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リアルアバターのリアル

本記事はCluster Creator #2 Advent Calendar 2022の12月24日の投稿記事です

リアルアバターってなに

みなさんはリアルアバターをご存知でしょうか? clusterやVRChatでは使っているユーザーが少ないので見かけたことがない人がほとんどかもしれません。有名どころではジョイマンの高木さんのアバターがバーチャルジョイマンタカギとして配布されています。

リアルアバターとはこのように現実の人間の姿を3Dスキャンやフォトグラメトリといった技術を使いアバターにしたものを言います(たぶん) また僕は自分を3Dスキャンしたものを使っていますが、リアルアバターを公開している方もいるため、リアルアバター=現実の当人であるとは限りません。

筆者のアバター(cluster内にて)

リアルアバターのつくりかた

リアルアバターを作成するにはなんらかの方法で現実の生身の肉体をデジタルデータに取り込む必要があります。ざっくり分けると、3Dスキャナーを使うか、フォトグラメトリを使って作成する方法があります。しかし最近はAIを使って少ない枚数の写真からデータを作成する方法もあるようです。気になった方はぜひ調べてみてください。

僕はリアルアバター株式会社で作ってもらいました。個人向けのリアルアバター制作を大々的に請けてくれるのは今現在(2022年12月)ここだけではないかと思います。価格も1万5千円程度なのでかなり良心的なお値段だと思います。一時AVATARIUMという会社がプリクラのような装置でリアルアバターを作成できるサービスを行ってしたようでしたが、現在は一般公開されていないようです。

注意点として、リアルアバターを制作したそのままの状態ではリップシンク(マイク使用時の口の動き)がありません。これは手間のかかる作業なので上記のリアルアバター制作会社に依頼すると追加料金が発生します。自分でやってみるのもモデリングソフトの勉強になるかもしれません。

またスキャンの際にメガネのように透明なもの、細いパーツのあるもの、他にも光沢のあるものや反射の少ない黒いものなどはうまくスキャンできません。3Dスキャンもフォトグラメトリもどちらもその傾向があります。僕はメガネに関しては別途Blenderでモデリングして装着させています。AIで生成する方法ではこうした弱点をカバーしているらしいです。

リアルアバターをつかうワケ

Oculus Questを買ったばかりの頃、リアルアバターではない普通のアバターを使っていました。最初から使えるアバターをいろいろ試したのですがしっくり来ず、たまたまイベントで作ったリアルアバターが手元にあったのでつかってみたところしっくりハマった感覚がありました。

いつかのMakerFareTokyoでスキャンしてもらった最初のリアルアバター

リアルアバターを使うと身長も見えている腕も自分のものになるので、現実と地続きな身体感覚が得られます。写真を撮れば現実の自分がバーチャルの世界に入り込んだかのような絵になります。見ようによってはこの体験がもっともバーチャルな体験と言えるのではないでしょうか?(異世界転生的な)

今はリアルアバターを使うユーザーが少ないため覚えてもらいやすいというメリットもあります。自分のアバターを使ったワールドをいくつか作っていることもあり、初めましての方から「お前を知っているぞ」と言われることもありました。

ただしデメリットもあります。リポトロジー(アバターのメッシュの流れをきれいにすること、めんどくさいです)をしていないとメッシュがぐちゃぐちゃなためLODがかかったときに全身がうまく表示されなくなります。通常のアバターだとLODがかかっても描画品質が落ちてるように見える程度ですが、リアルアバターだと崩壊して見えます。僕はめんどくさいのでしていません。

また見た目は完全な一般人なのでかわいくもかっこよくもないです。人型のアバターだと等身が美しいのがデフォルトだったりしますが、僕はリアルアバターなので露骨にスタイルが悪いです。

clusterでのフレンドとのやりとりを描いた4コママンガ

おわりに

上にも書きましたが、リアルアバターを使ってバーチャル空間で過ごすことは唯一無二の体験です。HMDをかぶって自分の体を見たとき、そして撮影した写真を見返したときにバーチャル空間に生身で入ったかのような不思議な感覚を楽しむことができます。顔がバレるのが恥ずかしいという方はアクセサリーなどで隠すのもありだと思います。

いきなりリアルアバターを作るのはハードルが高いという方で、Blenderなどのモデリングソフトを触れる方は人型の素体にご自身の写真を貼り付けて見るのもありかもしれません。下記の配布しているアバターはその方法で制作しました。

clusterやVRChatなどのメジャーなメタバースでは”いわゆる”アバターやハンドルネームを使った匿名性のあるコミュニーケーションが主流となってます。かくいう僕もユーザー名は本名ではありませんが、匿名性を使わないという選択肢をとることでどうなっていくんだろう、ということに興味があります。時間をかけて確かめてみるつもりです。

この記事を通じて一人でも多くの方がリアルアバターに興味を持っていただけたら幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。


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