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鳩と友だちに

私にとって、いろいろな学びとなっている「鳩」。
通勤途中または昼休みに、同じ群れの鳩たちを目にすることが当たり前のようになったこの頃。
その中の一匹にひときわ親近感を覚えたので、どうにかして近づきになりたいと思うようになった。

朝、出勤前には彼を探して目の前まで向かい、昼は手軽な優しいパン(もはや自分よりも鳩の心配をし、成分の優しいパンをこしらえた)を彼とともに頂いた。


そんな試みが続いたある日、もう自分を見るや否や彼がいの一番に来るようになった。
いつも臆病そうに、しかし近寄りたげに私を見つめていた彼だったが、その日は突然、腕の上に乗ってきたのだ!

これは何も足場が無かったからだとか、降りる所を見失ったからだというような偶然ではなく、それより前にじろじろと私の図体を観察しながら周りを徘徊し、満を持して飛び立って来たのだった。


このことを論理的に言えば、おそらくパンに含まれる砂糖などによる超正常刺激を覚えたのであり、餌をもつ人間は誰でも良いという身も蓋もない話にはなるが、ここは柔和に「友達になれた」と解釈しておきたいものだ。


久しぶりに心底湧き上がる嬉しさを胸に、自分の持ち場へ戻った。


ここまで鳩と親密になったことは
今までに無かったからこそ、
この日の事は驚喜の出来事として
数十年先も記憶に残り続けそうだ。

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