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「男」を意識するプリンセス/ディズニー映画『魔法にかけられて』


こんにちは!
此島このもです。

あなたはご存知でしたか?!
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私もこのキャンペーンを一昨日知りまして、先着順らしいので慌てて登録したら大丈夫でした☺️


もうね、ワタクシ幼い頃からディズニーに育てられました。父はアンパンマン母はディズニー兄はジブリ姉は衛星アニメ劇場です。

はじめての出会いはシンデレラのビデオ…!
動物と意思疎通できるところやドン底のとき現れる妖精に憧れたものです。

成長してからもディズニーを見続け、大好きな作品との出会いもたくさんありました。

記念すべきひとつ目の紹介をどの作品にしようか考えると、やはりここは私の一番好きな映画『魔法にかけられて』しかないでしょうと結論が出たので

今回は『魔法にかけられて』の好きポイントを紹介していきます!



好きポイント①

公式がそれやっちゃうんだ😂
皮肉たっぷりNY風プリンセス映画!


ストーリー

この映画はおとぎ話の世界に住むプリンセス(予定。正確に言うと動物と仲の良い、森で暮らす女の子。だけど王子様と結婚したらプリンセスになれちゃうもん! そういう意味ではあなたもプリンセス、カナ?😉☆)のジゼルが主人公です。

ジゼルは映画開始から7分で王子様と出会い恋をして次の日には結婚する……はずだったのですが、王子の継母である悪い魔女に騙されてアメリカはニューヨークシティにとばされてしまいます。昨今大人気の異世界転生モノの逆バージョンみたいな感じでしょうか。

出会う人すべてが冷たいニューヨークの街をさまようジゼル。彼女を助けたのは現実主義の弁護士ロバートとその子供モーガンでした。

さあジゼルは無事におとぎ話の世界に帰れるのでしょうか?

という映画なんですけれども。


この映画の良さは「これディズニープリンセスが現代の大都市に来たらどうなるかの二次創作じゃないよね?」と思うくらいシニカルなネタと過去のディズニー作品のパロディがたっぷり詰まっていることです。

たとえば

ミュージカルが苦手な方が「急に歌い出すのがちょっと……」とおっしゃるのをよく聞きます。まあそうですよね。現実世界で急に歌い出したら「えっ」てなります。

それを公式でやっちゃうのがこの映画。
急に歌い出すジゼルにロバート(助けてくれた弁護士)は「えっ」てなります。


それから、ジゼルは歌うことで動物を使役できる特殊能力を持っています。

でも大都会ニューヨークシティで動物を呼び出したらどうなると思います?

ネズミ、ハト、いわゆるGの虫……そういう動物しか来やしません。

そしてジゼルの歌が終わるやいなやハトが虫を食べるんですよ……さっきまで一緒に部屋の掃除をしていた虫を! シニカル〜!

それでもニコニコしてGやネズミと仲良くするのがジゼルという女性なんですけれど。

おとぎ話の住人であるジゼルは純真無垢で人を疑うことを知りません。

だから当然やって来た動物たちがGでもドブネズミでも嫌がるはずがありませんが、とはいってもGを指に乗せる姿には「ワーオ」と言うしかありません。

この映画はそういうジゼルのちょっとズレた感じをこれでもかと描いています。

例えばなんやかんやあってジゼルがバスタオル一枚の姿でロバートとともに床に倒れ込んでしまうシーンがあります。それを目撃したロバートの彼女ナンシーは彼が二股をかけていたと思いカンカンに怒ってロバートに正論を叩きつけ帰ってしまいます。

私なら自分のせいでナンシーを怒らせてしまったと思うところですがジゼルは違います。

弁解を聞いてもらえず疲れ果てた顔のロバートに「Oh,she is lovely.」とナンシーがすてきな人だと言うんですよーーーーーー!

ズレてる! 天然どころじゃない!!!!

