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コロナ禍でも成長加速するベトナムEC市場の高いポテンシャル!参入時の課題と留意点とは?

はじめに
 ベトナムでのE-Commerce(電子商取引、以下EC)と聞いて、どういったイメージをお持ちでしょうか?アマゾンや楽天等を使ったショッピングが一般的となってきた日本に比べて、まだまだ発展途上?いえいえ、ベトナムでは日本をしのぐ勢いでEC市場が急成長を続けています。

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 ベトナムEC市場の成長は、日本企業にとって大きな販売機会となる可能性があります。そこで今回の海外便りでは、越境を含むベトナムでのEC市場をとりあげ、市場規模、特徴、課題をご紹介いたします。ベトナムを含む海外での事業拡大ご検討の一助として活用いただければと思います。


1. ベトナムEC市場の高いポテンシャル
 今後、ベトナムEC市場は日本EC市場をはるかに上回るスピードで成長する巨大市場となっていきます。Googleの調査(2021)によれば、ベトナム国内ECの市場規模は2021年で約130億USドル(約1.5兆円)、今後5年で年平均約32%の成長が予測され、25年には現状の約3倍の市場規模となる見込みです。

 こうした普及の背景には、ベトナムにおける中間層の増加、格安スマートフォンの普及、物流やインターネット環境の整備などが挙げられます。例えば、スマートフォンの普及率は60%を超えており、約6,100万人が利用、世界でも10位の多さとなっています。
  
 越境ECの市場規模については、具体的な流通金額データは残念ながら手元にありません 。しかし、JETROの越境EC比率(ECにおける海外ECサイトor外国事業者経由での購入)データでは、日本の7.6%に比べて東南アジア各国の越境EC比率は20~50%に達します。日本に比べて国境を超えたショッピングは東南アジアでは比較的一般なものといえそうです。

2. 実際、何が売れているの?
 ベトナムECでは、特に食品関連、アパレル・ファッション、化粧品の人気がとても高くなっています。この傾向は日本のEC売れ筋とも共通する部分といえます。基本的には偽物のリスクもある高額品よりも、日常的に使用、消費するものを好んで購入している傾向があるといえます。

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 現地ECサイトLazadaの売れ筋カテゴリーを見てみると、確かにファッション、家電・スマホ、シャンプーや化粧品などがラインナップされています。一見すると日本のAmazon.comや楽天といったECサイトと同じようなラインナップです。なお、Foodで検索したところ、ネスレのMILOや韓国ノリ、日本の離乳食などバラエティーあふれるラインナップです。

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 当社調べ(2021)の人気の日本商品としては、特に日系ブランドの化粧品、サプリメントが挙げられます。ニーズとしては、現地で販売されていないが高品質で有名な化粧品をステータスとして使いたい、コスパが良く割安感がある、アンチエイジングブーム(健康志向の高まり)などが推察されます。

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これら越境ECで特徴的なことは、日本製品のクオリティに対する一定の信頼が存在することです。間違いなく価格はベトナム製品より高額、それでも取り寄せて使いたいニーズが存在し、その対価を支払うことができる中間層や富裕層の拡大がその背景にあると思います。

3. 越境ECにおける課題について

 日本の事業者様にとって、越境ECの課題の1つが「物流」である、というイーベイジャパンの調査結果(2019)がでています。特に配送面のリスクや、各国で異なる制度や規制に関する情報収集・ノウハウといった人材面の課題が深刻なものとして挙げられています。これは越境ECを始めたばかりの事業者様で生じることが多く、事業展開上の大きな課題となることがあります。

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 また、ベトナムECではキャンセル・返品率が高いことも商取引上の大きな課題といえます。背景には、現地は代金引換が一般的で直前キャンセルが容易な点や、輸送上等の製品破損のケースも多いことが挙げれます。こうした現地の商習慣が生む課題についても事前にある程度把握と対応しておく必要があります。 

当社も国際物流の担い手として、越境ECに限らずB2Cに近いビジネスでは非常に幅広い製品の取扱いがあり、特に通関と商品の取扱いのノウハウがスムーズな物流に大切であると思っています。またベトナムでは現地当局の見解に統一性なく、現地パートナー(当社であれば現地法人)との密な連携が必要です。

 以上のような事情もあり、越境ECを始めたい、始めている事業者様に当社のような物流企業は色々とお手伝いできることありますので、必要に応じてお問い合わせいただければと思います。

4.KONOIKEグループのベトナム物流事業

 最後に当社のベトナムでのビジネスについてご紹介させてください。 

 当社は1993年に物流会社として日本初のベトナム進出を行って以来、約30年にわたって総合物流サービスを行っております。今では3つの現地法人、700名を超える専門スタッフと一緒に、日系のお客様と現地の企業様に広くサービスご提供を行っています。

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(1)フォワーディングーサービス:日本とベトナム、あるいはその他の国も絡めて国際輸送の一括手配を承ります。海上便だけでなく、航空便も問わず、生鮮食品から精密機械に至るまでお客様の国をまたいで大切なものを”運びたい、届けたい”ニーズにお応えします。

(2)ベトナム内の物流サービス(トラック・倉庫):現地では冷凍冷蔵対応の自社倉庫を構え、”現地の消費・生産に深くかかわる物流インフラ”を支えております。例えば、コンビニ向けの配送、コイルなど重量物の配送、VMI向けの保税貨物の取扱いなどを行っています。

(3)エンジニアリングサービス:成長著しいベトナムの工業を支えるべく当社専門スタッフによる工場設備の輸送・据付・試運転までの一貫サービスをご提供しております。日本人スーパーバイザー(監督者)が一貫して現地サポートする事でお客様にも安心して作業をお任せいただいております。

当社ベトナム事業について上記ではごく一部のご紹介となりましたが、ご興味、課題、お困りごとがございましたら、まずはお問い合わせフォームよりお気軽にご相談下さい。  【お問い合わせリンク】                       

本コンテンツの作成者  海外統括本部 「KONOIKE 海外便り」編集部
・お客様の海外事業や貿易・国際物流を日本国内外にて日々ご支援し、お客様の様々な課題・お悩みに向き合い解決を図っている国内・海外のメンバーにて執筆しています。
・海外事業や貿易・国際物流にてお困りごとあれば、どうぞお気軽にお問い合わせください!

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