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仏教に関心のある多くの方に読んでいただきたい、おすすめの仏教書・3選

① ナーガージュナ『宝行王正論』

 釈尊が生きたのは、生産力が向上して、富の蓄積や流通がおこり、王族や商人が台頭し、都市が生まれた激動の時代でした。
 インドの宗教の主流のバラモン出身ではない釈尊の支持者も、その王族や商人たちでした。
 仏教が出家者の僧院で伝承されたため、仏教のそのような側面は見えにくくなっていますが、
 古代インドのナーガージュナ(龍樹)が親しい南インドの王のために説いたという『宝行王正論』では、仏教に基づくあるべき政治のあり方、仏教の概説、なぜ大乗経典を認めるべきなのか、などが説かれていて、インドで生まれた仏教の全貌を知ることができます。

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② 空海『秘蔵宝鑰』

 伝統的理解では、仏教は一律の教義に従う教えではなく、奈良時代はそれがバラバラにはいってきた状態でした(南都六宗)。平安仏教の最澄・空海は、中国に渡り、仏教の体系的理解を日本にもたらしました。
 弘法大師空海が、インド・中国から伝わったさまざまな教えを十の心のあり方に対応するものとして体系化した十住心をしるした『秘蔵宝鑰』を読むことで、日本に伝わった仏教の全体像を知ることができます。

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③ 藤木てるみ『妙好人源左さん』

 浄土真宗には、数は少ないですが、阿弥陀仏の救いがわかった!という人が現れ、妙好人とたたえられ、人はどうやってわかったのか、阿弥陀仏の救いがわかった状態がどのようなものかを知りたいため、その人たちを訪ね、聞書が残されました。
 妙好人因幡の源左についてさまざまな人の語るエピソードを漫画化したこの本では、さまざまなエピソードから源左という一人の人物像を作り上げる必要があり、浄土真宗に限らず、仏教に実践的関心がある人の辿る道を描き出すことに成功しています。

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