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仏教の世界観(2)ー心の調和が取れた状態とは


仏教が説く心の構造ー五蘊・唯識論

「精神の調和」を考えるために、仏教が人間の精神と物質的世界の関係性についてどのように捉えているのかを見てみましょう。

大本となるのはお釈迦さまが人間を分析して説かれた「五蘊(ごうん)」の考え方です。
五蘊については下記の記事に書いてあります。

この理論により明らかにされているのは、人の認識は極めて個人的で、世界をあるがままに捉えているわけでないということでした。

この「五蘊」で示された内容をさらに発展させたものに「唯識論(ゆいしきろん)」という理論があります。唯識論は二〜三世紀頃に体系化された、心の仕組みを解き明かそうとした学説、いわば仏教の心理学です。

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