「ラグビーってよ、どうして前にボール投げちゃいけないか知ってるか？」
「うーん、知らないっすね。どうしてですか？」
「実は俺も知らねーんだ」
「だったら聞かないでくださいよ」
「スマン。でもよ、前にボールを投げられたら簡単でつまらなくねーか？」
「そうすか？」
「簡単な人生はつまらねー。ラグビーって俺にそう言ってるような気がするんだよ」
「ラグビーボールが変なカタチしてるのも、人生どこに転ぶか分からないってことですかね」
「お、そうかもな。お前、いいこと言うなぁ」
「でも、先輩」
「ん？」
「簡単でつまらなくていいから、人生成功したいっす」
「おまえ」
「すんません」
「ぶっちゃっけ俺もだよ」
「そうすか！やっぱりそうですよね！」
なんて会話を想像したベンチでした。