紺野莉多|小説家・恋愛エッセイスト

読む人の運命を加速させる恋愛小説「The story is Love」を気まぐれ連載中…

紺野莉多|小説家・恋愛エッセイスト

読む人の運命を加速させる恋愛小説「The story is Love」を気まぐれ連載中|たまに「140字の恋愛小説」もつぶやきます|フォロー・フォロバしてくれたら飛んで喜びます

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1. Yurika - Prologue -

冬の空。息が白い。 今から私は、ある人に会いに行く。そこで私は、告白される。 東京の夜は明るい。ビルと、車の灯。 * 今私は、分岐点に立っている。目の前には二つの分かれ道。標識はない。地図もない。誰もどちらが私の幸せなのか、教えてくれない。 あれは10ヶ月前。春だった。私は結婚も考えていた大好きだった彼氏に、浮気をされた。 目の前で土下座をする彼。何回謝られただろう・・・ だけど私の心は動かなかった。 「ゆりかが仕事ばっかりで相手してくれないし、LINEもどん

    • 【最新話】3. Naoki Part 2

      最初のお話👇 前回のお話👇 「初めまして。直樹(なおき)といいます」 「初めまして。友利花(ゆりか)です」 2人の会話は少し控えめに始まった。そしてお互いの温度感をとてもゆっくりと確かめるように、少しずつ周辺に及んでいった。 趣味について、好きな食べ物について、お互いの仕事について。 こんな時、ボクはどこまで踏み込んだ質問をしていいのかわからなくなってしまう。 「友利花さん、料理するのが好きなんだ」 「はい」 「お酒も結構飲むの?」 「いえ、お酒は少しだけ・・・」

      • 顔を預ける君の熱。 吐息が背中に触れるたび、僕は君を連れ去りたくなる。 君の腕が、僕に絡まる。 この手が、腕が、体温が、いっそ僕の一部だったら。 君が僕で、僕が君で。 そんな風に溶け合ってしまえば、もう何も、怖くないのに。 冷たい風が、僕らの隙間を通り抜けた。

        • 「愛してる」 この言葉は、使わない。 重たく響くこの音色が、私を縛ってしまうから。 「愛してる」って言わないで。 そうじゃなくて、「愛」が陳腐に感じるほど、傷つけ合うの。 泣いて、笑って、泣いて、泣いて。 それでいいの。 「愛」が壊れるほど、愛し合うの。

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        • 顔を預ける君の熱。 吐息が背中に触れるたび、僕は君を連れ去りたくなる。 君の腕が、僕に絡まる。 この手が、腕が、体温が、いっそ僕の一部だったら。 君が僕で、僕が君で。 そんな風に溶け合ってしまえば、もう何も、怖くないのに。 冷たい風が、僕らの隙間を通り抜けた。

        • 「愛してる」 この言葉は、使わない。 重たく響くこの音色が、私を縛ってしまうから。 「愛してる」って言わないで。 そうじゃなくて、「愛」が陳腐に感じるほど、傷つけ合うの。 泣いて、笑って、泣いて、泣いて。 それでいいの。 「愛」が壊れるほど、愛し合うの。

          「好きと言って」 君がそうせがむたび、僕はうつむき気味に「好き」と言った。 君を見る。ほんの少し、不服そう。 でもその奥には、隠しきれない恋がある。 僕の声。「好き」の言葉。空気に溶け込むその全てを味わうような君の照れ笑い。 僕は「好き」という度、君を好きになる。

          「好きと言って」 君がそうせがむたび、僕はうつむき気味に「好き」と言った。 君を見る。ほんの少し、不服そう。 でもその奥には、隠しきれない恋がある。 僕の声。「好き」の言葉。空気に溶け込むその全てを味わうような君の照れ笑い。 僕は「好き」という度、君を好きになる。

          3. Naoki Part 1

          最初のお話👇 前回のお話👇 飲み会からの帰り道。ボクは友利花(ゆりか)さんとの会話一つ一つを、今ぼんやりと思い出している。 飲み会は会社の後輩が企画をしてくれたものだった。 「先輩、なんか最近女っ気ないので企画しますよ」そう言って。 確かにボクは、もうかれこれ2年近く彼女がいなかった。 欲しくないわけではなかった。けど別に焦ってもない。 「先輩、あと1年もしたらアラフォーなんだからそろそろ焦った方がいいですよ」後輩はいつもちょっとだけ生意気だ。 「いやいや35歳を

          桜舞い散る春の風。 新しい門出と、別れの香り。 あなたと別れたのも、春だった。 「君のことが大切だから、別れないといけない」 そう言うあなたは涙ぐみ、私はただ頷き、受け入れた。 ———もしあの時 泣いてそれを拒んだら、今もあなたは、私の隣にいるのかな。

          桜舞い散る春の風。 新しい門出と、別れの香り。 あなたと別れたのも、春だった。 「君のことが大切だから、別れないといけない」 そう言うあなたは涙ぐみ、私はただ頷き、受け入れた。 ———もしあの時 泣いてそれを拒んだら、今もあなたは、私の隣にいるのかな。

          雨が降ると、私はいつもあの人を想う。 「好きなだけ、濡れたらいいんだよ」 彼はそう言って傘を投げ出し、私の手を掴んだ。 私の中の「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」そうしたものが、全て雨と一緒に流れていった。 雨が降ると、私はいつもあの人を想う。私を自由にした、あの人を。

          雨が降ると、私はいつもあの人を想う。 「好きなだけ、濡れたらいいんだよ」 彼はそう言って傘を投げ出し、私の手を掴んだ。 私の中の「こうしなきゃ」「ああしなきゃ」そうしたものが、全て雨と一緒に流れていった。 雨が降ると、私はいつもあの人を想う。私を自由にした、あの人を。

          目次

          1. Yurika - Prologue -2. Kota - Prologue -3. NaokiPart 1 Part 2 Part 3 (今後公開予定です) これ以降の目次は順次更新していきます

          2. Kota - Prologue -

          前回のお話👇 木々の緑が、風に揺られている。そうか、世界には、色があったんだ。思えばこの当たり前の事実を心から味わえたのは何年ぶりだろう。 僕はたった今終わった電話の余韻を味わいながら、ゆっくりと道を歩いていた。 マッチングアプリで出会ったある女性。 その女性の声はどこか懐かしい感じがした。 テキストから想像していた声と、電話から聞こえる声。それは彼女が言う通り、確かに違っていたけど。 「私、自分の声、好きじゃないんですよね。なんだかギャップがすごくて」 そんなギ

          The story is Love|読む人の運命を加速させる恋愛小説

          あらすじ———僕たちは出会ったんじゃない。出会ってしまったんだ。 洸太、友利花、直樹。 三人の運命はそれぞれの想いを超えて、時に残酷に交錯し合う。 「恋愛」として現れる表層と深層を描いた実話にもとづく恋愛小説。 何が正解で、何が幸せなのか。 その答えは読者一人ひとりに委ねられる。あなたの運命を加速させる物語。 著者紺野莉多|小説家・恋愛エッセイスト どうして小説を書くことになったの? 2022年あたりから、私の人生は大きく変わりました。 いや、「変わってしま

          The story is Love|読む人の運命を加速させる恋愛小説