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ブラッド・ピット出演映画 必見5選


ブラッド・ピット

アメリカの俳優・映画プロデューサー。
日本では「ブラピ」の愛称で親しまれている。
主な作品に、『セブン』、『オーシャンズ』シリーズ、『ベンジャミンバトン 数奇な人生』、『マネーボール』などがある。


ブラッド・ピット

[生年月日]
1963年12月18日(59歳)

[出身]
アメリカ合衆国 オクラホマ州シャウニー

[身長]
180cm

[出演映画(邦題)]
1987 : 『追い詰められて』、『ノーマンズ・ランド』、『レス・ザン・ゼロ』
1988 : 『リック』
1989 : 『ハッピー・トゥギャザー』、『処刑教室-最終章-』
1990 : 『トゥルー・ブルース』
1991 : 『傷だらけのランナー』、『テルマ&ルイーズ』、『ジョニー・スウェード』、『愉快なシーバー家』
1992 : 『クールワールド』、『ザ・コンタクト』、『リバー・ランズ・スルー・イット』
1993 : 『カリフォルニア』、『トゥルー・ロマンス』
1994 : 『ブラッド・ピットのヒミツのお願い』、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイヤ』、『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』
1995 : 『セブン』、『12モンキーズ』
1996 : 『スリーパーズ』
1997 : 『デビル』、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』
1998 : 『ジョー・ブラックをよろしく』
1999 : 『マルコヴィッチの穴』、『ファイト・クラブ』
2000 : 『スナッチ』
2001 : 『ザ・メキシカン』、『スパイ・ゲーム』、『オーシャンズ11』、『フレンズ』
2002 : 『フル・フロンタル』、『コンフェッション』
2003 : 『シンドバッド7つの海の伝説』
2004 : 『トロイ』、『オーシャンズ12』
2005 : 『Mr.&Mrs.スミス』
2006 : 『バベル』
2007 : 『オーシャンズ13』、『ジェシー・ジェームズの暗殺』
2008 : 『バーン・アフター・リーディング』、『ベンジャミンバトン 数奇な人生』
2009 : 『イングロリアス・バスターズ』
2010 : 『メガマインド』
2011 : 『ツリー・オブ・ライフ』、『マネーボール』、『ハッピーフィート2踊るペンギンレスキュー隊』
2012 : 『ジャッキー・コーガン』
2013 : 『ワールド・ウォーZ』、『それでも夜は明ける』、『悪の法則』
2014 : 『フューリー』
2015 : 『マネー・ショート華麗なる大逆転』、『白い帽子の女』
2016 : 『ボヤージュ・オブ・タイム』、『マリアンヌ』
2017 : 『ウォー・マシーン 戦争は話術だ!』
2018 : 『デッドプール2』
2019 : 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、『アド・アストラ』
2022 : 『ザ・ロストシティ』、『ブレット・トレイン』、『バビロン』

[略歴]
 ミズーリ大学在籍時、学位取得の2週間前にふと俳優になることを決意して大学を中退する。
 映画を仕事にするにはハリウッドへ行くしかないと考えたピットは、手持ち325ドルでロサンゼルスへ移り、マスコットキャラの着ぐるみを着たりストリッパーの送迎を務めるなど、様々な仕事をして生活する。
 そこで送迎していたストリッパーの1人が演技レッスンを受けていた影響でロイ・ロンドンに師事した彼は、演技を学び、1987年に『追い詰められて』の端役で映画デビューする。
 その後、映画やテレビへのゲスト出演を繰り返したピットは、1991年の『テルマ&ルイーズ』におけるセックスシンボルとして知名度を上げ、1995年にはピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男性」に選ばれる。
 同年公開された『セブン』にて演技面でも評価されるようになったピットは、賛否両論ありながら多くの映画に出演するようになる。そしてついに、2019年公開の『ワンス・アポン・イン・ア・ハリウッド』にて自身初のアカデミー賞助演男優賞を受賞する。
 俳優や映画プロデューサーとして数々の成功を収めたピットは、慈善活動にも力を入れながら映画界きってのセックスシンボルとして活躍し続けている。

[人物]

・自他共に認めるシネフィル(映画狂)であるピットは、役柄のためならどんなことでもやると、『ファイトクラブ』の撮影に当たって自ら前歯を抜いたことがある。

・本人曰く演技よりもプロデュースの方に楽しみを感じるらしく、「プランB」という制作会社(代表作に『チャーリーとチョコレート工場』、『ディパーテッド』、『マネーボール』などがある)を運営している。