そしてそんなジゼルにロバートは状況を説明するべく「君のせいでナンシーと仲たがいした」と伝えます。「彼女は君と僕が…」と言うロバートに「キスした(とナンシーは思っている)?」と問いかけるジゼル!! いやーーーたぶんロバートが言いたかったのはキスじゃなくてもっと大人の関係だと思うよーーーー!! でもそうだよねわかんないもんねしょうがないねと最後にはほっこりした気持ちにまでさせられてしまいます。キス以上の関係を知らず「え? ナンシーは私たちがキスしたって勘違いしちゃったの? そんな…」としょんぼりするジゼルのかわいさよ。


シニカル展開はまだあります。

色々あってジゼルは舞踏会に出ることになります。

でも困りました。ふさわしいドレスがありません。

ジゼルはすっかり仲良くなったモーガン(助けてくれた弁護士ロバートの娘)に相談します。

するとモーガンはお父さんのクレジットカードを取り出します。

彼女いわく、緊急事態のときに使いなさいと言われているそうで、真面目な顔で「今はぜったい緊急事態だよね」と宣言するモーガンがとても可愛らしいです。

このシーンのモーガンは自室で妖精の格好をして遊んでいたところでした。

ですので困った主人公が妖精の助けを借りるというクラシックなプリンセス映画の展開になるかと思いきや、

そんな妖精の姿をした女の子が「妖精よりも便利なものがあるわ」と告げ、魔法の杖を脇に置いて取り出すのがクレジットカードなんです!!

現代における魔法とはお金の力なんですね。ファンタジーからかけ離れた展開に笑ってしまいました。

そう考えるとTwitterなどでたまに見る「5億円くれ」とか「5000兆円ほしい」みたいなのって要は「素敵な魔法で人生パーッと明るくしてほしい」という願望と一緒なんだなと気付かされますね。

そのように「妖精よりもクレジットカード」なモーガンですが、彼女はまだ6歳。

「強い女性になってほしいからおとぎ話の本は与えない」との父親の方針に反し、彼女はとてもファンタジーな側面も持っているのです。

妖精の格好をしてみたり、寝る前にベッドに寝かせた人形にチュッとキスしたり。

ニューヨークへやってきたジゼルに最初に気づくのもモーガンです。ファンタジーの世界に関心がある女の子だからこそジゼルを「何かのイベントでコスプレしてる」とか「大きいスカートが邪魔な人」とか「盗みのいいカモ」と思わずにひとりのプリンセスとして発見してくれたんだろうなとほっこりします。

そしてまた、そういう女の子がクレジットカードを取り出すからこそ「現実世界での魔法とは金銭の力である」の展開がビビッと鮮やかになるのですよね。
ファンタジーに関心がある6歳の女の子でも金銭の力を知っている、それが現実世界だ!! というように。

そんなところがシニカルで、でもファンタジー的なものへの愛も感じて、だから私は『魔法にかけられて』が大好きなんです。



好きポイント②

各キャラクターの変化💪

おとぎ話の住人であるジゼルが現実世界にやってきたことで各キャラクターに変化が訪れます。好きポイント②ではそこを書いていきます。


ジゼル

まず主人公のジゼル。
物語序盤のおとぎ話の世界はアニメの世界なので、彼女もはじめはアニメで描かれています。シンデレラやアリエルなどのディズニープリンセスと同じように。

そんな彼女がニューヨークに来るとそこは現実世界ですから現実の肉体に変化します。

けれども私が面白いなと思うのは単なる肉体の変化ではなくて、彼女の演技っぽさや大仰さです。

ジゼルは動作がいちいち大きく感情表現も豊かを通り越してやりすぎで、現実世界ではすごく変な人に見えるんですね。ロバートが冷静なキャラクターなのでその対比で余計におかしく見えます。

おとぎ話の人間が現実に来るとそうなってしまうんですね。

(私が日本人なので豊かな感情表現に慣れていなくてそう見えるだけかもしれませんが、ロバート以外の現実世界のキャラクターと比較してもかなり動作が大きいように見えます。やはりそのあたりは意図的な演出なのだと思います)

ところが、そのような大仰な動作は映画の進行と共に落ち着きます。

そのターニングポイントはやはり「あのシーン」ではないでしょうか。

「あのシーン」とは、プリンセス映画でこんなのやっちゃうの! と個人的に驚いた場面なのですが

それはジゼルが「男」を意識するシーンです。

王子は迎えに来ないと主張する現実主義のロバートにジゼルが生まれて初めて「怒り」という感情を抱く場面でもあります。

ところで、『プリンセスと魔法のキス』というプリンセス映画をご存知でしょうか。主人公の女の子と王子がカエルに変身してしまうストーリーです。その映画のある場面で、カエル状態の女の子と王子の長く伸びた舌がトラブルにより絡まります。

