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音を楽しむためだから

どれだけ聴き心地の良く、リラックスできる音楽を提供されたとしても、聴くタイミングを削ることにした。

この頃朝は、町の人工的な音をかき消すために、リラックスでき、お気に入りの曲を毎朝いくつか聞いていた。
だが朝の初っ端に5曲も聞いて1日を過ごすと、ずっと疲れていることに気づいた。
芸術的な音を楽しむためではなく、環境を捻じ曲げようとする自分の完璧主義的な欲望の矛先として扱っていたことに気づいた。
こんなことで朝から生活を濁すわけにはいかないと思い、最近はむしろ町の音に耳を傾けている。

近所の知人が車を動かす音、シャッターをがらがらと開ける音、そして、そんな中でも耳をすませば入り込んでいることに気付く、鳥の歌や虫の声。
じっくりと耳を傾けることで、今日一日の始まりを喜ぶことができている。

では音楽を全く聴くことは無くなったのかといえばそうではなく、夜に寝ころびながら聴き入り、完全に瞼を閉じる寸前で音楽を止め、こんどは夢の中へ入り込んでいく。


まだ騒音の聞こえぬ07:15。

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