・二度の結婚(ジェニファー・アストリン[2000-2005]、アンジェリーナ・ジョリー[2014-2016])をしており、5人の子供がいる。

・大学時代は建築を専攻しており、インテリアのデザインを趣味で行なっている。

・著名な友人に、ジョージ・クルーニー、マッド・デイモン、ダーモット・マローニー、ジョニー・デップらがいる。

・バラクオバマの遠い親戚である。






 先日公開された映画『バビロン』(BABYLON)を見てきました。

 賛否両論あるこの映画ですが、超大作であることは間違いなく、個人的には圧倒されるほど面白かったです。
 『セッション』『ラ・ラ・ランド』でおなじみのデイミアン・チャゼルが監督を務め、主演にブラピとマーゴット・ロビーを迎えた本作。ワクワクする組み合わせにかなりの期待感を持って映画館へ行ったのですが、その期待を優々超えるほど、スケールの大きさと目まぐるしい展開が凄まじい作品でした。

 中でも主演の一人ブラッド・ピットは還暦間際だというのに色気ムンムンで、酒池肉林が描かれる本作において一際輝きを放っていました。(一体いつまでモテれば気が済むんでしょう...。)


 今回は、そんなブラピの出演する映画の中で、個人的に大好きな作品を「必見5選」と称して紹介したいと思います。(好みに偏りがあるのはごめんなさい)


 (余談ですが、最近『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』『RRR』『バビロン』と超大作を続けて鑑賞したおかげで、“3時間越え映画見たい欲”が高まってしまいました。おすすめの長大作品があったら教えてほしいです...。)


         ***








① セブン


 『セブン』(SE7NE)は、1995年に公開されたアメリカのサイコ・サスペンス映画です。

 キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした猟奇殺人事件を描き、世界中で大ヒットを記録した本作は、“鬼才”監督デヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットが初めて顔を合わせた作品でもあります。

 目を覆いたくなるほどの残忍な殺人現場と狂気的なシナリオは、多くの視聴者を震え上がらせました。フィンチャーは本作をホラー映画だと捉えており、その狂気性を演出するためにかなりのこだわりを見せています。

 特に、残り二つの大罪を犯した人物が判明するラストシーンは極めて強烈でした。そのあまりにも残酷な結末は、映画会社から別の案に置き換えることを強く提案されていましたが、脚本のアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーとフィンチャーはバッドエンドにすることを曲げませんでした。
 その結果、ブラッド・ピット演じるミルズの悲しすぎる結末がスクリーンに映し出され、世界中の人々へかつてない恐怖を与えることとなりました。



 映画『セブン』は内容もさることながら、その撮影背景も強烈です。

 まず、この狂気的なシナリオを書いたアンドリュー・ケヴィン・ウォーカーは、常態的に犯罪が横行する街ニューヨークで過ごした自身の鬱屈とした思いを、数年かけて『セブン』の脚本に落とし込みました。そしてその脚本を読んだデヴィッド・フィンチャーが衝撃を受けたことにより映像化されるのですが、当時の彼は長編デビュー作『エイリアン3』の大失敗で意気消沈しており、「新たに映画を撮るくらいなら大腸ガンで死んだ方がマシだ」と一年半もの間送られてくる脚本に一切目を通しませんでした。
 つまり、最も重要な制作者である二人が精神的に病んでいるところから、『セブン』は始まっていたのです。

 主演のブラッド・ピットも、ミルズを演じるにあたって大変な気合いを見せました。作中でミルズが左腕を怪我している描写がありますが、あれは実際にピットが骨折をしています。アクションシーンでスタントマンを使わなかった為です。

 この作品においてピットはそれまでのセックスシンボル的な役ではなく、悲劇的な主人公を演じることになりました。その精神を削った演技は高く評価され、彼は俳優としての幅を広げていくことになります。









② ジョー・ブラックをよろしく


 『ジョー・ブラックをよろしく』(MEET JOE BLACK)は、1998年に公開されたアメリカ映画です。

 本作においてブラッド・ピットは二枚目に徹しており、死神という設定ながら、お茶目で愛嬌のある美青年を演じています。

 若かりし頃のブラピが見れる作品の一つとして人気なこの映画ですが、撮影時の彼は35歳で、普通であればおじさん俳優と呼ばれてもおかしくない年齢でした。しかし、そうと言われなければ20代前半として十分通用してしまうほどの甘いルックスと爽やかな振る舞いのおかげで、見事に美青年キャラクターを演じきりました。

