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「24」の(オチのない)謎

 オチも何もない話で、解決を見ないままこれから眠りにつこうとしているが、これは2023年8月30日の日記である。
 夜、市営地下鉄に乗ったら途中から乗ってきた客が前の席に腰をおろし、新聞を広げた。
「24日に処理水放出決定」
読売新聞の見出しにそう見えたので、
「えっ」
と思った。6日前に処理水放出は行われている。新聞の日付を見ると8月22日の新聞である。
 普通電車の中で広げる新聞というものは当日のものだろうとこれまで思っていたけれど、バックナンバーが読まれていることに意表をつかれた。
 ふと、もじゃもじゃ頭、黒縁眼鏡のその人の頭上を見ると、オリックスバファローズの紅川選手の写真が窓に貼ってある。そして彼の背番号「24」の数字。
 24日に処理水放出が決定したという過去の新聞の上に、背番号が24の選手、あと一押し、あともうひとつ24を表すサインがあったら、これは何かの暗号かと思えたのだけれど、残念ながら決め手はなく、地下鉄を降りて1日は24時間だよなと思いながら家に帰った。
 22日の新聞、の22は無視して、見出しの中の24に注目してそれを背番号の24と結びつけるのだから、人は目から入るランダムな?情報を無意識に意味づけようとするものなんだなと思った。
 あとひとつ、24を表すサインが示されていたら、ぼくは何かのお告げを聞いたと思い、神を信じただろうと思う。

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