私はこれを見て「カエルだからまだいいけどこの子達が元々人間だったことを考えるとけっこうエロスな展開では…? 大丈夫…?」と心配になったのですが、全くいやらしくなく互いに異性として意識することもなくその場面は終了しました。

それに比べて『魔法にかけられて』の「怒り」のシーンはかなりエロスというか……ジゼルとロバートがお互いを異性としてハッキリ意識したことが伝わってくる場面になっています。私はふたりがキスしてしまうんじゃないかとドキドキしながら見ていました。
(翌朝のロバートもローブの中に肌着を着て肌を隠しているし……こりゃまずいと思ったんだろうなあ)

ちょっと文章で説明するのが難しいので気になる方は映画を見ましょう。いえ気にならない方も映画を見ましょう。みんな見ましょう。ワッショイ!

で、話を戻しますがそのシーンのあとのジゼルは動作が落ち着いていて「あー現実世界に慣れた、というかロバートのいる現実世界に心が惹かれているんだな」と思わされるんですよね。


ロバート

それでは、ジゼルとそんな雰囲気になったロバートはどうでしょうか。何か変化があったのでしょうか。

あります。
それもどでかいやつ。

前日にはジゼルがカーテンを切ってドレスを作ったことを怒っていたのに翌朝はジゼルがラグを切ってドレスを作っても怒らないどころかちょっと微笑んでるとかはまだ可愛い変化ですよ。

そんなんじゃなくて、なんとロバート、歌います。

おとぎ話の住人ほどはっきりは歌いません。

すでに流れている歌に合わせてちょろっと囁く程度です。

でもそのちょろっとが、ロバートの切ない心情がつい溢れてしまったように見えて大変情緒があります。

そのとき流れているのは愛する相手とともに過ごすことができない悲しみを歌う切ない曲です。それが流れている中ジゼルとロバートが踊るんですよね。

そして踊りながらね、ロバートが囁くような小さな声で歌うんですね。

ジゼルが歌い出したときに「えっ」てなってたロバートがですよ。
自らの心情を歌うんですよ。

これはどでかい変化です。

あと、倒れてしまったジゼルを見て「真実の愛のキスで目を覚ますことができるのでは」と気づくのがロバートなのもいいですよね。

序盤にジゼルが「真実の愛のキスは魔法より力がある」と説明しても「あっそ」みたいなうす〜いリアクションしかしなかったあのロバートがね……(涙)

現実世界に生きるロバートもジゼルから影響を受けて変化しているのです。


エドワード

そのほかのキャラクターはどうでしょう。

他にもナサニエルというキャラクターは大きく変化するのですが、私は彼よりも王子エドワードに注目したいです。

エドワードは愛すべきナルシスト。

自分への愛が強すぎて、リスが必死にジェスチャーで伝えようとしている内容がわかりません。「ナサニエルは僕を好きだ」とか「僕は寝ている時も最高」とか自分への褒めとして解釈してしまいます。

でも彼はいい人。

ジゼルを守りたい気持ちが先走ってロバートに剣を突きつけていてもジゼルに「やめて! お友達なの」と言われるとニコッとして剣をおさめます。その落差なんなのおもしろ〜!

そして映画終盤では、倒れたジゼルが自分のキスでは目覚めずロバートのキスで息を吹き返しても笑いながら見守るんですよなんなのいい人すぎるエドワード……!

そう書くとかなり都合のいいキャラクターですが、でも私は物語の最後の最後でリスのジェスチャーが意味するところを読み取れるようになった部分にエドワードの悲哀を見ます。

ジゼルにふられるという挫折を経験したことで彼の自己愛にかげりがさしたのではないでしょうか。

だからこそリスのジェスチャーが自分への褒めに見えなくなり、その意味するところを正確に読み取れるようになったのではないでしょうかね。

自分を好きなのは良いことだけれど、好きすぎてもよくないという話にも見えますね。



そのほかにも『魔法にかけられて』には魅力的なキャラクターやクラシックなディズニー映画の要素などがふんだんに盛り込まれています。

だから見ましょう! 

そして11月には続編も発表されるそうなので、ともに感想を語りましょう🕺💙🤟😋💙🕺






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