 ただ、35歳という年齢が彼の演技に大人の色気と紳士的な印象を与えていることも間違いありません。
 特にコーヒーショップでブラピが見せたスマートすぎるナンパは、何回も巻き戻して見たくなる本作きっての名シーンです。



 『ジョー・ブラックをよろしく』は、ブラッド・ピット演じる死神ジョーが死期の迫った資産家ビルに人間世界を案内してもらい、その途中でビルの娘スーザンと恋に落ちるというあらすじです。

 賛否両論あるこの設定ですが、個人的には死神が人間と恋に落ちるというシチュエーションはかなり難しく、本作においては必要ないように感じました。

 「死神と人間の恋」はそもそも矛盾している為、必ず結末が悲しいものになってしまうという点は避けられないし、死というシリアスさと恋愛の甘い雰囲気とのバランスがとりづらく齟齬が生じやすい点も、このシチュエーションが難しいと考える理由です。

 似たような作品に韓国ドラマの『トッケビ』がありますが、あれは死神世界の設定をかなり細かく描いていて、全体としてもコメディ風に仕上げていたため特異な設定が成り立っていました。
 『ジョー・ブラックをよろしく』の場合は、上品な雰囲気かつ主演の二人がうっとりするほどの美男美女ですから、十分ブラピとクレアの純愛物語として楽しめたように思います。
 ただ、死神の設定が全くダメだったかと言われると決してそうではなく、あまりにも二人の演技が素敵すぎたため、人間同士の恋愛として見てみたかったなという私のささやかな願望です..。










③ ファイトクラブ


 『ファイトクラブ』(FIGHT CLUB)は、1999年に公開されたアメリカ映画です。

 『セブン』に引き続くデヴィッド・フィンチャーとブラピのコラボ。二人は後の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』でもタッグを組むほどあつい信頼関係で結ばれています。

 『ファイトクラブ』は、フィンチャーらしい皮肉に塗れた映画です。物に溢れた消費社会や資本主義社会に対する語り手の憤懣を、美容整形で捨てられた脂肪から作る石鹸や、ビルの爆発、あらんかぎりの暴力を以て痛切に描き出し、批判しているように見えます。

 さらにフィンチャーは、この映画を見て“消費“する私たち視聴者をも、最後に挟まれる男性器のサブリミナル映像を以て皮肉っています。
 彼は映画を作りながら、そのくだらない映画が生み出すあらゆる世俗的な反応を予期していたのです。

 それら全ての皮肉は、映画の冒頭に出されるタイラーからの警告文に要約されています。↓

 もし、いまこれを読んでいるなら、この警告は全て君に宛てたものだ。この役立たずな高画質の画面で全ての文字を読んでも、君の人生はさらに無駄になるだけだ。他にすることはないのか?いまの瞬間をより良く過ごす方法を考えられないほど、君の人生はからっぽなのか?それとも、君が尊敬と信頼を抱く権威に感銘を受けちゃってるのか?君は読めと言われたものをすべて読むのか?考えろと言われたことをすべて考えるのか?買えと言われたものをすべて買うのか?部屋を出ろ。異性に会え。過度の買い物とマスターベーションを止めろ。仕事を辞めろ。戦いを始めろ。生きていることを証明しろ。もし君が自分の存在を主張しないなら、君は統計データの一つになる。警告は以上だ。


 この映画においてブラッド・ピットは、語り手(僕)が作り出した理想の男性像タイラーを演じています。
 くだらない社会のルールに縛られず圧倒的なカリスマ性をもって自由を振りかざすタイラーの姿は、幻影であることの不気味さも相まって爽快でありながら狂気じみています。
 愚直に「生」を求めて突っ走る彼の姿はとにかくカッコよく、現代社会に生きる私たちに強烈なインパクトを与えました。心のどこかでタイラーに対する羨望を感じた人も多いのではないでしょうか。

 特殊な設定であるため二回以上見ることをオススメするこの作品。公開から20年以上経った今でも、私たちに向けて重要なメッセージを送り続けています。










④ イングロリアス・バスターズ


 『イングロリアス・バスターズ』(INGLOURIOUS BASTERDS)は、2009年に公開されたアメリカの戦争映画です。

 クエンティン・タランティーノが脚本と監督を務めたこの作品は、公開後次々ヒットを記録して3億ドル以上を稼ぎ、『パルプ・フィクション』を超えるタランティーノ映画最大のヒット作となりました。

