間の修正がされていなければ付け入る隙はあるでしょう。

特にRIHの脇坂は何回も後ろを振り返り、ライン間に人がいないかの確認を常にしています。脇坂のこの意識がかなり強すぎるが故、彼の脇を突かれた時にプレスが遅れる場面もあり、マリノスとしてはここにWBが入り込みボールを引き出したいです。

また川崎のDFラインは高く、横にコンパクトなので、足が速く幅を取るマリノスのWGは優位性を持てると思います。WGを裏に走らせたり、仕掛けさせる攻撃も重要になってくるでしょう。

さらに川崎は自陣深くに押し込まれると両WGが一列下がり、片方のIHが一列前に出て4-4-2のような形もとります。この場面でも全体的に横にコンパクトですが両WGの絞りが甘く、中央が開く場面も出てきます。マリノスは中央を経由してサイドに持っていく攻撃も有効です。また逆サイド(マリノスの左サイド)にボールがある時の三笘の絞り具合、下がり具合ともに甘いです。そこをマリノスは逆サイドからのサイドチェンジを使うのか、中央を経由して逆(三笘サイド)に持って行くのか、中央から斜めのパスで三笘サイドのライン間に侵入するのかも注目です。

・敵陣での守備 (川崎の自陣での攻撃)

川崎もマリノス同様GKから繋いできます。ダミアン目掛けてロングボールを蹴ることもありますが、これは川崎が本来やりたい形では無いでしょう。

まずマリノスは何分までハイプレスで行くのか、川崎がどの位置まで前進してきたらゾーンに切り替えるのかが注目ポイントです。

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川崎のビルドアップはこのような形です。シミッチが左右に動きパスを受けようとすることもあれば、IHが降りてきてボールを受けようとすることもあります。

マリノスはこの状況で、
①GKまでプレスに行くのか
②WGの最初の立ち位置はどこでどこを切りながらプレスに行くのか
③シミッチは誰が見るのか
④降りてくる敵IHに対して誰がどこまでついて行くのか 
の4点を見るとマリノスの狙いが分かりますし、できるだけシミッチやIHがフリーになる状況は作りたく無いです。

川崎後方からのロングボールは全てダミアンを狙ったもので、ダミアンをしっかり抑えれば怖く無いですし、マリノスとしては敵CBから敵IHに縦パスを入れさせて前を向かせず潰す、ロングボールを蹴らせて回収することができれば理想です。

次は川崎が前進した後の敵陣での守備です。

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マリノスは5-3-2のブロックを作るのではないかと予想します。
※マルコスがスタメンでない場合は5-4-1と予想。

両WGが一列下がり内に絞り、中央を締めて川崎に外回しを誘導→WG・WB・HVでサイドに圧縮させに行くという形が基本になると思います。

川崎のサイドの選手にボールが出るまで、マリノスの内に絞る両WGが外の選手に釣られずに中央でどれだけ我慢できるかが重要になってきます。川崎は狭いスペースでも隙があれば構わず縦パスを入れてきますし(特に田中碧は体の向きで相手を騙し、縦パスを入れるのが上手い)、ライン間でボールを受ける選手のターンの技術も非常に高く、マリノスのDFラインが横に絞らなくいけなくなり、大外の三笘のドリブルがより脅威になるので、縦パスは入れさせたくないです。

敵陣での守備はこんな感じです。
キャンプでゾーンでの守備を練習していたということで、ハイプレスなのかゾーンで行くのかの使い分けを時間帯・状況に合わせてできるようになったのは魅力ですね。

・自陣での守備 (川崎の敵陣での攻撃)

敵陣での守備と同じように、自陣での守備陣形5-3-2、サイドに誘導してボール奪取を狙うと予想します。

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注意するべきポイントは敵陣での守備で書いたものに加えてかなり増えます。

「誰かが動いて開けたスペースに他の選手が侵入」を連続で行い敵の守備を崩壊させていく川崎に対して人について行くのか、選手の受け渡しを行うのか、人について行く場合誰がハーフスペース(ニアゾーン)を埋めるのか、ここの対応ははっきりさせておきたい。

②ニアゾーンを取られクロスをあげられた時、ニアにダミアン、マイナスにボールサイドと逆のIH、ファーに逆サイドのWGの計3人が入ってくるが誰が見るのか

③マリノスのWGの選手はどこまでプレスバックするのか(ボールサイドとは逆のWGも含めて)、ボールサイドとは逆の大外にいる川崎のSBやWGをマリノスのWGがどのくらい警戒できるか

④シミッチが左足にボールを置いたときの三笘の裏抜けの警戒、そもそもシミッチにパスを出させないように必ず一人は寄せるのか

⑤川崎の攻撃が上手く回らない時、家長が左サイド(マリノスの右サイド)に流れて人数をかけて崩してくるが、この時のサイドでの数的不利をどうするのか

ここの部分が整理されてるとマリノスが川崎に自由にやられる場面は無くなると思います。

・セットプレー

CK攻撃

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今シーズンもショートコーナーが主流になることが予想されるが、昨シーズンはゴール前に直接入れる回数が多くなったマリノス。

川崎はストーンに2枚置くようにしていて、他はマンツー。
2枚のストーンのうちゴールに近い方に背の高い選手(ダミアン)を置きます。マリノスとしてはダミアンの頭を越えるようなボールを蹴りたいですね。

CK守備

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マリノスはゾーン。川崎はニアに3人中央から飛び込む(ストーンの後ろ)、中央に1人、ファーに2人、こぼれに2人。キッカーはNo.25田中(右利き)、No.8脇坂(右利き)でニア(ストーンの後ろ)に入れてきます。特にNo.25田中の縦回転で落ちるボールは脅威です。

FK攻撃

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川崎は壁1枚、8人が横一列、残りの1人が8人の前に立ちます。
横一列8人とGKの間に鋭いボールを入れられるとチャンスになりそうです。


以上が開幕戦のプレビューとなります。
かなりの長文になりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

前年チャンピオンとの開幕戦を勝利で飾りましょう!!


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