この恋に名前なんていらない
人はすぐに、名前を付けたがる。気持ちにも、事象にも、関係にも。
例えば、恋。
例えば、愛。
例えば、不倫。
例えば、カップル。
例えば、夫婦。
例えば、家族。
そうした名前は常に、「常識」や「理想」、「偏見」を携えてやってくる。
「恋とは、こういうもの」
「不倫とは、こういうもの」
「夫婦とは、こういうもの」
「家族とは、こういうもの」
こうした名前が私たちに降りかかってくると、私たちは時に苦しくなってしまう。
なんで苦しくなってしまうのだろう?
今この瞬間の自由な感覚が名前に押し込められてしまうから。そうして自由は窒息する。
*
この恋に、名前なんていらない。
「恋」という名前すらいらない。
私はただ今、この暖かくて、切なくて、まろやかで、甘くて、酸っぱくて、突き刺すような、でも包まれる感覚に、浸っている。
それでいい。
それだけで十分。
それ以外に何が必要なの?
この恋に、名前なんていらない。
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