 タランティーノの映画愛が随所に散りばめられているこの作品。ナチス占領下のパリが舞台になっており、五章立てのエピソードを通してシリアスかつ痛快な映像が続きます。
 各章はタランティーノの好きな映画をイメージしているらしく、異なるタッチの映像が繋ぎ合わさって一つの作品にまとめられています。タイトルの『イングロリアス・バスターズ』も、カステラーリの戦争映画『地獄のバスターズ』にインスパイアされたものです。

 本作最大級の見どころはやはり、ナチスを映画館に閉じ込めて燃え尽くすラストシーンだと思います。タランティーノが自分でも惚れ惚れすると語るこのシーンは、ナチスがフィルムプリントで殺された皮肉に加え、映写室で交わされるやりとりや作戦の犠牲となった人物のこと思うと、爽快かつ悲劇的な結末です。

 タランティーノはこの映画について、「ものすごくロマンティックな映画になった」と言います。彼らしい諧謔センスと映画愛に溢れたこの映画は、第二次世界大戦を描く新しい趣の映像を世に送り出しました。


 ブラッド・ピットは作中で、ドイツ人を血祭りに上げることを任務とする秘密組織「バスターズ」を指揮するアルド・レイン中尉を演じています。

 ナチスすら恐れる組織を率いるだけあって、レインのキャラクターは冷酷非道です。生き残りドイツ兵の額にハーケンクロイツ(ナチスのマーク)をナイフで刻み込むシーンや動物病院で拷問を行うシーンなんかは特に印象的でした。

 平和の敵であるナチスを痛めつけていることと、粗野で皮肉の効いたユーモア、威圧感ある振る舞いなどが相まって、レインは怖いものなしのヒーローに見えます。しかし、存在自体が秘密であることと決してヒーローとは言えないやり方から、彼らはあくまでInglourious Basterds(正しくはInglorious Bastards)「名誉なき奴ら」として暗躍しているのです。










⑤ ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド


 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD)は、2019年に公開されたアメリカとイギリスの映画です。

 タランティーノが監督を務めたこの映画。出演者にディカプリオとブラッド・ピット、マーゴット・ロビーを迎え、2時間40分の長尺に映画愛とハリウッド愛を詰め込んだ本作は、つい先日公開された映画『バビロン』と酷似しているように思えます。

 俳優でスタントマンのとある人物と撮影を共にした際、今作のアイディアが浮かんだというタランティーノ。
 彼は1969年にアメリカの女優シャロン・テートがカルト集団に殺害された実際の事件をモデルにして、ハリウッドとヒッピー文化の変容をユーモア&皮肉たっぷりに描き出しました。

 その悲劇的な結末はタランティーノの手によって、実際とは異なる恐ろしく皮肉の効いたものになっています。
 ディカプリオとブラピ、そしていかれたヒッピーたちが大暴れするラストシーンはかなり衝撃的でした。


 本作においてブラッド・ピットは、将来に不安を感じるハリウッド俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)の親友で、彼のスタントマン兼世話係であるクリフを演じています。
 同じ時代、同じ世界を生きてきた二人は、作中においてまさに相棒のような関係です。


 ディカプリオとブラピは、似たような歳の取り方をしているなぁと思います。
 若い頃は甘いマスクでスマートな美青年キャラを演じることも多かった二人は、歳をとるにつれて、タバコやドラッグを常用する筋骨隆々の男臭い役が多くなりました。
 いずれにせよ二人がハリウッドのセックスシンボルであり続けていることに変わりはありませんが、セクシーさの上に足された圧倒的な貫禄は、作品を重ねるごとに凄みを増しているような気がします。

 今作においてブラピが演じているクリフは、構想段階においてトム・クルーズが演じるのではないかと報道されていましたが、最終的にタランティーノはピットを選びました。トム・クルーズが演じるクリフにも興味はありますが、今作の雰囲気的にはブラピがハマり役だったように感じます。
 何より、ディカプリオとブラピが同じ画面に映った時の迫力がすごすぎました。












 圧倒的なカッコよさで私たちを魅了し続ける俳優ブラッド・ピット。今回紹介した5本のみならず、彼の出演する映画には面白い作品がたくさんあります。

 まだ見たことのない方はぜひ視聴してみてください。







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