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服部文祥「サバイバル登山入門」、「アーバンサバイバル入門」を読んだ

服部文祥「サバイバル登山入門」、「アーバンサバイバル入門」を読んだ。
偶々図書館で手に取ったコリン・ウィルソン「アウトサイダー」も読んでいるがそっちはあまり読み進んでいない。

服部文祥さんはyoutubeの動画を見るとワイルドなひとだなと思っていたが、思ったよりきちんと生と死と食べることについて考えていて、真面目なひとなんだなと思った。ただ、同時に自足して食べること、生きることができるのであれば満足できている、ということなのであれば、彼自身はアウトサイダーではないんだな、とも思った。

しかし、本にはサバイバル的に生活することで満ち足りていると書いていても、実際のところは本人自身も「これが好きなことなのか」分かっていないままに仮象のものとして、やりたいこと、好きなことに向き合っているのかもしれない。そのことを下記のインタビューや、blogosの北野武の記事を読んで思った。

―今って「好きなことが分からない」という人も多いと思うんです。
みんなそうですよ。何かひとつを選び出すのは怖い。
―好きなことが見つからないから動けない。動けないからモヤモヤしてイライラもたまって……。
時間だけが過ぎていく。もちろん1億2千万人全員が、何か一芸に秀でているっていうことはないです。
 無理かもしれないことは自分が一番よくわかってるんだけど、それでもやるのが大事なんだよね。「他人からの評価」じゃなく、自分が決めたところに向かっていく。そう考えることができれば、どんな小さなことでも、それだけで「生きていく理由」になるんじゃないか。
 もしかしたら、この歳になって小説を書き出したのも、そういうことなのかもしれない。
 やっぱり歳を取ると、アドリブが利かなくなるんだよ。「このタイミングでコレを言えばウケる」って、自分じゃ「間」も「言うべきこと」も全部わかってるのに、言葉が出てこない。昔、ジャンジャン漫才やってるときは、考える前に言葉がスラスラあらゆる状況で出てきたんだけど、今はそうはいかない。
 だけどそれに絶望している暇はない。文章なら、書き直したり、推敲もできるからね。小説は、そうやってひとつひとつ積み上げていくことができる。今はそれがとにかく楽しいね。
どんなに小さなことだって構わない。そうやって「自分の中でコツコツ積み重ねていくこと」──もしかしたら、それがこんな時代を悲観せず、生き抜くヒントになるんじゃないだろうか。

やはり内発的に自分がこれだと感じたことを続けてゆくこと、それしかないのだなと嘆息しながら思った。

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