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欲深い自分を納得させる

良い意味でゆるく、されど自分を活かす。
この理想像に必要なのは、逆説的な言い方だが、理想幻想ではなくあくまでも現実と自己を引き合わせることにあるんだと考える。

消費の魔窟へ入ると、知らぬ間に、自分の平均・基準・そして理想が勝手に上昇するという魔法にかけられる。
あくまでも、その洞窟に訪れる盲目な探検家たちの平均装備が並べられているのであって、自分にとって、たとえば懐中電灯や長靴が必需品だとは限らない。
そういった平均的な品物を、さも絶対に買うべきかのような風潮も不思議に思う。

平均的なものが平均的にいつでも手に入る、考えてみれば不思議なことだ。

植物図鑑 有川浩著


一方で、人間から欲望を取り除くことはもはや不可能とも感じている。
欲はたぶん、群れの中のボスとして君臨し、子孫を多く残すために備わったものだと思う。
それが今顕著に現れるタイミングが、物を買う時の判断にあるのだろう。

力が足りないとか、今はその気分ではないとかで、欲を諦めることも出てくるが、若干の後悔とともに新しい選択・人生が拓かれる。
諦めるの元来の意味は「明るく見る」だから。

諦めは敗北ではない。新しい生き方へのスタート。

ある精神科医の言葉

落葉樹が色づき始めた。
殺伐とした諦めに、明るいきっかけが差していくようだった。

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