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「戦略計画」の話

 戦略計画とは、メンバーや貢献者の願望のリストではない。実際の世界の動きとともに、また計画の時間枠で組織内外に生じる変化を考慮に入れた、現実的な計画である。戦略計画を策定するためにおそらくもっとも大切なことは「自分たちの組織にとって何が望ましいのか?」と組織内に目をやることだけではなく、自分たちの非営利団体の将来や使命遂行に影響を与えそうな外部の勢力や動きにも目を配り、理解することである。

スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著(枝廣淳子訳)、『みんなのNPO 組織づくり・お金づくり・人づくり』(21頁)、海象社、2005

よく練られた戦略計画には、環境の変化にどう対応するかについての考え方も含まれている。組織のリーダーは、プランニングのプロセスで、以下の点について考えてみる必要がある。
・この組織の本質は何か。この組織がユニークなのはなぜか。
・メンバーの中核的な価値観や信念は何か。
・組織の使命は何か。奉仕する対象はだれか。その人たちは何を得ているのか。使命は改正すべきか。
・この組織が最も得意なのは何か。そしてそれは世界で求められているものに、どのように関係しているか。
・この組織の強みは何か、弱点は何か。
・組織の成功の鍵を握っているのは何か。
・鍵となる要因のうち、現在の環境で変化しているのは何か。そして競合相手は何をしているのか。
・どうすれば組織は、メンバーや社会の生活に真に役立つことができるか。
・今後三年間を考えたときに、どのような活動を企画し実行すれば、価値があるだろうか。五年間では?
・戦略を実行するために、何をすべきか。

スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著(枝廣淳子訳)、『みんなのNPO 組織づくり・お金づくり・人づくり』(22頁)、海象社、2005

戦略計画がうまくいかない理由
・・・
・メンバーや貢献者のアイデアや願望がすべて盛り込まれている。あまりに多くのアイデアが含まれているため、実際のポイントがはっきりしない。
・「願望リスト」は、実世界で現実的に何が起こっているかを考慮せず、組織の創立以来、環境や組織が変化してきたことを認識していない。
・現在および予期される資源(人材・資金)に照らし合わせて、戦略計画をチェックしていない。
・事務局やリーダー、スタッフが、計画にコミットメントしていない。
・戦略計画を実行するための運用計画が策定されていない。したがって、計画が遂行されない。
・リーダーが変わると、新たなコミットメントを得て戦略計画を継続する仕組みがない。したがって、やはり計画は実行されない。

スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著(枝廣淳子訳)、『みんなのNPO 組織づくり・お金づくり・人づくり』(23-24頁)、海象社、2005

戦略的に考える人は、先手を打って行動し、外部に焦点を当て、将来のビジョンをもとに意思決定を行う。他方、従来型の考え方の人は、事が起こってから反応し、組織内の活動だけに焦点を当て、過去に基づいて将来に関する決定をする。戦略的に考えれば、枠を超えて、創造的な考えや活動ができる。戦略的に考えることで、組織は過去を振り返るのではなく、将来を形づくっていくことに焦点を当てられる。

スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著(枝廣淳子訳)、『みんなのNPO 組織づくり・お金づくり・人づくり』(26頁)、海象社、2005

ファシリテーターは、参加者が尊敬している人や、尊敬するであろう人がよい。

スミス・バックリン・アンド・アソシエイツ著(枝廣淳子訳)、『みんなのNPO 組織づくり・お金づくり・人づくり』(28頁)、海象社、2005


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